生態系保全活動の拡大
基本的な考え方
豊かな自然環境は私たちにとってかけがえのないものであり、次世代に継承するためには、自然共生社会を実現していかなければなりません。NTT東日本グループでは、主に東日本エリアにおいて、多くの通信設備を有しており、事業活動において、少なからず自然への影響を与えています。その影響・依存状況やリスク等を特定・評価を行い、事業活動に反映するとともに、地域の皆さまと一緒に、東日本エリア全域で、植樹や里山保全等さまざまな生態系保全活動に積極的に取り組んでいます。
事業活動における自然への依存関係や影響の調査
NTT東日本では、東日本エリアに多くの事業用施設を有しており、自然に依存するとともに、自然への影響を与えています。NTT東日本の考える「持続可能な社会」の実現に向けた「自然との共生」の取組を深めていくため、NTTグループ一体で、自然関連の影響・依存、リスク・機会などについて特定・評価を行いました。
《自然関連の影響・依存》
NTT東日本が持つ通信ビルにおける、自然への潜在的な依存・影響に関する検討を行いました。その結果、通信ビル設置・運用段階での周辺生態系への影響などが挙げられました。それらを踏まえ、実際の自然への影響度を検討するため、地域性評価を行いました。
[自然への潜在的な依存・影響調査]
- ―周辺生態系(陸上・淡水・海洋等)への影響(設置に伴う土地改変や騒音・振動等、空中構造物への鳥類衝突等)
- ―地形を維持する機能への依存(土砂流出・斜面崩壊防止等)
《リスクの管理と評価》
直接操業設備における地域性評価の実施
直接操業設備の地域性評価については、通信設備が収容されている通信ビルの全設備数に関し、施設の類型別にサンプリングによる調査を行いました。
この結果、サンプルの数%程度において、生物多様性の重要性が高い地域への立地が見られました。
通信設備は、事業の性質上、電信柱やRT-BOX※といった軽微な設備も含め、全国に多数分布しています。重要性が高い地域に立地する通信設備については、各施設の影響として周辺生態系への懸念事象が生じていないか把握するため、一部の保護地域における公園管理者、施設管理者等のステークホルダーとの意見交換による現状把握を行いました。その結果、これらのヒアリングを行った設備に関して懸念事象はなく、事業上生じうるリスクは低いと判断しています。
今後は、その他の地域でも影響度の精査を進めるとともに、新たな設置を行う場合の自主ルール化や環境影響の緩和を含め、とりうる対応策の検討を行います。
- ※RT-BOX:Remote Terminal Boxの略。通信インフラ設備の1つであり、屋外設置される遠隔収容装置。通信需要の増加に応じて1990年代以降、数多く設置されてきた。
NTT東日本グループにおける生物多様性保全活動
「福島ひまわり里親プロジェクト」への参画
「福島ひまわり里親プロジェクト」とは、NPO法人チームふくしまが2011年から展開している東日本大震災復興支援活動で、現在全国で60万人が参加しています。NTT東日本が「里親」としてひまわりの種を購入し、職場・自宅等でひまわりを栽培し、種を収穫、チームふくしまへ送付する取り組みを行っています。収集した種はおもに福島各地で「復興のシンボル」としてひまわりを栽培するのに活用していただいている他、バイオエネルギーを抽出し、福島交通のバスの運行に使用していただく等しています。
NTT東日本グループは、福島の復興支援、福祉施設での雇用創出促進の一環で、本社・各事業部に加えて、全グループ会社に勤務する社員等及びその家族も含めて、地域の公園等とも連携しつつ、本プロジェクトに参加しています。
2023年は約6,700人がひまわりを栽培し、約235kgの種をチームふくしまへ贈呈しました。また、社内ウェブサイトには社員が自分で育てたフォトギャラリーを掲載し、参加者同士の活動を奨励しています。
仙台市「ふるさとの杜再生プロジェクト」支援のための電報サービスを通じた寄付
NTT東日本は、仙台市と合意した「『ふるさとの杜再生プロジェクト』を通じたみどりの再生」の推進に向けて、2017年4月より、売上の一部が寄付されるメロディDENPO「ブルーミングフォレスト」を販売しています。このプロジェクトは、仙台市が「杜の都・仙台」の東日本大震災からの復興のシンボルの事業として、市民・NPO・企業等の力を結集し、海岸防災林をはじめとした東部沿岸地域のみどりの再生を図ることを目的としており、2019年は1月から12月までに販売した929通の売上から、約46万円を仙台市に寄付しました。
また、ボタンを押すと復興支援ソングの「花は咲く」が流れ、その著作権料が被災地への義援金として使用され、復興支援としても役立てられます。