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大会成績 | 優勝(36年ぶり2回目、NTT東日本として初) |
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表彰選手 | 橋戸賞(最優秀選手賞):福田 周平内野手 若獅子賞(新人賞):堀 誠投手 首位打者賞:福田 周平内野手(5試合 24打席20打数11安打 打率.550) 打撃賞:喜納 淳弥内野手 大会優秀選手:大竹 飛鳥投手、末永 彰吾投手、堀 誠投手、上田 祐介捕手、 喜納 淳弥一塁手、下川 知弥二塁手、福田 周平遊撃手、越前 一樹外野手、 伊藤 亮太外野手、加藤 孝紀指名打者(補強選手・明治安田生命) |
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TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NTT東日本 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 3 | 10 |
日本通運 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 一 | 喜納(10) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 左 | 北道(34) |
7 | 指 | 加藤※※(35) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 中 | 伊藤(8) |
P | 投 | 大竹(12) |
( )内は背番号
※は新人
※※は補強選手
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)大竹→野口(三回)→渡邉(七回) (捕)上田 | |
二塁打 | ||
三塁打 | ||
本塁打 | 越前(二回2ラン)、伊藤(三回ソロ)、加藤(五回ソロ)、 下川(七回3ラン) |
|
日本通運 | ||
バッテリー | (投)高山→庄司(五回)→阿部(六回)→生田目(九回) (捕)木南 |
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二塁打 | 浦部、北川 | |
三塁打 | ||
本塁打 |
第88回都市対抗野球大会決勝戦。NTT東日本は、優勝・黒獅子旗獲得をかけ、日本通運との決勝戦に臨んだ。
NTT東日本にとっては、6年ぶりとなる決勝進出。激闘を制し、10-4で勝利を収めたNTT東日本は、36年ぶり、NTT東日本としては初となる優勝・黒獅子旗獲得を果たした。
ベテラン・大竹は立ち上がりに苦しむ
試合開始時間の午後6時が近づくと、スタジアムの盛り上がりは最高潮を迎えた。一塁側スタンドを埋め尽くす、オレンジの人、人、人。誰もがNTT東日本の勝利を信じ、声援を送る。一方の三塁側スタンドでも、相手チームの応援団が自チームの勝利を信じ、声を振り絞る。この雰囲気に呑まれるのか。スタジアムを味方につけ、勢いに乗るのか。決勝戦のスタジアムが、選手たちを待ち受ける。
この大舞台、飯塚監督は先発のマウンドをベテラン・大竹に託した。6年前はベンチから見ていた。決勝戦の難しさを、知るひとりだ。
しかし大竹は立ち上がりに苦しむ。一回裏、先頭打者に出塁を許すと、きっちりと送られ、一死二塁。次打者を内野フライに打ち取るも、続く相手四番に四球を与え一死一二塁とさらなるピンチに、相手五番にセンター前に運ばれ、先制を許す。しかしその後はなんとか踏ん張り、それ以上の失点は免れた。
二回表、NTT東日本はすかさず反撃に出る。先頭打者の四番・喜納がセンター前ヒットで出塁すると、続く五番・越前が、レフトスタンドに鮮やかな2ランホームランを叩き込み、2-1と逆転。
「あの場面では、ただつなぐことだけを意識していました」と越前。さらに三回表には先頭打者の九番・伊藤にもホームランが飛び出し、3-1とリードを広げる。
取られたら取り返す、緊迫の試合展開
打線の援護を得た大竹だが、三回裏にまたもピンチを迎える。先頭打者にレフトオーバーの二塁打を浴びると、一死三塁から相手四番、五番に連続でタイムリー二塁打を打たれ、3-3の同点とされてしまう。さらに次打者に四球を与え一死一二塁、ここで飯塚監督が動いた。
準決勝でも見せた早めの継投でチャンスの芽を摘み、相手に流れを渡さない。代わって登板した二番手・補強選手の野口は、ランナーを背負うプレッシャーのかかる場面で踏ん張りを見せる。失策絡みで1点は与えたものの、それ以上の追加点は許さず、このピンチを最小失点で切り抜けた。
3-4と1点を追いかけるNTT東日本。取られたら取り返すことができる攻撃力が、今年のチームの持ち味、強さだ。
四回こそ三者凡退に終わるが、五回表、七番・加藤に本日三本目のソロホームランが飛び出し4-4と追いつく。
監督いわく「五回までは、決勝の雰囲気に呑まれて浮き足だっていた」チームは、頼れる補強選手・加藤の打棒で全体が落ち着き、勇気づけられた。さらに、野口が安定した投球で六回までを無失点でマウンドを守った。
満員のスタジアムを味方につけはじめたNTT東日本。一気に反撃ムードが高まった。
七回、下川の一振りが試合を決める
この試合、最大のクライマックスは、七回に訪れた。
一死から七番・加藤がフルカウントまで粘り、レフト前にヒットを放つ。続く八番・上田はしっかりと送りバントを決め、二死二塁。ここで三回にホームランを放った九番・伊藤。勝負どころで落ち着いて四球を選び、二死一二塁。一番・下川へつなぐ。制球が乱れた相手投手に対し、カウントを有利に進める下川は3-1と追い込まれた相手が投じた一球を思い切り振り抜くと、打球はまっすぐセンタースタンドへ吸い込まれた。文句なしの3ランホームラン。
