健康経営の推進
基本的な考え方
NTT東日本グループは、社員の健康維持・増進への取り組みがモチベーションや生産性を向上させ、企業の収益拡大にもつながるとの考え方の下、経営戦略の一環として「健康経営」に取り組んでいます。
社員本人はもとより、社員を支える家族の健康保持・増進にも配慮することが、社員一人ひとりの働く意欲や活力の向上、ひいてはグループの成長と発展につながると考えています。
推進体制
NTT東日本グループでは、健康経営を推進するための体制として、NTTグループ各社とNTT健康保険組合が連携した「健康管理委員研修会」「健康管理事業推進委員会」を設置しています。構成メンバーは、各社の健康推進担当課長等であり、年1回開催する各委員会では、統一した方針やヘルスデータを活用した健康目標(KPI)として中期目標項目および単年度目標項目を設定するとともに、その達成に向けた健康意識の向上と推進活動の促進を図るため、各種施策を検討・展開しています。
健康経営推進に関する事項や安全衛生に関わる法令改正の情報共有などは、NTT東日本グループの労働安全衛生課長等が参加する会議を月1回程度開催し、確認・対応しています。
また、労働組合と会社が協議する経営協議会の中で、労働安全に関する協議も行い、労働組合にも理解や協力を得て取り組みを進めています。
NTT東日本においては、産業医と保健師で組織される健康管理センタを設置しています。産業医・保健師は担当エリアを持ち、職場巡視など法令に基づく活動の他、各エリアの社員がいつでも健康に関する相談ができる体制にしています。また、健康経営加速のため、健康管理センタと健康経営を推進する労務厚生部門が一体となって健康に関する活動を展開するとともに、各エリアにおいても安全衛生委員会等を通じて地域性などを加味した安全や健康に関する活動を実施しています。
KPI・目標と実績
| KPI | 対象範囲 | 2024年度目標 | 実績 | |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 2024年度 | |||
| プレゼンティーズム損失率※1 | NTT東日本グループ | 6.00% | 6.10% | 6.00% |
| メンタルヘルス休職者数 (前年度実績に対する増減割合)※2 |
対前年▲3% | +4.7% | +3.6% | |
- ※1欠勤には至っておらず勤怠管理上は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下している状態であるプレゼンティーズムによって失われた生産性の損失割合
- ※2各年度12月時点
社員の健康の保持・増進
定期健康診断・保健指導
NTT東日本グループは、メンタル不調社員の健康の保持・増進に向け、定期健康診断の充実と、診断結果を踏まえた保健指導体制の強化を図っています。
さらに、生活習慣病対策として、ICTを活用した特定保健指導の実施や、健康保険組合と連携したウエアラブル端末活用による日々の歩数をはじめとしたバイタルデータを記録・確認できるアプリ「dヘルスケア」の活用等、社員の健康行動のサポートを実施しています。
今後もこれらの施策に取り組むと同時に、メンタルヘルス・生活習慣病に着眼した施策を展開し、社員の健康づくりに寄り添い、さらなる健康経営の推進に取り組んでいきます。
NTT東日本グループ参考数値
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ストレスチェック受検率*1 | 95.7% | 96.1% | 96.7% | 97.6% | ストレスチェック受検者数/ストレスチェック対象者数 | |
| 定期健康診断受診率*1 | 96.0% | 98.6% | 98.6% | 97.1% | 定期健康診断受診者数/定期健康診断対象者数 | |
| 特定健診受診率*1 | 91.3% | 92.1% | 93.2% | 89.6% | 特定健診受診者数/特定健診対象者数 | |
| 特定保健指導完了率*1 | 25.8% | 26.7% | 26.8% | 32.3% | 特定保健指導完了者数/特定保健指導対象者数 | |
| 適正体重維持者率*1 | 61.4% | 61.4% | 60.7% | 60.3% | 適正体重維持者数/定期健康診断受診者数 | |
| 血糖リスク保有者割合*1 | 6.6% | 8.6% | 9.5% | 9.1% | 血圧・血糖・ 脂質異常者数/定期健康診断者数 |
空腹時血糖 126mg/dl以上 または HbA1c 6.5%以上 |
| 血圧リスク保有者割合*1 | 18.5% | 19.1% | 17.8% | 17.3% | 血圧:収縮期 140mmHh以上 または 拡張期 90mmHg以上 |
|
| 脂質リスク保有者割合*1 | 3.8% | 3.7% | 3.7% | 3.5% | 中性脂肪 300mg/dl以上 または HDL 34mg/dl以下 |
|
| 運動習慣者比率*1 | 20.6% | 21.6% | 21.9% | 24.1% | 運動習慣者数/定期健康診断者数 | |
| 十分睡眠者率*1 | 67.0% | 67.3% | 64.0% | 63.6% | 睡眠により十分な休養が取れている人数/定期健康診断受診者数 | |
| 非喫煙率*1 | 75.5% | 76.3% | 76.9% | 77.7% | 非喫煙者数/定期健康診断受診者数 | |
