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2022年5月16日
東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区)は、NTTアクセスサービスシステム研究所と連携し、光センシング技術「DAS」※1を用いた通信設備保守を世界で初めて実用化しました※2。2022年5月23日より東京エリアから順次運用を開始し、全国へ展開します。
DASは、光ファイバ心線の超微振動を検知できる技術です。本技術を通信設備保守業務に活用することで、マンホールへ入坑することなく故障位置が特定できるようになるため、業務の効率化が実現できます。本効率化を通して、移動等に伴うエネルギー消費削減も見込めることから、SDGsの達成にも貢献します。
NTTグループが目指すIOWN時代においては本運用を通じ得られたノウハウを生かし、日本中に敷設されている光ファイバケーブルネットワークをセンサとして活用した環境モニタリングを実現することで、多様な産業分野への環境情報の活用と様々な地域社会の課題解決に貢献することを目指します。
これまで、地下に埋設された通信設備の設備位置を特定する方法としてはOTDR測定器※3により光ファイバケーブル長を測定したのち、マンホールの坑内に立ち入り目視により現認する方法をとっていました。通信ネットワークで利用されているような比較的距離が長い設備環境においては、測定点からマンホールまでの正確な位置把握が困難であることに加え、マンホールの坑内に立ち入るためには、入口周辺の安全確保、マンホール内換気による作業者の安全確保等の必要があるなど、作業に時間を要していました。
DASはC-OTDR ※4光測定方式により、既存の光ファイバ心線に対して意図的に加えられた振動を測定することを可能としています。地中に埋設されている光ファイバケーブルに直接触れることなく、地上からマンホールの鉄蓋に打撃振動を加えることで発生する光ファイバ心線の超微振動を検知し、振動点までの距離を測定することができます。
【マンホール鉄蓋打撃による位置特定技術】
これまでは故障が発生した場合、測定点から故障点までの光ファイバケーブル長に基づいて故障点を探索していましたが、測定点からマンホール等までの正確な位置把握が困難であるため、複数のマンホールに入坑して確認する作業が発生し、手間がかかっていました。本技術を用いることにより、現地でマンホールに入坑する前に鉄蓋をゴムハンマー等で打撃することによって、測定点から打撃したマンホールまでの距離を正確に測定できるため、複数のマンホールへ入坑することなく故障点の設備位置の特定が可能となり、作業の効率化が実現できます。
「打撃による振動検知イメージ」
「従来の故障位置特定作業との比較」
「省力可能な作業」
本技術と運用から得られたノウハウは、通信設備保守業務の効率化という本事例に留まらず、弊社が所有する約60万km(地球約15周分)の光ファイバケーブルをセンサとして活用した光ファイバ環境モニタリング実現に寄与することが期待できます。
今後は、測定技術の更なる高度化による位置特定精度の向上、機械学習等を活用したデータ分析・解釈の検討などにも取り組みます。NTTグループの目指すIOWN時代においては、光ファイバ環境モニタリング運用を実現し、災害対策やインフラ設備の監視など、様々な地域社会の課題解決に貢献することを目指します。
報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
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