TCFD提言に基づく情報開示
ガバナンス
NTT東日本グループでは2023年度、「地域に密着した現場力とテクノロジーの力で、夢や希望を感じられる持続可能な循環型の地域社会を共創」することを新たな「パーパス(存在意義)」として定義し、重要課題(マテリアリティ)を特定のうえ強力に推進を行っています。
活動推進にあたり、「サステナビリティ推進室」および「サステナビリティ推進委員会」が推進に向けた活動を一元的に行うことで、迅速に対応できる体制を整えています。
「サステナビリティ推進委員会」は代表取締役副社長が委員長を務め、本社内各組織、事業部の代表者を委員とし、毎年定期的(四半期に1回)に開催して、グループ横断のサステナビリティ活動推進に向けた議論を行っています。同委員会の中で温室効果ガス(以下、GHG)削減に向けた取り組みを含む、環境問題に関する基本戦略、環境目標に対する進捗状況、活動の実施状況、情報開示、環境関連の法令遵守状況等について議論し、取り組みを推進しています。「サステナビリティ推進委員会」において議論されたKPIの進捗および重要な事項は、定期的に取締役会に報告し、取締役会が監督しています。なお、GHG削減に関するKPIを役員報酬に反映しています。
環境マネジメント体制図(2026年4月1日現在)

- ※スタッフ各部とは、経営企画部、総務人事部、財務部、相互接続推進部、情報セキュリティ推進部、先端テクノロジー部、内部監査部、監査役室を指します。
また、NTT東日本グループでは気候変動を含む環境問題に対して社員一人ひとりが自ら考え行動することを目標として社員の環境学習機会創出につながるeco検定(環境社会検定試験)の取得を推奨しており、2025年度末時点で管理者を含む全社員のうち67%(管理者93%)がeco検定資格を取得済みとなっています。
戦略
概要
シナリオ分析の結果(後述参照)として、NTT東日本グループにおけるリスク面では「1.5度の世界」において脱炭素対策に伴う事業コストの増大とともに対策の不足に伴う売上の低下が確認されました。NTT東日本グループの主なGHG排出要因としては、電力使用、車両使用、ガス・燃料使用がありますが、そのなかでも大半の要因である電力使用に伴うGHG排出の削減の重要性を改めて認識しました。そのため自らのグリーン電力化の推進としてPPAの導入を含めた再生可能エネルギーの活用を進めるほか、圧倒的な低消費電力をめざしているIOWNの研究開発の推進ならびにIOWNの導入・拡大、組織横断での省エネ・脱炭素施策を継続・拡大していきます。
また、「4度の世界」においては、特に風水害に対する事業の停止リスクや真夏日・猛暑日・酷暑日の増加に伴う人的資本への影響が確認されました。NTT東日本グループの事業は人々の生活を支える重要なインフラであることから今後も人的資本への影響緩和ならびに自然災害に対する具体的な対策を継続して進めていきます。
機会においては、1.5度・4度どちらの世界においても脱炭素推進または防災・減災や災害時の対応と、今後特に地方部において起こりうる人口減少対応のために通信の需要が拡大することが想定されています。そのため、どちらの世界においても、地域社会の皆さまとともに地域のミライを考え、1.5度・4度どちらの世界においても夢や希望を感じられる持続可能な循環型社会の共創をめざして、ミライの価値創造につながるソリューション・サービスの拡大に挑戦し続けます。
これらの分析結果より、NTT東日本グループでは、1.5度・4度どちらの世界が訪れても事業の持続性を確保できる体制を構築すると同時に、持続的な社会の創出のために1.5度の世界をめざすことが重要と認識しています。NTT東日本グループはNTTグループ全体で策定している環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」に沿った脱炭素社会の実現のために、Green by ICTによる自らのグリーン化を推進するとともに、Green of ICTによる脱炭素社会への貢献に向けて、さらに具体的な取り組みの推進・拡大に努めていきます。
シナリオの設定
対象年:2040年
NTT東日本が考える2040年のシナリオ1.5度および4度
1.5度の世界「多様なステークホルダーとの共創により社会全体で脱炭素を推進するシナリオ」
(産業革命前と比較し、2100年時点で世界の平均気温の上昇が1.5度未満に抑えられる世界)
