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Project Story -仕事を知る
Project Story #04
eスポーツ※を切り口に新たな地域活性化を目指す!
eスポーツプロジェクト
※eスポーツ(electronic sports):コンピュータゲームやテレビゲームを使った対戦型ゲーム競技のこと。
現在、世界中で盛り上がりを見せているeスポーツ。日本でもイベントや大会が日本各地で開催され、さらに地域活性化の手段としても注目を集めている。NTT東日本では、高品質な通信インフラ設備や充実したICTソリューション、各地域に保有するアセットを軸に、2019年の春から本格的にeスポーツ事業に参画した。NTT東日本は新たな地域活性化の切り口として、eスポーツをどのように活用しているのだろうか?
Project Image
NTT東日本の持つ安定した通信インフラ
- ・ 競技用通信回線やWi-Fi、ローカル5Gなど様々なICTソリューションの提供
- ・ 局舎や閉域網を活用したパブリックビューイング、映像配信
eスポーツ
- ・ 国体や高校生eスポーツ選手権といった、全国規模の大会開催
- ・ パブリックビューイングや映像配信など、ネットワークを活用した情報発信
地域の新たな魅力の定着・発信
- ・ 町おこしや若者誘致に向けたプロジェクトとして、地域の情報発信や集客を実現
- ・ 自治体や地域メディアと連携した、eスポーツ文化の定着、地域コミュニティ発展の推進
Project Member
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Junichi KAGESAWA影澤 潤一
NTTe-Sports 取締役副社長 (2020年1月31日まで経営企画部 営業戦略推進室 所属)
本プロジェクトの全体統括を担当。自治体やゲーム会社へ自らコンサルティング営業を行い、プロジェクト全体を牽引するだけでなく、長らくeスポーツシーンの発展に貢献してきた個人の経験をフル活用しチームに還元、全国で講演活動を行うなど、eスポーツの文化の定着・発展にも注力。
→「ICTるのつくりて」としても紹介中! -
Kosuke ONO小野 康佑
経営企画部 営業戦略推進室
コンサルティング営業の経験を活かして自治体営業で活躍する他、契約や関連部調整に関するノウハウを提供。eスポーツ事業の更なる飛躍をかけた「NTTe-Sports」の設立においては全体マネジメントを担当し、多岐にわたる関連会社との調整を一手に引き受けてまとめ上げ、短納期でのプロジェクト成功に貢献。
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Motonori KIN金 基憲
経営企画部 営業戦略推進室
マーケティングや新規事業の企画立案、新技術を活用したソリューション開発など、戦略部分を担当。また、NTT東日本初となるeスポーツチームの設立を実現し、社員の新たな活躍の場を創出。
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Hiroyuki KUSE苦瀬 博之
経営企画部 営業戦略推進室
eスポーツに関連する大企業との協業モデル検討など、大型のアライアンス案件を担当。合わせて、eスポーツ事業や「NTTe-Sports」設立に関するPR戦略の策定と遂行を担い、事業機会を拡大。
Project Interview
eスポーツで地域を元気に
─このプロジェクトが発足した背景や狙いを教えてください。
影澤 : 「eスポーツ元年」とも呼ばれた2018年以降、eスポーツは国体の文化プログラムに採用され、2020年1月には東京都が実行委員会を発足させ「東京eスポーツフェスタ」を主催するなど、様々なプレイヤーが参入し、大きな盛り上がりを見せています。実際に国内市場は右肩上がりで、自治体などの地域に根差すお客さまからも「eスポーツで地域活性化ができないか」といったご相談を受ける機会が急増しました。NTT東日本として、eスポーツにはネットワークが非常に重要である点も踏まえ、事業化に向けた社長直轄のeスポーツプロジェクトチームを発足することとなりました。そこで、学生時代からゲームイベントの企画運営などに継続して取り組んでおり、事業のノウハウと業界への強いリレーションを持つ私に声がかかり、チームの立上げとプロジェクトの全体統括を任されました。
苦瀬 : NTT東日本として地域活性化に向けた新規事業には数多く取り組んできましたが、eスポーツは元々弊社が手掛けるハード面の構築に加えて、ゲームなどのコンテンツ活用といったソフト面の充実が不可欠で、全く新しいチャレンジでした。通信インフラを担うNTT東日本が、NTTグループ各社や多種多様なパートナーと連携しながら徐々にゲーム会社との関係値やノウハウを蓄積し、eスポーツイベントや施設づくりの支援を提案レパートリーに加えたことで、新たな地域活性化に向けたコンサルティングの道が開けました。
金 : 2019年6月にはNTT東日本グループ公式eスポーツチーム「TERA HORNS」を発足し、本社および全主要支店に練習環境を整備しました。全国に散らばる総勢140名のチームメンバーは、大会に参加するだけではなく、多岐にわたるゲームコンテンツの理解を深めるためにイベントやサポート事業にも参画してもらっているため、eスポーツは組織横断型プロジェクトとも言えます。この取り組みは社内コミュニケーションの活性化にも寄与しているとの声もいただいております。
─実際にどのような取り組みを行なっているのでしょうか?
