高品質で安定した通信サービスの確保
24時間365日、通信ネットワークのリアルタイム監視による万一のトラブルへの迅速な対応
あらゆる人々がいつでも、どこでも安心してインターネットや電話といった通信サービスが利用できる環境を提供するために、信頼性の高い通信ネットワークの構築に取り組んでいます。また、ネットワークが常に安定して機能するよう、ICTを活用した高度なオペレーションツールを用いて、24時間365日、リアルタイムでネットワーク運行状況を一元的に監視・制御するとともに、トラブルが発生した場合には、迅速かつ的確な回復措置と、サービスの状況をいち早くお客様へお届け出来るよう、オペレーションツールの高度化やオペレータの訓練を日々実施しています。
しかしながら、2023年4月3日のフレッツ光の大規模障害では、多数の設備アラームが同時発生したことで、回復まで時間を要してしまうこととなり、多くのお客様にご迷惑をおかけしてしまいました。本事象を踏まえて、定期的に実施していた設備アラームの集約・分析をリアルタイムに変更することで、影響の常時可視化と即時把握を可能とする等、お客様への影響を最小限にするようオペレーションを進化させています。
並行してゼロタッチオペレーションに向けた取り組みも行っており、故障発生頻度が多いIP系装置から自動化(警報検知から遠隔回復措置まで)を進めており、順次対象を拡大しています。また、現地作業員とオペレータの連携や、故障原因の追究等の自動化が困難な作業においてはAIの導入により効率化することを検討しています。
これらの取り組みによりオペレータは、高度なトラブル対応や、それを解決するための技術力向上に注力し、通信サービスの更なる高品質化に努めています。
今後も、このような”高品質な通信サービスを提供し続ける取り組み”を継続的に実施し、どのような時においても通信を「つなぎ続ける」ことができるよう、高い使命感をもって取り組みを継続していきます。
安心、安全、信頼の確保に向けた設備の予防保全の実施
通信サービスの安心、安全、信頼の確保に向け、指定公共機関として防災に関して取るべき措置を定め、円滑かつ適切な災害対策を遂行するために「防災業務計画」を定めています。また、通信設備や建物、鉄塔などは、地震・風水害・火災・停電などさまざまな災害を想定した設計基準を定め、耐災性を確保しています。
2023年度も通信設備の点検・改修を定期的に実施し、予防保全に努めてきました。併せて地域の通信設備の異常や劣化・損傷等については、チームNTTのみだけでなく、周辺にお住まいのお客さまからも情報提供いただけるよう、113番で不良設備の申告受付を行っています。
引き続き、事故の未然防止に向けて、不安全設備の早期発見・解消の取り組みを強化していきます。
お客さま満足度向上に向けた品質の充実・強化
お客さまの通信サービスが安定的にご利用いただけるよう、日々通信設備の保全に努めていますが、万が一故障等が発生してしまった場合に備え、故障受付窓口におけるお客さまサポート体制の充実を図っています。従来のオペレータによるお客さま対応に加え、2019年度から開始したWeb受付サポートのコンテンツをさらに充実させることで、故障受付窓口のマルチチャネル化を推進し、お客さまの多様なライフスタイルに対応できるように取り組みました。
今後もお客さまに安心してサービスをご利用いただけるよう、一層のサポート体制の充実と強化に取り組んでいきます。
迅速な修理対応に向けた取り組み
台風や豪雨等の自然災害は時と場所を選ばず発生し、通信サービスに支障をきたす場合があります。例えば大雨による河川氾濫や強風等で通信ビルの浸水や屋外の通信設備へ甚大な被害が発生した場合、東日本全域からの復旧班の派遣を行い、早急なサービス復旧に取り組みます。加えて、西日本との円滑な連携体制により、広域支援班の受け入れを行うなど、NTTグループ一丸となって修理対応を行うことで、通信サービス等への影響を最小限にとどめる体制を整えています。
過去の災害発生時には地域のお客さまの困りごとは何か、地域の声を聴き、解決に向けて避難所や役場等に「お困りごと受付窓口」を設置することで、多くのお客さまにご活用いただいています。今後もお客さまへ安定的に通信サービスをご利用いただけるよう、継続して自然災害へ迅速に対応できる体制づくりに取り組んでいきます。
「現場力向上フォーラム」の開催
現場力向上フォーラムは、各種の技能競技会などの実施を通じて、ソーシャルイノベーション企業に必要となるDXや総合エンジニアリング力の担い手として、現場で働く社員の「スキル継承」や「ノウハウの水平展開」「新技術のスキル習得促進」を目的に毎年開催されているもので、NTT東日本グループの社内イベントとしては、最大級の規模を誇ります。
「技能競技会」「ワークショップ」「展示」の3つの要素で構成されるこのイベント。2024年1月開催の「第17回現場力向上フォーラム」では、専用ホームページによる、ライブ配信や双方向コミュニケーションといったデジタルを駆使したオンラインコンテンツの配信に加え、3年ぶりに一部の技能競技会と展示をNTT中央研修センタにて集合形式で実施。オンライン形式と集合形式をミックスしたハイブリッド形式での開催となりました。
集合形式で実施された技能競技会の模様は、低遅延配信技術を活用し、オンラインでライブ配信され、現地に行くことができなかった社員も競技の観覧、参加選手の応援が可能となるなど、より多くの社員が参加・共感できるイベントとなりました。また、社員だけでなく、多くの社外の方々にもご覧になっていただき、NTT東日本グループの技術力や新たな取組みをアピールしました。今後もフォーラムの開催を通じ、社員の現場力の向上・発信に取り組んでいきます。