- 地域の発展や社会課題の解決にもつながる再生可能エネルギー導入や農地土壌における炭素貯留の促進・適切な森林管理など、脱炭素への取り組みが進み、脱炭素と地域経済活性化が同時に推進されている。また、地方部においては人口減少を前提としたDX/IoT活用も考慮したまちづくりが求められる。また、都市部においても生物多様性への配慮がなされており、都市のグリーン化が促進されている。
- 企業においては短期的な事業戦略のみならず、中長期の成長戦略の中でGX分野ならびに資源循環や自然資源対応への投資やイノベーション推進を行い、それが投資家や株主から評価されるとともに、新たな産業育成に関して政策的な支援も積極的に行われる。新たなGX産業は日本国内のみならず、日本発技術が海外で活用され、地球全体での脱炭素促進を目指している。
- 脱炭素対策はサプライチェーン全体での連携と環境配慮の推進が徹底されており、大企業のみならず中小企業においてもGX対策をとることが企業成長のドライバーとなっている。また、脱炭素社会への移行に伴いGX分野での雇用が進んでいる。
4度の世界「先端技術と地域の連携を最大化し、防災・減災を目指すシナリオ」
(産業革命前と比較し、2100年時点で世界の平均気温の上昇が4度程度まで上昇する世界)
- 豪雨・洪水・土砂災害などのリスクの複合化に対応するために、災害時の地域の状況がリアルタイムで把握される仕組みの構築とともに、自治体・住民・企業・医療などが連携しネットワーク型で動くしくみが構築されており、少子高齢化が進んでいく地域においても災害時に要配慮者が取り残されることがないように地域の状況の把握がなされている。
- 地域の脆弱性マップや分散型避難拠点の配置・早期警報システムの整備がなされているとともに、NbS(Nature Based Solutions)の主流化でグリーンインフラを活用した河川のピーク時の流量緩和や沿岸域の高潮緩和が実施されている。
- 各地域での気温・水温の上昇にともなう一次産業における収穫量の変化や影響に対するモニタリングと研究が進み、気候変動適応型一次産業が必要とされている。
●シナリオ設定にあたって参考にした資料
- IPCC AR6 WG1 SSP1-1.9
- IPCC AR6 WG1 SSP5-8.5
- IPCC AR6 WG3
- IPCC 1.5℃特別報告書
リスクと機会の財務的影響度の分析
まずは、設定したシナリオを基として1.5度・4度の世界における発生可能性と重要度(財務影響度)に関してマトリックスを用いた整理を行いました。
1.5度の世界
4度の世界
上記に基づいたリスク・機会分析により、電気通信事業※1データセンタ事業※2・ソリューション事業※3の3分野を対象として特に重要なリスク・機会について評価を行いました。
- ※1電話・光回線事業
- ※2データセンタ事業ならびに周辺事業
- ※31・2以外の事業
| リスク・機会 | 概要 | 時間軸 | 財務影響 | |
|---|---|---|---|---|
| リスク | 政策・法規制 (主に1.5度) |
規制強化に伴う炭素税・再生可能エネルギー賦課金・再生可能エネルギー導入のコスト増 | 中期〜長期 | 大 |
| 市場・批判 (主に1.5度) |
事業実施に伴う脱炭素化・環境配慮への規制や要請が増加 | 長期 | 大 | |
| 顧客(個人・法人)からの環境配慮への要請の増加 | 長期 | 大 | ||
| 物理リスク(慢性) (主に4度) |
真夏日・猛暑日・酷暑日の増加 | 短期〜長期 | 小〜中 | |
| 物理リスク(急性) (主に4度) |
気候変動に伴う風水害リスクの上昇 | 短期〜長期 | 小〜中 | |
| 機会 | 製品・サービス (1.5度) |
環境配慮に資する製品の需要拡大(脱炭素・資源・自然) | 短期〜長期 | 中〜大 |
| 製品・サービス (1.5度・4度) |
DX・IoT活用の拡大* | 短期〜長期 | 大 | |
| 製品・サービス (主に4度) |
防災・減災関連ソリューションの必要性の増加 | 短期〜長期 | 中〜大 | |
| 機会 (主に4度) |
適応ビジネス・猛暑日や真夏日・酷暑日に対応したサービスの拡大 | 短期〜長期 | 中〜大 | |
- *時間軸:短期…1〜3年、中期…3〜5年、長期…5年〜、財務影響額は関連する財務指標に与える影響の大きさを鑑みて、大・中・小の三段階で評価
- *人口減少への対応や移動の抑制(脱炭素・災害対応他)に伴うものを想定
下記根拠により算定されたリスクに伴う財務影響は、適切な対応をとることにより最小化・回避可能と想定 - *財務影響
- 規制強化に伴う炭素税・再エネコスト増については下記から算出(▲10〜50億円程度)
- 温室効果ガス排出量に対し炭素税が導入された場合
