News Release東日本電信電話株式会社

2021年10月20日
株式会社ブレインスリープ
東日本電信電話株式会社

ブレインスリープ×NTT東日本×太田睡眠科学センター 診断データとAIにより問診数を大幅に削減
〜閉塞性睡眠時無呼吸診断の判定活用結果を日本睡眠学会にて発表〜

株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表取締役:道端 孝助、以下「ブレインスリープ」)と東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上 福造、以下「NTT東日本」)ならびに、太田総合病院記念研究所 太田睡眠科学センター(所在:神奈川県川崎市、センター所長:千葉 伸太郎、以下「太田睡眠科学センター」)は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群※1の診断の際に利用する問診の負担を軽減することを目的に、機械学習モデルの開発を進め、問診数の削減および判定精度確保に成功しました。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関して、全国でも有数の症例数を誇る太田睡眠科学センターの保有する診断データを基に開発された機械学習モデルによる問診数削減は、他に類を見ない成果であり、今後、診断時の問診負担の最小化に向けた活用をめざしていきます。

なお、これらの研究成果については、日本睡眠学会第46回定期学術集会(福岡で2021年9月開催)にて、「問診票と機械学習モデルによる閉塞性睡眠時無呼吸診断の検討(発表者:柳原 健一、千葉 伸太郎)」という題目で発表され、睡眠学会からも大きな期待を寄せられました。

  • ※1睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り、「睡眠」中に「無呼吸」状態が繰り返され、睡眠が妨げられる病気。英語名であるSleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」。最新の睡眠障害の国際分類では、正式な疾患名は閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)。

【研究経緯】

日本はOECD加盟国の中で睡眠時間が最も短いことが知られており、かつそれが年々短くなる傾向にあります。

その中で、特に問題視されている睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群に関しては、現状日本で治療を受けている患者数は40〜50万人とも言われており、この数字は年々増加傾向にあります。また、睡眠障害に伴う疾病リスクや労働生産性の低下が問われている中、睡眠障害の早期発見および早期治療の重要性と睡眠障害診断の患者負担低減を行うことで、日本の睡眠における課題の解消に寄与できる取り組みと考え、最新テクノロジーである機械学習を用いた研究を実施いたしました。

【研究方法と成果について】

本研究では、説明変数と目的変数を下記のとおり選定しました。

◆説明変数※2(合計117項目)

①アンケート項目:111問

- 独自問診表:79問

- 日本語版エプワース睡眠尺度※3(JESS):8項目

- ピッツバーグ睡眠質問票※4(PSQI):24項目

②終夜睡眠ポリグラフ検査※5(PSG検査)のうち簡易に計測可能な検査項目:6項目

◆目的変数※6

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断結果

診断結果として「重度なOSAであるか否か」を判定する機械学習モデルを作成、その判定結果を確認する方法で実施いたしました。

被験者データとして、合計3,160名のデータをもとに、機械学習の実施ならびに判定結果の精度を判定し、5つの評価モデル(正解率、適合率、感度(再現率)、F値(適合率と感度のバランス)、AUC(学習性能))から高い精度の判定が確認できました。

  • ※2機械学習の学習において、目的変数に作用する変数
  • ※3日中の眠気を評価する問診項目
  • ※4自記式で睡眠の質について回答し、評価する質問票
  • ※5脳波や眼球運動など夜間の生体反応を測定する検査
  • ※6機械学習の学習において、求めたい変数

【各社の役割】

ブレインスリープ 睡眠障害に関する専門知識の提供
NTT東日本 機械学習の実施および機械学習モデルの作成
太田睡眠科学センター 被験者データ3,160名分の提示および睡眠障害に関する専門知識の提供

【今後の活用】

今後は、本研究によって開発されたアルゴリズムをより多くの方に使っていただけるよう、サービス展開を検討しております。

本研究成果を世の中に実装し、睡眠障害の早期発見ならびに患者負担軽減に努めてまいります。

株式会社ブレインスリープ(https://brain-sleep.com/新規ウィンドウで開く

ブレインスリープは、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治と道端孝助によって「最高の睡眠で、最幸の人生を。」をミッションに、2019年に設立されました。主に最先端の睡眠研究を基に作られたオリジナルプロダクトの開発や睡眠に特化した企業への睡眠コンサルティングやITを活用したサービス、医学的根拠がある睡眠情報の発信などを行っています。

設立 2019年5月
代表者 代表取締役 道端 孝助
所在地 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー26F

西野 精治(にしの せいじ)

スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所所長

株式会社ブレインスリープ 創業者 兼 最高研究顧問

医師、医学博士、

認定資格 精神保健指定医、日本睡眠学会専門医、産業医

東日本電信電話株式会社(https://www.ntt-east.co.jp/

設立 1999年7月
代表者 代表取締役社長 井上 福造
本社所在地 東京都新宿区西新宿3-19-2
事業内容 東日本地域※7における地域電気通信業務※8およびこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務
  • ※7北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県および長野県
  • ※8県内通話に係る電話、専用、総合デジタル通信などの電気通信サービス

太田睡眠科学センター(https://www.ota-sleep.com/新規ウィンドウで開く

平成16年4月から睡眠障害を専門に診断・治療を行う機関として開設された。睡眠障害を訴える人が急増し、適切な医療体制が必要とされる今、単に医学的な問題だけではなく、心理・社会的背景にも寄り添った診断や治療を総合的に行う有数の睡眠障害の治療センター。

設立 2004年4月
代表者 センター所長 千葉 伸太郎
所在地 神奈川県川崎市川崎区日進町1-50

<本件に関するお客さまからのお問い合わせ先>

株式会社ブレインスリープ

広報担当 渡邉
Mail:pr@brain-sleep.com

東日本電信電話株式会社

ビジネスイノベーション本部
Mail: ps-healthcare-ml@east.ntt.co.jp

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