小野 : プロジェクトの最初の取組みとして、2019年3月に東京・秋葉原にて開催された「ストリートファイター※1リーグ powered by RAGE」のグランドファイナルに、ICTサプライヤーとして参画しました。幅広いICT技術はもちろんのこと、その他局舎ビル等のアセットや地域のお客さまを支える体制を持つことがNTT東日本の強みの一つです。本案件ではそれらを活用し、仙台駅近くの通信局舎をパブリックビューイング会場として開設し、本会場とライブ配信で繋いで大会の熱気を届けると共に、遠隔対戦というコンテンツを盛り込みました。また、イベント会場の混み合うトイレの空き状況を可視化できるサービス※2を導入するなど、ICTで視聴環境の快適化にも取り組み、お客さまから多数のお褒めの言葉をいただきました。
金 : そういった取組みを見た自治体などの地域のお客さまが、地元でもイベントを行いたいと考えたとき、ノウハウや人的リソース不足といった問題に直面します。その解決のため、NTT東日本が一元的な相談窓口となり、通信環境の整備だけでなく、機器や会場の用意、ゲームメーカーとの調整やイベントコンテンツの企画など、運営に必要な準備をワンストップで支援できる体制を整えました。また支援の際はできるだけ地元の企業を巻き込み、その土地ならではでのeスポーツ文化と産業の定着を促します。今後もあらゆるジャンルのアライアンスパートナーと連携し、eスポーツを活用した観光や教育、コミュニティが集う施設作りなどを推進し、中長期的かつ持続可能な街おこしを支援して参ります。
─プロジェクトを進める中でどんな課題がありましたか?
小野 :
お客さま自身、eスポーツの活用の形を具体的にイメージできてない場合がほとんどなので、最適な提案を導く手法の開拓が課題でした。
プロジェクト開始当時はお客さまの「eスポーツで何かしたい」という漠然な問いに対して具体的な解が無く、我々も現場で一緒に悩んでしまうような日々が続きました。その期間は、とにかくメンバー全員で全国を飛び回り、入念にヒアリングをしては一つ一つ解決策を考え抜き、チーム内で共有することを繰り返しました。また、マーケット情報の収集、お客さま情報の調査を分担して行い、営業のノウハウやプランニングに活かしてきました。その結果、「このようなお客さまにはこれ」といった引き出しが徐々に増えていき、今ではどのメンバーも、現場でお客さまの課題感や保有する観光資源などの特性を伺えば、自信を持って複数のソリューションを提案できるようになりました。一見遠回りなようで、地道な努力の積み重ねが課題解決の最短距離でしたね。
金 :
ある程度ニーズが類型化できた後は、それらに対するソリューションを誰が、どのように提供するのかを具体的に考えなければなりませんし、安定的かつ低コストで提供していくには、一定のパッケージ化も必要です。我々は事業参入にあたり、既にイベントなどのノウハウを保有している多数の企業と協業を視野に意見交換を重ねましたが、その中で特に事業のビジョンを伝えることを大切にしました。地域に広げていく部分はeスポーツ業界にとっても新たなチャレンジとなり、様々な障壁が出てくると想定されるため、目的達成のためには単なる利害関係を超えて、一緒に知恵を出し、汗を流せるパートナーシップが必要だと考えたからです。幸い、同じ課題感を持った企業と巡り合うことができ、様々な困難を乗り越えて、当初のねらいを形に出来つつあります。
ビジネスのミッシングパーツを探し、形にしていくというプロセスを経験し、自身の成長も実感することができましたね。
─このプロジェクトが発展していくと、世の中はどのように変わっていくと思いますか?
苦瀬 : 今はちょうどeスポーツの市場規模が拡大し始めた段階です。これから地域企業や自治体がより連携を深め、イベントや大会、施設開業等が増えれば、地域全体の「稼ぐ力」が高まり、産業が創出されます。学校や社会人を巻き込んだ競技シーンを通じて、新たな社会が生まれ、「年齢や身体的な障壁が無く、誰もが楽しめる」というパラスポーツとしての側面にも着目して普及すれば、地域に根付く新たな文化が生まれるかもしれません。総じて、地域の活力につながっていくはずです。少しeスポーツにかける夢を大きく語りましたが、チームはプロジェクトの先にあるそういった未来を信じ、高い志を持ってこれからも努力して参ります。
影澤 :
2020年1月11日〜12日に開催された「東京eスポーツフェスタ」に参画した際は、国内で初めてローカル5G※3を活用し、映像ソリューションを提供しました。2020年1月31日に設立した「NTTe-Sports」では、ICTを活用し、更に専門性の高い新規事業に取り組んでいきます。eスポーツはNTT東日本の新技術を社会に広める媒体としても期待ができますね。近年の新規事業発表の中では、過去最高の数のメディアに取り上げてもらえたそうです。
ビジネスモデルが固まっていない市場での挑戦はまさに「道なきところに道を創る」難しさがありますが、それこそが本業務の醍醐味であるとも感じています。eスポーツに限らず、NTT東日本にはチャレンジを歓迎する風土があるということを学生の皆さんには知っていただきたいです。自身を投じた分だけ、そこには大きな成長や歓びが待っています。意欲のある方はぜひ門を叩いてもらい、次なるNTT東日本の成長の柱を自身の手で作り上げてほしいです。
Side Story
東京eスポーツフェスタ
eスポーツの普及と関連産業の振興を目的としたイベント「東京eスポーツフェスタ」に、ICTサプライヤーとして参画。会場全体のICT環境整備に加え、ローカル5Gを活用した展示・体験コーナーを設置することで新たな体験を提供した。
株式会社NTTe-Sportsの設立
eスポーツ分野に特化した新会社「NTTe-Sports」が2020年1月31日に設立された。ICTを活用した設備の構築・運用、人材育成サポート、動画コンテンツの配信サービス運用などを含むプラットフォーム運営、イベント関連サービス、街の活性化に向けたコンサルティングを行っている。
Another Story
- ※1:株式会社カプコンが提供する対戦型格闘ゲーム©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
- ※2:株式会社バカンのトイレ空満状況配信サービス「Throne」。NTT東日本のアクセラレータプログラムを通じ、2019年に出資している。
- ※3:次世代通信規格「5G」をアリーナや商業施設等において、大容量の情報を低遅延かつ同時に多くの端末の接続を可能とする技術
- ※掲載内容は取材当時のものです