- 再生可能エネルギー導入に伴うコスト増
- GHGプロトコルの見直しにより、非化石証書の活用ルールが見直された場合
- 非化石証書の需要が高まった場合
- 市場からの要望に対応できなかった場合の売り上げ減少については下記から算出(▲数十億円以上)
- 現在の年間売上高×環境配慮要請のある顧客売り上げの比率(想定)×売り上げ減少率(想定)
- 気温の上昇によるコストについては下記より算出(▲数億円〜10億円)
- @熱中症予防に対するコスト増
- 屋外作業従事者数×高温制限想定日数×深夜早朝等気温が低い時間に作業を動かした場合のコスト×1人1日当たりの付加価値
- A真夏日・猛暑日の増加により夏場(6〜9月)の気温が1度上昇した際の1日当たりの通信設備ならびにDCにおける空調費空調費の増加
- 日数×電力増加量(1度上昇分)×電力料金(1kWhあたり)
- @熱中症予防に対するコスト増
- 災害対応:大規模な気象関連災害(1災害)が発生したと想定した場合の対応コストを過去の事例を基に下記から算出(▲1〜3億円/気象関連災害1件当たり)
- 2023〜25年における豪雨・雪害・台風等による通信設備への被害(故障並びにケーブルり障への対応)からの復旧コスト
- 規制強化に伴う炭素税・再エネコスト増については下記から算出(▲10〜50億円程度)
リスク・機会の概要と対応
リスク・機会への対応を対象事業ごとに記載
| 電気通信事業 | データセンタ事業 | ソリューション事業 | |
|---|---|---|---|
| 移行リスク | 具体的な課題:規制強化に伴う炭素税・再生可能エネルギー賦課金・再生可能エネルギー導入のコスト増 | ||
事業コストの増加
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| 具体的な課題:事業実施に伴う脱炭素化、環境配慮への規制や要請の増加、顧客(個人・法人)からの環境配慮への要請の増加 | |||
環境配慮の対策不足に伴う売上減
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| 物理リスク | 具体的な課題:真夏日・猛暑日・酷暑日の増加 | ||
作業員の健康被害リスク増加
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| 具体的な課題:気候変動に伴う風水害リスクの上昇 | |||
設備・通信ケーブル等の被災によるサービス停止・復旧時間の長期化、品質低下リスクの増加
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| 機会 | 具体的な課題:環境配慮に資する製品の需要拡大(脱炭素・資源・自然)、DX・IoT活用の拡大 | ||
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| 具体的な課題:防災・減災関連ソリューションの必要性の増加 | |||
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| 具体的な課題:適応ビジネス、猛暑日や真夏日・酷暑日に対応したサービスの拡大 | |||
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- ※社内炭素価格(ICP)は2022年5月から6,500円/t-CO2、2024年10月から19,000円/t-CO2、2025年4月から21,000円/t-CO2、2026年4月から27,000円で運用
詳細はNTT東日本ウェブサイト2040年カーボンニュートラルの実現「インターナルカーボンプライシング制度の導入」を参照
事例紹介
リスクに対する対応について
【事例1】通信設備およびオフィスにおける省エネ(1.5度シナリオ)
NTT東日本グループの事業活動におけるCO2排出量の90%以上は、通信設備やオフィスでの電力使用に伴うものです。電力使用量の多い通信会社としての社会的責任を果たす観点からも、節電による省電力化が重要なポイントとなり、NTT東日本グループ一丸となって節電に取り組んでいます。
例えば、オフィスビルにおいては初台本社ビルへのスマート照明システムの導入による、温度センサによって認識した人の在不在情報に基づくオフィスの照明の点消灯・調光の実施やAIを活用した省エネ支援システム(DiAs)を導入し、AIとRPAを活用して建物のエネルギー運用を最適化するなど、エネルギーコスト削減や環境負荷低減、さらなる省エネに取り組んでいます。