「どう考えても、下川はセンターにホームランを飛ばすような選手じゃないんですよ」と飯塚監督も驚きを隠さない。伏兵の一振りが最高の結果を生み出す。「これが決勝戦、ということなんだと思います」
オレンジに染まったスタジアムは、大きな驚きと歓喜に包まれた。
7-4と3点のリードを得て七回から登板した渡邊は、打者6人に四奪三振と切れのある投球を見せ、相手の反撃を封じ込める。
勝利を確信した一塁側スタンドの渦のような興奮が、スタジアムを震わせる。
しかしNTT東日本の攻撃は止まらない。九回表に、無死満塁のチャンスから伊藤の2点タイムリーヒットと福田周の犠打でさらに3点を加え、10-4と試合を決定づけると、スタジアムの熱気は再び最高潮に。応援団の全身全霊の声援も、大きさを増すばかりだ。
最終、九回裏2アウト。相手打者の打球がセンター・伊藤のグラブに吸い込まれると、伊藤はそのままマウンドに向かって駆け出した。ベンチからも次々と選手が飛び出し、マウンド上でがっしりと抱き合う。その喜びは、やがてスタジアム全体に広がっていった。
「選手たちには、ただただ『お前ら、すごいな』の言葉しかありません」と飯塚監督。
「1年間、目標を持って取り組み続けることができた、その結果だと思います。選手もスタッフも頼もしかった。僕から言うことは、なにもないです」。この強い信頼感が、今年のNTT東日本の原動力だ。失敗しても、誰かが取り返してくれる。その信頼があるからチャレンジできる。今年のスローガン「ATTACK&CHALLENGE」を体現したチームは、念願だった日本一の証、黒獅子旗を手にした。
表彰式が終わったグラウンドで、飯塚監督は「もうちょっとうれしいんじゃないかと思っていたんだけど・・・」と戸惑ったような表情でつぶやいた。「うれしいというより、今は脱力しています。ホッとした、って感じかな」
やりきった。1年間、全力で走り抜き、戦い抜いた。また明日から、次の目標に向かって、スタートを切る。つかの間の、しかし大きな喜びの時間を味わっているのだろう。
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東芝 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
NTT東日本 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1X | 1 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 一 | 喜納(10) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 左 | 北道(34) |
7 | 指 | 加藤※※(35) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 中 | 伊藤(8) |
P | 投 | 堀※(17) |
( )内は背番号
※は新人
※※は補強選手
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)堀※→野口※※(六回)→末永(七回) (捕)上田 | |
二塁打 | ||
三塁打 | ||
本塁打 | ||
東芝 | ||
バッテリー | (投)加嶋→岡本(六回)→柏原(七回) (捕)井川 | |
二塁打 | ||
三塁打 | ||
本塁打 |
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新日鐵住金東海REX | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 |
NTT東日本 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | X | 6 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 一 | 喜納(10) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 左 | 北道(34) |
7 | 指 | 加藤※※(35) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 中 | 伊藤(8) |
P | 投 | 大竹(12) |
( )内は背番号
※は新人
※※は補強選手
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)大竹→野口※※(八回)→西村(九回)→沼田(九回) (捕)上田 |
|
二塁打 | 福田周(一回)、越前(二回)、上田(二回)、宮内(四回) | |
三塁打 | ||
本塁打 | ||
新日鐵住金東海REX | ||
バッテリー | (投)武石→上野(二回)→九谷(三回)→鈴木博(六回) (捕)後藤田→竹村(九回) |
|
二塁打 | 中嶋、倉内 | |
三塁打 | ||
本塁打 | 中嶋 |
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NTT東日本 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 1 | 6 |
トヨタ自動車 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 一 | 喜納(10) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 左 | 北道(34) |
7 | 指 | 加藤※※(35) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 中 | 伊藤(8) |
P | 投 | 渡邉(19) |
( )内は背番号
※は新人
※※は補強選手
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)渡邉→末永(四回)→大竹(八回) (捕)上田 | |
