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(報道発表資料)

2019年9月27日
全国農業協同組合連合会
東日本電信電話株式会社
株式会社NTTアグリテクノロジー

農作業者の健康管理・労務管理を通じ安心安全・効率的な農業経営を実現する実証実験を開始
〜IoTを活用し「農福連携」・「外国人技能実習生」等の多様な働き方を支援〜

  • 全国農業協同組合連合会(本所:東京都千代田区、代表理事理事長:山﨑 周二、以下 JA全農)と 東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上 福造、以下 NTT東日本)、株式会社NTTアグリテクノロジー(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:酒井 大雅、以下 NTTアグリテクノロジー)は、JA全農が運営する次世代施設園芸※1「ゆめファーム全農※2」において、IoTを活用した農作業者の健康管理・労務管理を通じ、農業経営を支援する実証実験を開始します。
  • 本実証実験では、IoTを活用し、身体にかかる負荷を計測・可視化することで、管理者への注意喚起や適切なタイミングで休憩を促す等の措置を行います。また、農作業者の作業箇所・作業時間等の可視化もあわせて行い、最適な労働環境や適正な労務管理を行う仕組みを提供し、安心安全・効率的な農業経営の実現をめざします。
  • ※1ICTを活用した高度な環境制御技術等により高い生産性向上と大規模経営を実現する施設園芸
  • ※2JA全農が保有する次世代施設園芸の営農実証支援施設

1.背景と目的

国内の少子高齢化に伴い農業従事者は減少傾向※3にある一方で、地域の担い手農家を中心に農業経営の大規模化、農業法人化が進み※4、農業経営においては従業員を雇用し、労働力を最大限に活用することの必要性が増しています。

また、深刻な労働力不足の中、「農福連携※5」や「外国人技能実習生の受入」、また「地域の人材との連携」が持続可能な農業の実現に向けて注目されています。

こうした中、重要なのは、農作業者の健康や安全を確保し、かつ経営者や現場監督者と農作業者間の適切なコミュニケーションを促すことにより、作業計画の策定・見直し、作業者の適正配置や作業の標準化等の労務管理を効率的に行うことです。

今回の実証実験では、次世代施設園芸をフィールドとし、課題となっている高温多湿の環境による年間を通じた熱中症発症リスクや、広大な面積における適切な労務管理の解決をめざします。IoTを活用することで、農業経営の高度化、省力化を推進し、多様な人材が働きやすい職場環境作りを後押しします。

  • ※3約30年間で農業従事者数は半減(農林水産省「2015農林業センサス」)
  • ※4約30年間で農業法人数は約7倍に増加(農林水産省「指定農業者等に関する統計」、「担い手をめぐる情勢について」)
  • ※5障がい者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組(農林水産省)

2.概要

高知県安芸市に所在する「ゆめファーム全農こうち」において、農作業者に腕時計型のウェアラブルデバイスを装着してもらい、バイタルデータや位置情報等を取得します。取得したデータはLPWA※6を通じてクラウド上に蓄積され、どこからでもPC・タブレット等で確認できます。

取得情報をもとに、農作業者の身体負荷状況や作業状況等を可視化し、予め設定した条件に合致した場合に経営者や管理者にメールでアラート通知を行うことで、タイムリーな健康管理や適切な労務管理を実現します。

なお、実証実験では、年齢や作業経験期間が異なる数名の農作業者を対象にする予定です。

  • ※6小電力でkm単位の距離で通信できる無線通信技術の総称(Low Power, Wide Area)

<実施事項>

  1. 農作業者の健康管理

    農産物を最適な環境で栽培するためファーム内に設置しているセンサーで取得する温度・湿度・日射量をもとに、熱ストレスの評価を行うWBGT値(暑さ指数)※7を算出します。同WBGT値が基準値を超え、かつウェアラブルデバイスで取得した心拍数データから暑熱負担が増大していると判断した場合に管理者等に通知を行います。通知に基づき、注意喚起や適切な声掛けによる体調の確認、休憩を促す等の行動につなげることで、農作業者の健康を確保します。

    併せて、農作業者が転倒した場合の検知、管理者等への通知も行い、広大なファーム内においても農作業者にとり安全な環境を整備します。

    • ※7暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指数のことで、気温と相対湿度を用いて算出される(厚生労働省)
  2. 農作業者の労務管理(予定)

    ウェアラブルデバイスで取得する位置情報と、労務管理アプリケーションに記録した作業内容等の情報を相互に連動させ、農作業者の労働時間や生産性等を可視化する予定です。これまで紙媒体や表計算ソフトで管理していた労務管理を、タブレットとウェアラブルデバイスによる管理を用いることで予定されている作業の進捗等を正確に把握するほか、集計作業の簡略化を実現します。

  3. 外国人技能実習生等とのコミュニケーションへの活用(予定)

    今後国内で増加が見込まれる外国人技能実習生等との適切なコミュニケーションを目的に、健康管理・労務管理アプリケーションに多言語翻訳機能やメッセージ機能を搭載していく予定です。

■イメージ

3.各社の役割

JA全農(https://www.zennoh.or.jp/新規ウィンドウで開く
  • 実証実験フィールドの提供
  • IoTを活用した健康管理・労務管理の効果、ユーザビリティの検証とノウハウ蓄積
NTT東日本(https://www.ntt-east.co.jp/
  • ウェアラブルデバイスの提供と、健康管理・労務管理への活用ノウハウの蓄積
  • 施設園芸における最適な無線通信環境の検証とノウハウ蓄積
  • 健康や安全な管理に係るアドバイス(NTT東日本関東病院と協力)
NTTアグリテクノロジー(https://www.ntt-agritechnology.com/新規ウィンドウで開く
  • 実証実験全体の企画・運営
  • 商品化、サービス化を見据えたノウハウの蓄積
  • 自社ファームでの活用(2020年7月以降、山梨県に開設予定)による商品、サービスの高度化

4.実証期間(予定)

2019年10月〜2021年3月末

5.実証実験の実施場所

「ゆめファーム全農こうち」(高知県安芸市) 施設面積:約1ha

  • 今後、その他「ゆめファーム全農」プロジェクト(栃木・佐賀等)での実証も検討

6.今後の展開

  • 2020年度末までを目標に、サービス提供の開始をめざします。
  • JA全農、NTT東日本、NTTアグリテクノロジーは、今後もIoT等の活用による施設園芸の高度化、省力化を通じ、農業経営者の手取り最大化、多様な人材が安心して働ける環境作りを支援する取り組みを共同で検討、実施します。

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。