通信設備における省エネではネットワーク設備の更改、統廃合や高効率な設備への更新および運転台数適正化や空調設定温度の適正化、ネットワーク設備のシンプル化や省エネルギー技術の導入を検討・推進(高電圧直流給電システムや間接外気冷房等)に取り組んでいます。
【事例2】DCにおける消費電力削減に向けた取り組み(1.5度シナリオ)
データセンタの省エネの取り組みとして、アイルキャッピング※1の導入やLED照明や太陽光発電の導入・壁面緑化・遮熱・断熱コーティングの採用・冷涼な外気を活用して電力使用量を抑える新型の空調設備の導入(北海道データセンター)・室外機への散水システムの導入※2(一部の拠点)・空調自動制御システム「SmartDASH」※3の導入などに取り組んでいます。
- ※1アイルキャッピング:ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、IT装置への給気(低温)とIT装置からの排気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術で空調消費電力の約20%の削減が期待できる(NTTファシリティーズ調べ)。
- ※2室外機への散水システム:放熱フィンへ直接散水し、水の気化熱を利用することで、空調消費電力の約30%の削減が期待できる(メーカー調べ)。
- ※3「SmartDASH」はVigilent社の登録商標、または商標。
【事例3】再生可能エネルギーの安定した調達(1.5度シナリオ)
自責GHG排出の90%以上が電力消費に伴う排出となっているNTT東日本グループにとって、自社のGreen of ICTの実現に向けて戦略的な再生可能エネルギーの導入は重要な課題です。そのため、今後の規制やルール変更も見据えながらNTT東日本グループが所有する建物への再生可能エネルギーの導入も開始しています。具体的な取り組みとして、2026年4月から宮城県仙台市に所在しているNTT東日本五橋ビルにおいて、県内の太陽光発電を活用して電力のグリーン化を実施しています。NTT東日本グループは今後も再生可能エネルギーの導入も含め、自社の電力活用由来のGHGの排出削減に積極的に取り組んでいきます。
【事例4】通信のレジリエンス強化と地域価値の向上に向けたインフラ事業者との連携(1.5度、4度シナリオ)
通信を含むインフラ事業を取り巻く環境として、昨今および今後も想定される甚大な台風被害や今後想定される首都直下型地震等の大規模自然災害に備えるため、ライフラインのさらなるレジリエンス強化が必要とされているとともに、インフラ事業における社会課題解決による持続可能な循環型社会の確立が求められています。これらの実現のためには社会基盤として大きな役割を担う「ガス」「電気」「通信」の連携が不可欠です。そのため、NTT東日本は東京ガスネットワーク株式会社・東京電力パワーグリッド株式会社と2022年に「インフラ事業における「持続安定化」や「地域価値向上」に資する取り組みの推進を目的とした連携協定」を締結しました。この協定に基づき、災害発生時には3社で共同災害対策室の設置と情報連携を図りながらの災害対応の実施や、平時における連携(設備点検の共同化等)など、インフラ基盤の持続安定化に貢献にしています。さらには、データ連携による自治体の災害対応活動への貢献や災害対応の迅速化・効率化等への取り組み、物流分野における連携に伴う災害時へのさらなるレジリエンス強化ならびに通常時における温室効果ガス削減への貢献など、社会価値の向上や暮らしやすいまちづくりへの貢献と豊かな社会に向けたイノベーションの推進を行い、地域価値の向上への貢献を目指しています。
機会に対する対応について
【事例5】地域とともにつくる、エネルギー循環型社会への貢献(1.5度・4度)
NTT東日本グループのNTT-MEでは通信で培った現場力・ICT技術、および圧倒的拠点数・および地域に根差したサービスを展開してきたNTT東日本グループの強みである地域特性の理解を活かし、地域がめざすカーボンニュートラルの実現とエネルギーで社会の成長を未来につなぐことを目指して、地域の特性に合った最適なサービス・ソリューションの展開による「エネルギー循環型社会」の実現に向けたサービス・ソリューションを複数展開しています。具体的には、再生可能エネルギーの導入や地域新電力を活用したエネルギーの地産地消、蓄電池の導入やEV/EVステーションの導入支援および省エネ設備導入の支援などの「構想〜計画〜実行」においてトータルサポートを展開しています。例えば、2026年4月には、自治体を対象としてNTT-MEとして初となるオンサイトPPAによる再エネ電力供給を開始しました。この取り組みでは、PPA方式で避難所等公共施設への太陽光発電設備および蓄電池等を導入し、再エネ電力の活用による温室効果ガス排出削減と災害時における電力確保による地域レジリエンス向上への貢献を目的としています。
