電話機のあゆみ

1899年
明治32年

ソリッドバック磁石式壁掛電話機

1899(明治32)年2月、東京-大阪間の長距離電話回線の完成により、長距離通話用としてソリッドバック電話機が採用された。
当時長距離通話の利用者は、年額6円の付加使用料を支払い、長距離通話加入者となる必要があった。
開通当初、東京・大阪とも各178加入者でスタート、通話は近距離に劣らず良好であった。その後、神戸、京都などサービス対地も広がり、利用者も増大した。

特徴

ソリッドバック送話器は、炭素粒の前後に振動板を配して感度の上昇と雑音の排除を効果的にしている。
また、電池は、フーラー電池を使って電圧を上げるなどして電流を大きくしたので、長距離用に適した。

1903年
明治36年

グースネック共電式壁掛電話機

1903(明治36)年5月、初の英国製共電式交換機が京都局に導入され、同時に付随してグースネック共電式電話機が購入・採用された。
共電式は、利用者が受話器をとるだけで局を呼び出せるという便利な点のほか、電源を局内に集中してあるため、電話機障害が少なく、保守・交換作業が能率化され、また、発電機、電池が不要のため電話機の小型化・簡素化が図れるなどの利点を持っている。反面、当初、湿気などが原因で起こる線路の絶縁低下による疑似信号の発生が問題とされた。このため、湿気の少ない京都局が最初の共電式局となった。

特徴

送話器にはソリッドバック送話器を、受話器には2本の棒状永久磁石を結合した双極形のものを使用した。
腕金の先端に送話器をつけた格好が“ガチョウの首”に似ているところから“グースネック”と呼ばれた。

1909年
明治42年

2号共電式壁掛電話機

京都に続いて1909(明治42)年、東京、大阪、名古屋の一部で共電式が採用された。この頃には共電式の欠点であった線路の絶縁低下の問題はエナメル線などの開発によって解決され、以後、大正期を通じ次々と共電式に改められていった。2号共電式電話機は、本格的な共電式時代を迎え国産化した最初の共電式電話機である。

特徴

送話器にはソリッドバック送話器を使用、受話器は有極電磁石を使った回路が採用されているほか、形態が簡素なものとなった。
*同系機種
2号共電式卓上電話機

1927年
昭和2年

2号自動式卓上電話機

関東大震災以後の復旧を機会に、これまで限界にあった手動交換方式を自動交換方式の導入によって解決することになった。
1926(大正15)年1月、初めて東京にA形、横浜にH形の自動交換局が設けられた。
最初の自動式電話機は、それぞれの交換機に付随したものであり、その後の増加分は2号共電式電話機に1号ダイヤルを組み合わせたものであったが、ダイヤルすると受話器に雑音が入る欠点があった。
1927(昭和2)年、これを改良した2号ダイヤルを取り付けたA形・H形共用の2号自動式電話機が採用された。

特徴

自動式電話は電圧が48V(H形は60V)と高く、当時、電話機の選定には、かなりの論議を呼んだが、電話機製造の経済化、機種の統一化などの面でできるだけ2号共電式と共通のものを用いることとした。したがって、形態は2号共電式にダイヤルをつけた形となっている。
*同系機種
2号自動式壁掛電話機

1933年
昭和8年

3号自動式卓上電話機

1933(昭和8)年、送・受話器を連結した斬新なスタイルの3号電話機が誕生、以降いろいろな電話機のスタイルの原形となった。
以来、わが国の代表的な標準電話機として約30年にわたって活躍した。
戦後、電話の復旧に標準電話機の生産が間に合わず、応急処置として、メーカーの私設交換機用在庫の中から標準機と同等の性能のものを購入し使用した。これらに“富士形”“イ-661”などがあった。

特徴

きょう体にベークライトが初めて使用され、送話器には、炭素粉を使ったソリッドバック形を用い、炭素粉の凝固、低感度を解決するため、防じん・防湿措置のほか、側音防止回路を初めて採用した。
*同系機種
3号自動式壁掛電話機
3号自動式富士形電話機
3号共電式卓上・壁掛電話機
3号磁石式卓上・壁掛電話機

電話料金

市内通話 市外通話
1899(明治32)年 長距離市外通話開始 東京〜大阪間で長距離市外通話が始まる
通話料金(5分)1円60銭
1920(大正9)年 東京年額基本料 45円
東京、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸の6大都市で市内通話料が度数制となる
度数料 2銭(市内通話1度ごと)
1924(大正13)年 度数料 3銭
(市内通話1度ごと)
1942(昭和17)年 東京年額基本料金 60円
度数料 5銭
(市内通話1度ごと)
1944(昭和19)年 度数料
東京 10銭
(市内通話1度ごと)
東京〜大阪間3分ごとに2円
1946(昭和21)年 東京月額基本料 24円
度数料 20銭
(市内通話1度ごと)
東京〜大阪間3分ごとに7円50銭
1947(昭和22)年 東京月額基本料
住宅用 75円
事務用 120円
度数料 50銭
(市内通話1度ごと)
東京〜大阪間
3分ごとに38円
1948(昭和23)年 東京月額基本料
住宅用 300円
事務用 480円
度数料 2円
(市内通話1度ごと)
東京〜大阪間
3分ごとに152円
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