(報道発表資料)

2023年10月5日
東日本電信電話株式会社
株式会社JTOWER

ギガらく5Gと分散型アンテナシステム(DAS)の活用によるローカル5G環境の実現 〜ローカル5Gによるオフィスや商業施設等での安定した「高速・大容量」通信の利用を推進〜

東日本電信電話株式会社(代表取締役社長 澁谷 直樹、以下「NTT東日本」)は、NTT東日本が提供するマネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G®」で構築したローカル5Gシステムと、株式会社JTOWER(代表取締役社長 田中 敦史、以下「JTOWER」)が提供するローカル5G共用装置1の分散型アンテナシステム(以下、DAS2)の接続により、ギガらく5Gとしては初となるDASを活用したローカル5G環境の構築をNTTe-CITY Labo3において実現しました。今後NTT東日本とJTOWERは、オフィスビルや商業施設ビルに向け、DASおよびローカル5Gの導入を推進していきます。

1.背景

私たちの日常生活において、スマートフォンをはじめとする通信端末や安定した通信環境は必要不可欠な存在です。しかしながら、オフィスビルや商業施設、地下鉄駅構内、空港施設などの屋内環境では、無線電波が届きづらい環境である不感地帯が発生するケースが多く、施設利用者への安定した通信の提供が課題となっています。

そこで、携帯電波の不感地対策として、インフラシェアリングシステム4の1つであり、基地局から届く電波をデジタル信号に変換し、光ケーブルによって分配することで、通信可能なエリアの拡張や細やかなエリア構築を実現できる分散アンテナシステム(DAS)が注目を集めています。

一方ローカル5Gは、地域の企業・自治体等が自社敷地に柔軟に構築可能な「高速・大容量」の安定した通信インフラとして注目されており、Wi-Fi等の既存電波の干渉を受けやすいオフィス環境等におけるベーシックな通信環境(タブレット・PC利用等を用いた業務での利用)としてのニーズが高まっています。

ローカル5GとDASの活用により、細やかなエリア構築が可能となり、安定した「高速・大容量」の通信が提供できるというメリットがあります。

今後のオフィスや商業施設等でのローカル5Gのユースケースの拡大に向け、NTT東日本とJTOWERはこの度、ギガらく5Gとローカル5Gに対応したDASによる通信環境を構築し、NTTe-CITY Laboの一部にて、上り通信速度を向上させた通信方式である準同期5設定にてローカル5Gを開波しました。ギガらく5GとDASの接続構成は、ギガらく5Gとしては初となるDASを活用したローカル5G環境となります。また、JTOWERのDASとしては初の準同期設定でのローカル5G構築となります。

  • 1JTOWERのローカル5G共用装置では、ローカル5G対応の光中継DASを活用し、基地局から届く電波をデジタル信号に変換し、光ケーブルによって分配することで、ビルや工場などの大規模な建物内や地下空間等において効率的にネットワーク構築が可能。また、設備の一部は、携帯キャリアが提供する5Gと共用化でき、省スペース化、省電力化、資材や工事工数の削減などを図ることも可能。
  • 2Distributed Antenna Systemの略。基地局からの電波を光ケーブル等によって多数のアンテナに分配し、通信エリアを効率よく拡張するシステム。JTOWERの提供するDASシステムについては、複数のローカル5G、携帯キャリアの5G基地局を1つの装置に集約し、共用アンテナから電波を発射することが可能となる。
  • 3NTTe-CITY Laboの詳細はこちら
    https://business.ntt-east.co.jp/content/regional_revitalization/labo/新規ウィンドウで開く
  • 4主に移動体通信の分野において、基地局設備を設置する際の費用や工事の工数削減のために異なる通信事業者で通信設備を共用することを指す。
  • 55G通信においてアップリンク通信のスロット数を高めた設定(スロット数:ダウンリンク4、アップリンク4)

2.利用シーンごとの導入イメージ

オフィスでの利用 商業施設・イベント会場での利用 公共交通での利用
通信にかかわる
業務上の課題
  • オフィス内Wi-Fiの電波干渉によるリモート会議での通信遅延や通信断絶
  • 秘匿性の高い業務に伴うセキュリティー環境の獲得
  • 部屋やセクションごとの通信品質のばらつき
  • イベント等混雑時の業務用通信の遅延やお客さま用通信の帯域不足、テナントごとの通信品質のばらつき
  • 携帯キャリアの通信環境整備に伴う複雑な配線による建物美観の損失や管理コストの増加
  • ロボティクス導入による省人化の際の通信環境の確保
  • 地下鉄駅構内、空港施設内等の遠隔作業支援等に必要な業務用通信の帯域不足
  • 携帯キャリアの通信環境整備に伴う設備の多重化や管理コストの増加
ローカル5Gによる
課題解決
  • リモート会議時の安定した「高速・大容量」通信環境の実現
  • 専用SIMを用いた接続端末管理による高セキュリティーな専用無線の利用
  • 外部環境に左右されない、専用無線としての安定した業務用通信環境の確保
  • ロボティクスの運用に必要な、安定した通信環境の実現
  • 専用無線としての安定した業務用通信環境の確保
  • 遠隔での設備点検に必要な高精細映像の伝送を可能にする、「高速・大容量」通信環境の実現
DAS導入による
課題解決
  • アンテナの分散設置による「漏れなく・ダブりない」柔軟なエリア設計
  • ローカル5G、携帯電話の屋内設備のシェアリング(1本化)による、シンプルかつ省コストな通信環境の実現
  • 同一基地局内でのアンテナ運用になるため、接続端末の移動時に基地局間のハンドオーバが生じない通信品質の向上

    <DAS導入によるシンプルな構成>

    <ケーブル・アンテナの共用で美観を維持>

    <移動を要する通信に適した構成>

3.NTTe-CITY LABOに構築したギガらく5GとDASの装置

<ギガらく5G装置(上)とDASの親機(下)>

<DASの中継器(中央上)と子機(中央下)>

<DASのアンテナ(通常モデル)>

<DASのアンテナ(透明モデル)>

<オフィスでの利用イメージ(テレワーク活用)>

<ローカル5Gに接続されたPC端末>

4.今後の予定

今後NTT東日本とJTOWERは、オフィスや商業施設等でのユースケースの拡大にむけ、ギガらく5GおよびDASの導入を推進していきます。また、ギガらく5GおよびDASを活用したローカル5G環境については、NTTe-CITY Laboにて見学が可能ですので、ご興味のある方は下記までお問い合わせください。

NTTe-CITY Labo・ローカル5Gに関するお問い合わせ

東日本電信電話株式会社

ビジネス開発本部 無線&IoTビジネス部 5G・IoT企画担当

MAIL:local5G-openlab-ml@east.ntt.co.jp

ローカル5G共用装置、DASに関するお問い合わせ

株式会社JTOWER

https://www.jtower.co.jp/contact_local-5g新規ウィンドウで開く

5.参考

つぎのミライはあなたの街からはじまる。NTT東日本グループ

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。