【事例6】食の安定供給を目指した一次産業への貢献(1.5度・4度)
昨今の「地政学・感染症リスク」「気候変動の深刻化」「国際価格高騰・為替変動」などの影響を踏まえ、食の安定供給が国家安全保障上のリスクとして浮き彫りとなっている中、NTT東日本グループのNTTアグリテクノロジーは国内でさまざまなパートナーと連携を行い「食の安定供給」「一次産業の成長と伝承、魅力向上」への貢献を目指して事業を行っています。
●食の安定供給における農業分野での貢献
NTTアグリテクノロジーでは、自社ファームでの生産販売に加え、自社で培ったノウハウを活かした次世代園芸施設の設計施工、IoT/AIを活用した生産性向上、省力化、遠隔営農支援、ロボティクス活用支援等多岐にわたる事業を展開しており、気候変動を含むさまざまな課題に対し、食の安定供給におけるレジリエント向上にも貢献しています。
また、自社ファームにおいては、例えば高度な環境コントロール技術・IoT等の先端技術の活用により、栽培する作物にとっての最適な環境を作り出すことで飛躍的な収量の向上を実現しています。さらに、自社ファームの生産においては再生可能エネルギーを活用するなど、自動環境制御システムによるエネルギー消費の効率化・自動潅水による適切な地下水利用や、排水の再利用等事業による環境への影響の低減にも努めています。
●完全閉鎖循環型の陸上養殖システムによる水産分野への貢献
世界的にも水産資源の枯渇が進んでいる中、国内においても海水温の上昇や自然災害などの環境変化なども影響し、海面漁業の漁獲高は年々減少傾向にあります。このような中、NTTアグリテクノロジーでは環境に優しい完全閉鎖循環式陸上養殖を活用したスマート陸上養殖技術の提供により、安定的で持続可能な水産業の実現をめざしています。水質管理やデータ活用により、効率よく生産を行い、地域特産品の創出や新しい産業組成の支援も目指しています。このスマート陸上養殖の展開により、これからの食の安全と環境保護に貢献してまいります。
【事例7】防災に対する最新の知見の蓄積と地域防災への貢献(1.5度・4度)
これまでさまざまな災害発生時に通信ネットワークの強靭化や通信サービスの早期復旧を行うとともに、その知見を活かして地域防災のトータルパートナーとして自治体の災害復旧や住民の生活再建の支援にも取り組んできました。それらの知見に先端テクノロジーとNTT東日本グループのICTと実装力を掛け合わせ、新たな地域防災の仕組みを作っていくために、NTT東日本は2025年4月に「NTT東日本 防災研究所」を設立しました。この防災研究所ではNTT東日本が持つ通信を守り続けるための技術と実装力および災害対応で培った知見と、AI、IoT、ビッグデータ、5G、ドローン、シミュレーション技術などの世界最先端のテクノロジーおよびさまざまな防災・災害に関する研究を掛け合わせ地域の防災計画への反映・定着に伴走していくことで、地域の防災力の高度化を目指しています。また、当防災研究所は自然災害に強い持続可能な社会の実現を目的とし、防災科学技術研究所 社会防災研究領域総合防災情報センターとの連携も協定しており、自然災害に関する研究や防災情報の高度化・利活用、自然災害に強い持続可能な社会の実現を目指しています。
【事例8】「災害に強いまちづくり」の実現に向けた取り組みの推進(1.5度・4度)
昨今の災害は激甚化・長期化しており、住民の生命や財産を守るために自治体の災害復旧における高度で迅速な活動が求められています。一方、人手不足による災害時の被災箇所調査と災害対策本部運営の両立の難しさなどの課題も存在しています。このような課題に対し、NTT東日本は通信事業者としてこれまで経験してきたさまざまな災害に対する復旧に向けたオペレーションの改善や体制強化等を図ってきた経験を活かし、ノウハウや技術を自治体の防災業務に展開することで復旧活動の支援や日常生活の早期回復につなげ、より災害に強いまちづくりへの貢献を目指した防災ノウハウ・アセット活用による、自治体へのコンサルティング活動を実施しています。
具体的事例(抜粋)としては、以下が挙げられます。
三浦半島防災強化プロジェクト
