ホーム > 企業情報 > 広報宣伝活動 > NTT東日本シンボルチーム > 野球部 > 都市対抗野球大会

都市対抗野球大会/第83回 都市対抗野球大会

都市対抗野球大会

  • 都市対抗トップ
  • 試合結果一覧
  • トーナメント表
  • 大会のみどころ
  • チームメッセージ
  • 観戦に行こう!
  • 補強選手について

試合結果(ハイライト)

[準決勝] NTT東日本 vs JX-ENEOS [● 2-4]

7月23日(月) 18:00 東京ドーム

 夢にまで見た黒獅子旗には、またしても手が届かなかった。
 決勝を目の前に敗れた選手たちが、悔し涙を流しながら東京ドームを去っていく。だが、魂を揺さぶられるような戦いだった。最後の瞬間まであきらめない――ベストを尽くして戦い抜くNTT東日本ナインの雄姿は、ドームを埋め尽くした人々の胸に刻み込まれた。

自身初体験の都市対抗野球で潜在能力を発揮した井納。

自身初体験の都市対抗野球で潜在能力を発揮した井納。

今大会2回目登板の井納が、コースをつく丁寧なピッチングを見せる。

 決勝進出を懸けた大一番、東京ドームのマウンドに立ったのは2回戦で快投を見せた井納だった。中一日での登板、だが彼は闘志を全身にみなぎらせていた。
「第一試合でJR東日本が勝ったのを見て、決勝に進みたいという思いがさらに強くなりました。去年の決勝で敗れたチームと戦うまでは、絶対に負けられないですから」
 140キロ台後半の快速球は影を潜めたが、井納は丹念にコースをつく投球でアウトを重ねていった。
 先発投手がリズムを作ると、野手も軽快に動き出す。四回表、NTT東日本は初めてのピンチを迎えた。だが、捕手・上田が矢のような送球で二盗を阻止。続けて二死一塁から長打を浴びるが、ライト越前が強肩を見せ、一塁走者を三塁で足止めさせる。さらに次打者の緩い当たりを、一塁手・平野と井納が絶妙な連携でアウトに。ミスが許されない緊迫した場面だったが、鍛え抜かれたNTT東日本は落ち着いた守りで凌ぎ切った。
 準々決勝までの3試合、NTT東日本はつねに先手を取ってきた。根競べになれば、勝つのはNTT東日本だ。それはこのチームが、完璧な守備陣を擁しているからだ。

 

北道のタイムリーで岩本生還。最後まで勝利への執念を見せた。

北道のタイムリーで岩本生還。最後まで勝利への執念を見せた。

六回、スリーランで3点のビハインド、さらに加点され0-4に。

 しかし六回表、NTT東日本は3点を先行されてしまう。疲れの見えてきた井納が二死一・二塁になって降板。代わった岩佐が、渾身のストレートをライトスタンドに打ち込まれた。さらに八回には4点目を失い、窮地に追いつめられた。
 だがNTT東日本は、苦境に立たされてもあきらめない。むしろ、闘志をみなぎらせて道を切り拓く。
 八回裏、打線は極限まで集中力を高め、相手投手に襲いかかった。先頭の岩本がセンター前に弾き返すと、越前もライト前ヒットで続く。これで無死一・二塁。続く代打の上原、平野は打ち取られるが、二死と追い込まれて北道が勝負強さを発揮する。キャプテンの放った打球はライト前に弾み、岩本が生還。NTT東日本はついに1点をもぎ取った。
 1対4で迎えた九回裏、NTT東日本は一丸となって相手投手に食らいついた。先頭の矢島がレフト前ヒットを放つと、三塁側からレフトスタンドを埋め尽くした大観衆は総立ちとなった。信じられないような大声援が湧き上がる。
 NTT東日本は、だれひとりとしてあきらめていなかった。あきらめられるわけがない。京セラドームでの苦い敗戦から一年、黒獅子旗をつかむために血のにじむような鍛錬を重ねてきたのだ。スタンドのファンも知っている。自分たちが声をからせばからすほど、このチームが底力を発揮するということを。ファンと選手が信頼という絆で強く結びついたNTT東日本は、いままでいくつもの奇跡を起こしてきたのだ。
 目黒がピッチャーゴロ、岩本がセンターフライに打ち取られ、二死一塁。いよいよ追いつめられた。だが、試合はまだ終わっていない。続く越前の打球はレフト前に弾み、二塁から矢島が還る。点差は2点、なおも二死一塁。ここで一発が出れば……。代打・鈴木が打席に立つと、三塁側の大歓声はまるで地響きのように東京ドームを揺るがす。

 

悔しさを胸に来年の黒獅子旗獲得を誓う。

悔しさを胸に来年の黒獅子旗獲得を誓う。

悔しさを胸に来年の黒獅子旗獲得を誓う。

 だが、祈りは通じなかった。
 鈴木は一塁ゴロに打ち取られ、その瞬間、黒獅子旗を見据えて走り続けてきた男たちの戦いに終止符が打たれた。
 先発・井納は人目も憚らず涙を流し、逆転を信じてブルペンで懸命の準備をしていたベテラン黒田は、「いつもこれが最後という気持ちで都市対抗に臨んできました。それなのに決勝にも行けないというのは、あまりにも悔しい」と唇を噛んだ。闘志を前面に出して敵に立ち向かった梶岡は、「全力を出したので悔いはありません」と言ったきり、あとは言葉にならなかった。
 敗れたとはいえ、NTT東日本は素晴らしいプレーを見せた。高い技術はもちろん、つなぎの精神、プレッシャーに屈しない強靭な心は、ファンの心に強く刻まれたはずだ。
 ベスト4で幕を閉じた第83回都市対抗野球、この大会でNTT東日本が得たいちばんの収穫は、悔しさだ。選手はもちろん、ファンの多くが、ベスト4という結果に悔しさを覚えた。もう、黒獅子旗を獲らなければ、だれも満足できなくなっている。
 この敗北を機に、NTT東日本は真に強いチームへと歩み始めたのだ。

 

第83回 都市対抗野球大会 東京都代表決定戦 代表決定戦の試合結果一覧はこちら