(報道発表資料)

2020年6月29日
東日本電信電話株式会社
バイオマスリサーチ株式会社

NTT東日本、バイオマスリサーチとの合弁により新会社を設立
〜持続可能な畜産・酪農業の実現と地域循環型エコシステムの構築をめざして〜

東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上 福造、以下「NTT東日本」)とバイオマスリサーチ株式会社(本社:北海道帯広市、代表取締役:菊池 貞雄、以下「バイオマスリサーチ」)は共同出資を行い、持続可能な畜産・酪農業の実現と地域活性化をめざし、新会社「株式会社ビオストック」(本社:北海道帯広市、以下「ビオストック」)を2020年7月1日(予定)に設立します。

ビオストックでは、人手不足や悪臭に伴う近隣からの苦情といった畜産・酪農家の方々の悩みごとを解決すべく、糞尿処理を大幅に省力化できるバイオガスプラント等の次世代畜産・酪農施設や、IoT/AIを活用したデータ駆動型畜産・酪農関連ソリューションを提供していきます。

同時に、バイオガスプラントから創出される有機肥料や再生可能エネルギーを活用することで、自治体・JA・畜産農家・地域企業の皆さまとともに地域循環型エコシステムの構築に取り組んでいきます。

1.背景と目的

国内の畜産・酪農業に携わる農家数は直近30年で1/3に減少する一方で、1農家あたりの飼育頭数は約3倍に拡大しており、「収入拡大のために飼育頭数を更に増やしたいが、人手は増えないので、飼養管理以外の仕事は省力化したい」「近隣住民から悪臭に関する苦情があるため対策したい」「バイオガスプラントを導入すると糞尿処理の稼働や悪臭がなくなると聞いているが、導入コストが高く、自己資金・借入では対応が難しい」といった畜産・酪農家の声が多くあります。

このような背景を踏まえ、NTT東日本とバイオマスリサーチは、昨年12月から実施している業務提携を深化させ、合弁により新会社を設立し、畜産・酪農業の課題解決に取り組みます。

2.新会社の概要(予定)

(1)会社名 株式会社ビオストック
(2)本社所在地 北海道帯広市
(3)事業内容 ICTを活用した次世代畜産・酪農関連施設(バイオガスプラント等)の提供、運営
データ駆動型畜産・酪農関連ソリューションの提供
(4)資本金 1億円
(5)株主 NTT東日本、バイオマスリサーチ
(6)設立年月日 2020年7月1日(予定)

3.主な事業内容

<ICTを活用した次世代畜産・酪農施設(バイオガスプラント等)の提供・運営>

バイオマスリサーチが独自に設計した小規模バイオガスプラントに、NTTグループのICT技術を活用した遠隔監視やオンサイト対応を組み合わせ、これまで導入のハードルが高かったバイオガスプラントを畜産・酪農家の皆さまがご利用しやすい「初期コスト不要、月額利用型モデル(ビジネスモデル特許出願中)」で提供します。

また、バイオガスプラントの運営を通じて、副産物として得られる消化液を有機肥料として活用するほか、NTTアノードエナジーとの連携により、バイオガスプラントから創出されるメタンガスや余剰熱を再生可能エネルギーとして活用することで、自治体・JA・畜産農家・地域企業の皆さまとともに地域循環型エコシステムの構築に取り組みます。

<データ駆動型畜産・酪農関連ソリューションの提供>

糞尿処理以外の営農業務についても、遠隔で人手を介さない姿を実現すべく、IoT/AIを活用した高度な環境制御や、環境・飼育データの分析による最適な飼養管理システム等を、多彩なパートナーとの連携を通じて提供していきます。

4.今後の展開

バイオマスリサーチが既にバイオガスプラントの調査・導入支援を実施している自治体、JA、畜産・酪農家を中心に、ICTを活用した次世代畜産・酪農施設の提供・運営や、データ駆動型畜産・酪農関連ソリューションの提供を行います。

また、バイオガスプラントから発生する余剰熱をNTTアグリテクノロジーが提供する大規模施設園芸で活用するといった研究を進めるなど、NTTグループのアセットとバイオマスリサーチのノウハウをベースに、パートナーとの連携を通じて、畜産・酪農分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していきます。