NTT東日本は神奈川県三浦半島に位置する横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町(以下三浦半島4市1町)と、2025年5月に半島地域特有の災害リスクに対応し、半島全体で災害に強い地域づくりを推進することを目的とした防災連携協定(以下本協定)を締結しました。本協定においては、地球温暖化による自然災害の激甚化・頻発化に加え、人口減少や少子高齢化による自治体職員数の減少など、深刻化する地域の防災を取り巻く課題とともに、半島という地形特性から、災害発生時には交通網の遮断、津波発生時の広範囲避難、谷戸地域での土砂災害による孤立などの災害リスクを抱えている三浦半島4市1町において、半島全体で災害に強い地域づくりを推進しています。
具体的には、三浦半島4市1町とともに、NTT東日本は地域通信事業で培った災害対応の知見などに加え、デジタル技術や地域密着の現場力なども活かし、1)通信の応急対策強化、2)防災力強化支援、3)次世代の防災DXの共同研究を進めています。本協定を通じて得られた知見や成果をもとに、将来的に全国の類似地域にも応用できる「新たな地域防災の在り方」を提言していくことで、三浦半島に限らず災害に強い地域社会の実現への貢献をめざしています。
山形県置賜地域における災害へのレジリエンス強化推進の推進
NTT東日本山形支店と山形県置賜地域の3市5町(米沢市・長井市・南陽市・小国町・飯豊町・川西町・白鷹町・高畠町)は2023年5月に連携協定(以下本協定)を締結しました。本協定において、2022年8月の線状降水帯の振返りや防災力の可視化を通して、共通課題である避難行動支援について「避難誘導支援モデル」をデジタル技術を活用することより、「切迫期」〜「発災直後」の災害対策業務を高度化・効率化を目指し地域住民やステークホルダーをつなぐネットワークを組成することで「被災者を誰一人取り残さない社会」の実現を目指しています。
また、山形県長井市においては、長井市、NTT東日本、NTT e-Drone Technology、NAVER Cloud Corporationと韓国水資源公社と協定を締結し、ドローンの空撮画像から長井市の高精細なデジタルツインを構築し、最先端のデジタル技術を最大限に活用した"強靭かつ持続可能な地域防災"の実現に向けた検討を実施しています。
一級河川・最上川が南北に貫流し、市街地には多くの小河川が流れる地形的特性を有しており、水害に対する防災体制の強化が喫緊の課題となっている長井市において、1)ドローンを活用した高精細なデジタルツインの構築、2)水害シミュレーションによる降雨・水害の事前予測・可視化、3)リアルタイムな現場状況の可視化・モニタリング、4)災害対策を担う関係者間の情報共有と意思決定支援のための機能による最適な地域防災の仕組み検討を実施しています。本取り組みで得られた知見や成果を基に、今後さらなる地域防災支援の展開にも貢献していきます。
本事例で紹介した以外にも、NTT東日本グループでは脱炭素社会の貢献に資するソリューション・サービスを展開しています。詳細は以下をご確認ください。
リスクマネジメント
NTT東日本グループでは、目まぐるしく変化する経営環境において、企業としての社会的責任を果たし、「安心」「安全」「信頼」のサービスを提供していくために、「BRM推進委員会」を設置しています。BRM推進委員会は、年に2回実施し、代表取締役副社長(CCO)が委員長を務め、本社の各組織長を委員メンバーとして構成しています。同委員会は、リスク発生状況等を踏まえた活動方針の計画審議・リスク発生状況の分析結果報告・BRMマニュアルの整備等について審議・報告を行い、ビジネスリスクに対する危機管理の強化に向けた体制整備および取り組みを推進する役割を担っています。
気候変動に関連したリスクと取り組みに関しては、サステナビリティ推進委員会の中でKPIを設定し、モニタリングを実施しています。
指標と目標
NTT東日本グループは、NTTグループの環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」に基づき、「2040年度までにカーボンニュートラル・ネットゼロ達成」に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大や最先端の技術の活用等に取り組んでいきます。
| 内容 | 目標 | 目標達成年 | 2025年度実績 |
|---|---|---|---|
| GHG排出削減 | スコープ1+2:カーボンニュートラル スコープ1+2+3:ネットゼロ |
2040年 | 43万t-CO2e |
| 一般車両のEV化率 | 70%をEV化 | 2040年 | 66% |