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2018年10月29日
日本電信電話株式会社
東日本電信電話株式会社

AI・ICT技術を活用した新たな英語学習・学習指導方法の検証について〜板橋区の中学校で英語Speaking学習に関するトライアルを実施〜

日本電信電話株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下NTT)と、東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上 福造、以下NTT東日本)は、中学生の英語Speaking学習に関するトライアルを、板橋区内の中学校において2018年11月から2019年3月まで実施します。

本トライアルでは、NTTのAI技術「corevo(R)(コレボ)」(※)の活用により実現した日本人特有の訛りを含む英語に対する音声認識技術と、デジタルドリルを組み合わせたSpeaking学習アプリを利用します。

当該アプリを、教育ICTの導入・活用に積極的な板橋区内の中学校において実際の授業で活用し、英語Speaking学習のモチベーションの向上に繋がる学習方法や学習指導方法を検証します。

1.背景、目的

社会の急速なグローバル化の進展により、外国語、特に国際共通語である英語の学習の重要性は一層増しており、2020年度から小・中・高と順次全面実施される新学習指導要領においても英語教育の充実が打ち出されています。これを受けて、英語の「聞く(Listening)」「読む(Reading)」「書く(Writing)」「話す(Speaking)」の4技能を習得する必要性が高まっています。特に「話す(Speaking)」学習については、現状の英語学習において必要性がありながら発話機会の少なさによる学習量の不足が懸念されており、ICTの活用によって学習効果の向上が望まれている分野です。

トライアルの検討にあたり、中学校の教育現場へ英語Speaking 学習の現状に関するヒアリングを行ったところ、

  • 先生1人に対して多くの生徒が参加する授業でのSpeaking学習は、生徒個人に割当られる時間に制約がある
  • 従来のツールでは、日本人特有の訛りを含む英語音声を適切に認識できないことによる発話に対するモチベーションの低下という問題があり、Speaking学習への第一歩として、話すことに対する意欲を高める必要がある
  • 英語Speakingは新たな評価項目として着目され始めた分野のため、より効果的な学習方法を検討していく必要がある

という課題がわかりました。

これらの課題解決に向け、「板橋区教育ICT化推進計画」に基づき、NTT東日本と2014年から区内の学校ICT環境整備と授業への導入を先進的に進めている板橋区と、日本人英語に対応した音声認識技術を活用したトライアルの実施に至りました。

2.取り組み概要

  1. (1)トライアルの内容と目的

    本トライアルでは、AI・ICT技術を授業に導入し、英語Speaking学習のモチベーションの向上に繋がる学習方法や学習指導方法を検証し、有効性を評価します。

    <学習方法>

    • 授業において、生徒1人に一台のタブレットを配布し、音声認識技術およびデジタルドリルを組み合わせたSpeaking学習アプリによる個別学習を実施
    • Speaking学習アプリには、学習単元に即した発話・応用問題ができるオリジナル教材を提供

    <学習指導方法>

    • 生徒が問題に従って英語発話で回答をすると、Speaking学習アプリが発話内容の適切さを評価し、表示
    • 教師は、生徒の発話音声や音声認識結果(テキスト)などから、表現や文法などについてICTを活用したSpeaking学習指導方法を評価・検討
  2. <トライアルイメージ>

    ・NTTが提供するシステムの一部には、高機能デジタルドリルプラットフォーム「ノウン」(NTTアドバンステクノロジ社)、高精度音声認識ソフトウェア「SpeechRec」(NTTテクノクロス社)を活用します。

  3. (2)各社の役割

    NTT            日本人英語に対応した音声認識技術の提供、Speaking学習教材の提供

    NTT東日本  ネットワークなど、学校向けICT環境の整備・運用

  4. (3)実施期間

    2018年11月〜2019年3月(予定)

3.今後の予定

NTTは本トライアルを通じ、日本人英語音声認識技術のさらなる精度向上や、英語学習指導支援技術の研究を推進してまいります。

本トライアルの取り組みや関連技術については2018年11月29 日・30日にNTT武蔵野研究開発センタにて開催されるR&Dフォーラムにて展示予定です。

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
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