5.各社の紹介

NTT東日本について

本社所在地 東京都新宿区西新宿3-19-2
代表者 代表取締役社長 井上 福造
事業内容 東日本地域における地域電気通信業務及びこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務
オフィシャルサイト https://www.ntt-east.co.jp/

NTT東日本では、引き続きお客さまの身近な立場で、進化しつづける情報通信技術を使い、地域社会の活性化に努めていきます。

バイオマスリサーチについて

本社所在地 北海道帯広市東2条南4-10
代表 代表取締役 菊池 貞雄
事業内容 バイオガスプラントの可能性調査・導入支援、バイオマス産業都市構想策定支援、研究開発、海外事業
オフィシャルサイト https://biomass-research.net/新規ウィンドウで開く

バイオマスリサーチでは、引き続き地域のコンセンサスを図ることを大切にしながら、地域資源を生かしたバイオガスプラントの導入を支援していきます。

6.エンドースメント

■炭谷 茂さま(恩賜財団済生会理事長(元環境事務次官))

畜産糞尿は各地で水質汚濁や悪臭など大きな環境問題を発生していますが、バイオガス事業は、環境問題を解決するだけでなく、地域分散型エネルギー、有機肥料の生産、雇用創出など地域社会に多様な効果をもたらします。バイオマスリサーチは、長年、北海道を拠点に日本各地、そして海外でこの分野のパイオニアとして実績を積み重ね、高い評価を得ています。この豊かな経験をもとに、今後はNTTグループとの連携によるAI導入などを進めることで、環境と経済両面にわたる一層のご貢献を期待しています。

■硲 一寿さま(興部町長)

本町は、バイオマス産業都市構想、環境省地域循環型共生圏構想を活用し、バイオマスの活用によるまちづくりを推進しています。現在、町内ではバイオガスプラント3基が稼働、乳牛糞尿、生ごみから地域エネルギー、有機肥料を生産しています。バイオマスリサーチには、構想の策定、プラント設計、工事監理など本町のバイオガス事業にご尽力いただきました。バイオマス事業で日本を元気に、ビオストックのご活躍を期待しています。

■梅津 一孝さま(帯広畜産大学 教授)

バイオマスリサーチは、メタン発酵の研究では約半世紀の実績のある帯広畜産大学発ベンチャー企業であり、本学の研究成果を活用した全国各地でのバイオガスプラント事業の構築に貢献してきました。国内だけでなく、キルギス共和国でのバイオガス事業、有機農業の普及にも貢献してきた実績を有する国内外で活躍するバイオガス事業のプロフェッショナル企業です。

ICT・通信事業のプロフェッショナル企業であるNTT東日本とのパートナーシップによる、新たな農村づくりに期待しています。

■野村 敏充さま(北海道釧路市 野村牧場)

本牧場では、バイオガスプラントで乳牛糞尿を処理して15年になります。悪臭の軽減等による牧場の衛生面の改善、メタン発酵後の消化液の農地散布により土壌の改善、牧草品質の改善、牛体の健康改善に効果が表れています。

これまで、バイオガスプラントの導入に関心のある多くの方に視察いただき、バイオマスリサーチと共にバイオガス事業に関する情報提供をさせていただきました。ビオストックの事業を通じて、バイオガスプラントが全国に拡大することを期待しております。

■本部 博久さま(宮崎県新富町 本部農場)

現在、本農場では、バイオマスリサーチの設計・監修の元、バイオガスプラントを建設中です。このプラントを利用することで糞尿処理の労働力削減を図り、更なる規模拡大を進めて行きたいと思います。

糞尿の衛生的な処理、消化液の農地還元、バイオマスエネルギーの利用により、ワクワクする酪農を地域とともに創造していきます。

ビオストックの九州でのご活躍を期待しています。

7.お客さまからの問い合わせ先

新会社における各事業については、以下へお問い合わせください。

株式会社ビオストック

URL http://biostock.co.jp/新規ウィンドウで開く
Email info@biostock.co.jp
TEL 0155-66-6030

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。