| アブセンティーズム*1 | +5.4% | +3.7% | +4.7% | +3.6% | 12月31日時点における病気休職者数の前年比 | |
| プレゼンティーズム*2 | ー | ー | 6.10% | 6.00% | パルスサーベイ回答結果において、 以下設問のいずれかに対して、最も悪い回答をした社員の割合 ・睡眠食事 ※2回連続 ・健康状態 <算出方法>単位:人 プレゼンティーズム数/総回答数 <回答率> ・2022年度:51.8% ・2023年度:52.7% ・2024年度:55.3% <測定数※回答者数> ・2022年度:17,675人 ・2023年度:17,524人 ・2024年度:17,738人 |
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- *1対象範囲:NTT東日本+地域子会社4社+グループ会社2社
- *2対象範囲:NTT東日本グループ
健康管理センタとの連携
NTT東日本は、社員の心身の健康づくりを支援するため、NTT東日本グループ独自の中期健康経営計画を展開しており、健康管理センタと労務厚生部門が連携し、当社グループの健康に関する課題の改善に努めています。
例えば、2024年度は喫煙率削減をテーマに、NTT東日本本社社員に対して、喫煙に関する正しい健康知識を展開するセミナをはじめとした各種施策を展開しました。2025年度は、NTT東日本グループに展開して社員の健康を戦略的に支援し、健康保持・増進につなげていきます。
そのほか、特定保健指導の利用率を向上させるため、2024年度にオンラインツールを利用して健康管理センタの産業医・保健師が指導を行う仕組みを一部グループ会社に展開し、特定保健指導の利用率向上につながりました。2025年度にも導入会社を拡大し、社員の特定保健指導完了率の向上につなげていきます。今後は東北と関信越にも拡大し、全社での運用をめざしていきます。
メンタルヘルスケア
NTT東日本グループは、新たなワークスタイル(デジタル・リモート・オンライン)を推進していくうえで、これまで以上に社員の変調等を見落とすことなく把握し、必要なサポートをしていくことが重要であると考えています。
社員がいきいきと働ける環境を整えることが組織全体の生産性等につながることから、メンタルヘルス休職者数をKPIに設定し、目標を掲げました。メンタルヘルス休職者を削減するため、社員自身による変調の把握(セルフケア)および、上長とのコミュニケーション(ラインケア)を促すパルスサーベイを実施する等のメンタルヘルス対策に取り組んでいます。
パルスサーベイの活用
NTT東日本グループは、全社員を対象に2週間に1度パルスサーベイを実施しています。回答率は平均60%程度となっており、回答結果はメンタルヘルス対策立案の検討材料として有効に活用しています。
2024年度は、これまでメンタルヘルスで休職した社員のパルスサーベイの回答結果を分析し、休職に至るまでの回答の傾向を明らかにしました。分析結果を参考に回答を注視し、メンタル不調を早期に察知し、上司との情報共有や健康相談につなげるなどの対応を行っています。
今後は、変調がある社員をより多く把握するためにさらなる回答率向上をめざすとともに、不調傾向にある社員のセルフケア、マネージャのラインケアのスキル強化に向けた取り組みを展開してまいります。
復職者支援
NTT東日本グループは、メンタルヘルスを含め、病気で一定期間休職していた社員が復職する際に、復職の可否などを協議する復職審査委員会を設置しています。復職審査委員会は、精神科の医師も委員として参加しており、専門的な視点で復職のタイミングや勤務時間・業務量などを検討し、問題なく勤務できているか見極める最長3か月の「適応観察期間」を必要に応じて設けて、復職する仕組みを構築しています。復職後も健康管理センタ、職場や厚生担当が連携してきめ細かくサポートする体制を整えています。
相談窓口の設置
NTT東日本グループは、メンタルヘルスに関して社内外に相談窓口を設けており、メンタルヘルスカウンセリングサービスやセカンドオピニオンサービス、がん治療と仕事の両立支援サービス等を提供しています。
例)社外相談窓口「なんでも相談ダイヤル」
- 相談方法:電話・カウンセリング
- 受付時間:24時間・年中無休
- 相談内容:健康相談、介護・育児相談、法律相談
- 対象者:派遣社員を含む全社員とその家族
- 相談員:医師および専門スタッフ
メンタルヘルス研修
NTT東日本グループは、年に1回、派遣社員を含めた全社員を対象にオンラインによる研修(ビジネスナレッジ)を実施し、社員のセルフケア・ラインケアの意識啓発を行っています。
健康経営優良法人2025
当社の健康に関する取り組みが評価された結果、8年連続で健康経営優良法人2025(大規模法人部門)にて、上位法人のホワイト500に認定されました。

充実した福利厚生
NTT東日本グループは、選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)を導入しています。社員各自に年間40ポイントが付与されます。そのポイントは、健康機器の取得支援等の健康増進関するサービスに加え、財産形成等も含めた幅広いカフェテリアメニューから選択できます。その他、フィットネスクラブの利用補助等の運動促進をメニューとして盛り込んだ「NTTベネフィット・パッケージ」等、魅力ある福利厚生サービスを提供しています。