二塁打 | 福田周(三回)、越前(六回)、加藤※※(八回)、伊藤(八回) | |
三塁打 | ||
本塁打 | ||
トヨタ自動車 | ||
バッテリー | (投)小出→竹内(三回)→川尻(四回)→佐竹(六回)→藤田(九回) (捕)細山田 | |
二塁打 | 北村 | |
三塁打 | ||
本塁打 |
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱重工神戸・高砂 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 |
NTT東日本 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | X | 7 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 一 | 喜納(10) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 左 | 北道(34) |
7 | 指 | 加藤※※(35) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 中 | 伊藤(8) |
P | 投 | 堀※(17) |
( )内は背番号
※は新人
※※は補強選手
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)堀※→野口※※(七回)→大竹(八回)→西村(九回) →末永(九回) (捕)上田 |
|
二塁打 | 加藤(四回)、上田(八回) | |
三塁打 | 福田周(五回) | |
本塁打 | 越前(七回ソロ) | |
三菱重工神戸・高砂 | ||
バッテリー | (投)守安→尾松(七回)→佐藤(八回)→高橋(八回) (捕)森山 |
|
二塁打 | 松原 | |
三塁打 | ||
本塁打 | 藤原 |
大会成績 | 東京都第一代表(2年連続 41回目の本大会出場権獲得) |
---|
表彰選手 | 最優秀選手賞:宮内 和也選手 / 優秀選手賞:西村 天裕選手 |
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TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
JR東日本 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
NTT東日本 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | X | 6 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 指 | 北道(34) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 一 | 喜納(10) |
7 | 左 | 長澤※(33) |
8 | 中 | 伊藤(8) |
9 | 捕 | 上田(9) |
P | 投 | 沼田(13) |
( )内は背番号
※は新人
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)沼田→森山(三回)→西村(四回) (捕)上田 | |
二塁打 | 喜納(二回)、福田周(五回) | |
三塁打 | ||
本塁打 | ||
JR東日本 | ||
バッテリー | (投)田嶋→大澤→國松→平木→佐藤健 (捕)石川→中村→鈴木 |
|
二塁打 | 長谷川、東條 | |
三塁打 | 小室 | |
本塁打 |
NTT東日本が会心の勝利で、2年連続となる都市対抗本戦への切符を手に入れた。
静かな立ち上がり。試合は、二回に動き出す
東京都第一代表の座をめぐってJR東日本とぶつかった神宮決戦。両軍ともに初回の攻撃を三者凡退で終え静かに立ち上がった試合は、二回に動き出す。
NTT東日本の先発マウンドを託された沼田がJR東日本の4番にレフト頭上を襲う二塁打を許し、続く5番の打球はセンターへのライナー性の当たり。中堅手・伊藤が果敢に突っ込んだが、打球はグラブの下をかいくぐり、外野の芝を転々とした。
この適時打で1点を失い、なお一死三塁のピンチ。ここでライトに犠牲フライを運ばれて、2点目を許してしまう。
その裏、NTT東日本はすぐさま反撃。相手先発の左腕から繰り出される140km台後半の速球にもひるむことなく、主将の越前がセンター前にチーム初ヒットを放つと、6番の喜納が右翼線を破る二塁打で続く。
二死二・三塁となり、打席にはつい先ほど守りで悔しい思いをした伊藤が入った。フルカウントからの6球目、コンパクトなスイングから放たれた打球は三遊間を破る同点タイムリーとなった。
飯塚監督が振り返る。
「(守備で)リスクを顧みずに突っ込んでいったかと思えば、突拍子もない仕事をしてくれたりもする。それが伊藤の特徴ですから、あの守備はOK。よくバットで取り返してくれました」
早めの継投で、主導権を握ったNTT東日本
三回、二死二塁となったところで先発の沼田から森山にスイッチ。さらに四回先頭からは力投派右腕の西村をマウンドに送り込んだ。飯塚監督が「プラン通り」と語る早めの継投で、主導権を相手に渡さない。
再び試合が動くのは、五回裏。先頭の1番・下川がヒットで出塁し、打席に福田周が入る。
セオリー通りなら、バントで走者を進めクリーンアップに回したいところだが、飯塚監督が選んだのは強攻策だった。
「今年はそういう野球をやってきましたから。それに、向こうは好投手の田嶋くんが投げている。オーソドックスに1点を取りに行くのではなく、勢いがつくような点の取り方がしたかったので、勇気をもって“打て”のサインを出しました」
