PDF形式の資料を閲覧するにはADOBE READERが必要です。
2020年1月22日
山梨県小菅村
北都留森林組合
株式会社boonboon
株式会社さとゆめ
東日本電信電話株式会社
■山梨県小菅村※1、北都留森林組合※2、株式会社boonboon※3、株式会社さとゆめ※4、東日本電信電話株式会社※5は、豊富な森林資源を有する小菅村山間部にIoTを実装し、林業に関する課題解決及びSmart Villageの実現に向けた実証実験を2020年2月より開始します。
■林業の共通課題である「林業従事者の労働災害抑止」、「シカ等の獣害対策」に対し、山間部を効率的にカバレッジできる高出力の独自LPWA※6を用い、従事者が緊急時の救助要請が可能にする仕組みや害獣捕獲時の通知機能を提供することで、より安全で生産性の高い林業経営の実現をめざします。
現在、日本の林業は、戦後の積極的な造林により人工林の半数以上が伐採適齢期を迎え、国産材利用の増加等を背景に木材自給率は上昇傾向※7にあります。その一方で、林業従事者数は30年間で約1/3まで減少※8しています。
加えて、伐木作業中の倒木事故など林業従事者の労働災害が多く、死傷率は全産業平均の約10倍※9と最も高いため、早期の対応が急務とされています。また、持続可能な森づくりや災害対策の観点から、伐採後の植林や育林の必要性が高まっている一方、シカ等による新苗等への食害が深刻になっています。
こうした課題は、IoTの活用により抑止や効率化が期待されますが、定住地域から離れた山間部では、IoTを活用するための通信環境そのものが整っていないことが多くあります。
こうした中、林業界が抱える課題の解決に向けて、村を挙げての地方創生に取り組む小菅村、当該エリアの森林整備や販売を担い林業の成長産業化に積極的に取り組む北都留森林組合、地方創生に取り組む中で誕生した鳥獣害対策ベンチャーboonboon、古民家ホテルの開業等村の地方創生総合戦略に携わってきたさとゆめ、これまで全国各地でICTの観点から地域との協働事例を創出してきたNTT東日本は、5社協働でIoT技術を用いた実証実験を開始し、林業の成長産業化を通じたSmart villageの形成をめざします。
森林面積95%の小菅村をフィールドに、LPWAの規格において最大送信出力である250mWの機器で長距離通信を可能にすること、及び中継機のメッシュマルチホップ機能※10により広範囲へのエリア拡張を実現することにより、従来無線の届きにくかった山間部のネットワーク環境を構築します。
当該ネットワークにおいてセンサーやカメラ等のIoT技術を活用することで、安心安全で効率的な林業経営をめざします。
<実施事項>
双方向通信可能な子機や専用アプリの活用により、以下3つの仕組みを提供します。これにより、緊急時の現場から事務所への救助要請や、業務を円滑化するコミュニケーションが可能となります。
伐木作業中の倒木事故等で負傷した際、子機本体のボタンを押下することで、SOS信号を発信できます。また、子機に内蔵された加速度センサーにより転落など急な衝撃をもとにトラブルを検知し、SOS信号の自動発信ができ、緊急事態の早期発見・早期対応が可能になります。
子機内臓のGPSで補足した作業者の位置情報を地図上に表示することで、救助要請者の居場所の把握が可能になり、迅速かつ効率的な救助を実現します。
専用アプリを介し、テキストや位置情報をチャットで送受信することで、これまで携帯電話の電波が届く所まで移動して行っていた業務連絡等の作業効率化が図れます。
子機に内蔵されたセンサーが罠の作動を検知した際、予め指定した宛先に捕獲通知がされ、捕獲の早期発見・駆け付けや巡回ルートの最適化が可能になります。加えて、巡回が困難な場所には、カメラを設置し、捕獲有無や害獣種別・大きさ等を画像で確認することで、巡回稼働の効率化を図ります。
<実施期間>
2020年2月中旬〜2020年9月(予定)
■山梨県小菅村
■北都留森林組合
■boonboon
■さとゆめ
■NTT東日本
「労働災害抑止」や「獣害対策」のスマート化を契機に、多様なパートナーとともに、林業業界の他の課題へのICT実装やデジタルトランスフォーメンション化の検討を進めていきます。また、本実証実験で整備したLPWAのネットワークを”Smart village“の基盤とし、他の産業への活用を通じた地域の活性化や地域経済の循環をめざします。
報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。