その狙いはズバリ的中する。福田周の打球は左翼線にぽとりと落ちるラッキーな二塁打。チャンスが広がったところで3番・宮内が2打席連続となる痛烈なセンター前ヒットを放ち、2人の走者を生還させた。
すると、先ほどの強攻から一転、飯塚監督は4番指名打者の北道に送りバントを命じる。これをみごとに成功させ、一死三塁となったところで、打席には強打の主将。「5番・越前の一打で追加点を取る」が指揮官のもくろみだったが、背番号24は空振り三振に倒れ、得点には至らない。
それでも、6番・喜納が執念の二塁内野安打をもぎとり、その間に三塁走者がホームを駆け抜けて点差は3に広がった。
直後の六回表、快投を続けていた西村がピンチを迎えた。
先頭打者に安打を許した後、右直と空振り三振で二死までこぎつけるも、遊撃手の福田周が難しいバウンドに合わせきれず、失策を記録。2人の走者を背負い、一発が出れば同点の危機に立たされた西村だが、ここからギアを一段上げた。
相手6番に真っ向勝負を挑み、渾身の力を込めて投じた4球目で空振り三振に仕留めると、マウンド上でガッツポーズ。駆け戻ったベンチの前で、ナインの手荒い祝福に迎えられた。
西村は言う。
「点差があったので、同点まではOKというぐらいの気持ちで、思いっきり腕を振るだけでした。(福田)周平さんのエラーをカバーできてよかったです」
三振でチャンスをものにできなかった越前を、後を打つ喜納がカバーした。
福田周のエラーで招いたピンチを、西村が力強い投球で断ち切った。
東京都予選を無敗で勝ち上がってきた今年のNTT東日本の強さは、ここに凝縮されているのではないだろうか。
越前は充実感に満ちた表情でこう語った。
「仲間のミスを全力でカバーする。それをチームのテーマにしてずっとやってきました。今日の試合ではそれを出すことができました」
飯塚監督もうなずく。
「取りこぼしたと思ったら、誰かがカバーしてくれる。そういう場面が今年は本当に多いんです。確かな手ごたえを感じながら試合ができました」
総合力で勝ち取った第一代表、悲願の黒獅子旗獲得へ
固く結束したNTT東日本は、最後までほころびを見せなかった。八回には、下川のタイムリーでダメ押しとなる追加点を奪い、マウンドでは西村が最後まで仁王立ちした。6イニング無失点のロングリリーフに「うれしい誤算」と頬を緩めるのは飯塚監督だ。
6-2で勝利を決めた瞬間、大応援団が陣取る一塁側スタンドからは何本ものテープが投げ入れられ、グラウンドに歓喜の輪が生まれた。
キャプテン越前は「一発で決められてほっとしています」と安堵の表情を浮かべた後、すぐに本戦を見据えて顔を引き締めた。
「日本一という目標を掲げていますので、大会までにチームの総合力を上げていきたい。個人としては、去年、4番を打たせてもらいながらチームに迷惑をかけてしまったという思いがある。今年は何としてもチームの勝利に貢献できるよう、やり残しのないように準備をしたいと思います」
飯塚監督は「まだちょっと胃が痛いですね」と苦笑しつつ、本戦への意気込みを語った。
「もう一回、上積みして東京ドームに乗り込みます。トップを獲れるように、練習していきます」
昨年のベスト8を超え、今年こそ悲願の黒獅子旗獲得を――。
NTT東日本はいま、新たなスタートラインに立ったところだ。
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東京ガス | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
NTT東日本 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | X | 6 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 指 | 北道(34) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 一 | 喜納(10) |
7 | 中 | 伊藤(8) |
8 | 捕 | 上田(9) |
9 | 左 | 目黒(5) |
P | 投 | 末永(16) |
( )内は背番号
※は新人
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)末永→大竹(五回) (捕)上田 | |
二塁打 | 下川、越前(一回)、伊藤(六回) | |
三塁打 | ||
本塁打 | ||
東京ガス | ||
バッテリー | (投)那須→岩佐→木村→石田 (捕)山内 | |
二塁打 | 中山、坂井 | |
三塁打 | ||
本塁打 | 地引 |
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NTT東日本 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 6 |
ゴールドジム・ベースボール・クラブ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
スターティングメンバー | ||
---|---|---|
1 | 二 | 下川(1) |
2 | 遊 | 福田周(6) |
3 | 三 | 宮内(2) |
4 | 指 | 北道(34) |
5 | 右 | 越前(24) |
6 | 一 | 喜納(10) |
7 | 左 | 長澤※(33) |
8 | 中 | 伊藤(8) |
9 | 捕 | 上田(9) |
P | 投 | 堀※(17) |
( )内は背番号
※は新人
バッテリー/打撃成績 | ||
---|---|---|
NTT東日本 | ||
バッテリー | (投)堀※→渡邉(八回)→西村(九回) (捕)上田→黒川(九回) |
|
二塁打 | 伊藤、福田周(三回)、越前(八回) | |
三塁打 | ||
本塁打 | ||
ゴールドジム・ベースボール・クラブ | ||
バッテリー | (投)藤谷→北見→嶋田→石川 (捕)中川涼→八巻 | |
二塁打 | 中道、河西 | |
三塁打 | ||
本塁打 |