- NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]※1(以下ICC)では、2018年10月13日(土)から11月18日(日)まで、特別展 OPEN STUDIO リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC「“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて」を開催します。
- 本展覧会は、共感と多様性をテーマに、異なる個性を持つ人同士がどのように自分と向き合い、他者と関わり合い、互いを理解し、つながることができるのかを体感するための「公開実験の場(OPEN STUDIO)」として開催されます。
- 展覧会では、NTTの研究所の社会基盤技術と、他の研究機関やアーティストによる実験的な展示+デモンストレーションを実施します。
- ※1日本の電話事業100周年記念事業として、またNTTの文化・社会貢献活動の一環として、1991年からプレ活動を開始し、1997年東京(新宿区西新宿<初台>)にオープンした文化施設。コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用した「メディア・アート」を中心とした展示を実施している。
1.開催概要
開催期間 : 2018年10月13日(土)〜2018年11月18日(日)
開館時間  : 午前11時〜午後6時
休館日  : 月曜日
入場料  : 無料
主催  : NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)
企画構成協力  : リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC
- リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC:
- ICCでは、2017年度より、2020年に向けた取り組みとして、NTTサービスエボリューション研究所2020エポックメイキングプロジェクトとともに共同企画「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」を展開しています。2020年、そしてそれ以降に向けて、ICCの理念に謳われた「豊かな未来社会」を構想するための拠点となるべく、アーティストや研究者だけではなく、組織的、人的ネットワークの構築を目指し、研究会、展覧会など、さまざまな取り組みを行っています。
2.展覧会概要
現代は、情報通信技術の発展に伴い、場所や時間を選ばず、誰とでも交流できる世界が実現され、様々な利便性がもたらされてきました。しかし、人同士のコミュニケーションにおいては、個人ごとに身体的、認知的、文化的などさまざまな違いが存在するため、“完全に伝える”ことは困難です。
一方で、この「人それぞれの違い(=個別性)」に着目し、 “伝わらなさ”という視点を用いて伝えるという行為自体を考えることで、新たな情報通信技術について考えることができます。現在の技術では表現しきれない、各人の身体、認知の特性、感情の揺らぎといった、伝わらないものの中に現れる個人の本質はどのように伝えることができるか、に着目しています。
2020年は、世界的な情報発信と共有の場となり、多様な人々との交流が行われます。本展覧会は、共感と多様性をテーマに、異なる個性を持つ個人が、どのように自分と向き合い、他者と関わり合い、互いを理解し、つながることができるのかを体感する「公開実験の場(OPEN STUDIO)」として開催されます。
展覧会内では、NTTの研究所の社会基盤技術(インフラストラクチャー)と、ほかの研究機関やアーティストとの協働による実験的な展示+デモンストレーションを通じ、新たな技術や研究成果の公開にとどまらない社会での価値をイメージした作品を紹介します。
3.出展作品
3-1.《
+3人称電話》
NTTサービスエボリューション研究所
- <概要>
- NTTの研究所では、遠隔地にネットワークを介して、リアルタイムに競技空間やライブ会場を「丸ごと」伝送、再現をめざす、超高臨場感通信技術「Kirari!」の開発を行ってきました。本展示では、「Kirari!」の技術を新しい遠隔コミュニケーション体験へ適用しています。「任意背景被写体抽出技術」を用いて、コミュニケーションを行っている体験者をリアルタイムで切り出してディスプレイに表示することで、お互いを第三者の視点(三人称視点)から観察し、対話を行うことができる新しいコミュニケーション体験を実現した展示です。
3-2.「Swarm Media Research」
- <概要>
- NTTサービスエボリューション研究所とアルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ(AEF)との協働で進められている、ドローンやボットのSwarm(群れ)をメディアとして活用するプロジェクトを二つ紹介します。
- 3-2-1.《ハコドローン》
NTTサービスエボリューション研究所(山下遼+橋口恭子+鈴木督史+千明裕)
<概要>
ハコドローンは、NTTの研究所が開発中の、箱型のプロジェクションスクリーンを搭載したドローンを空間中に配置し、柔軟な表示メディアを作り出すことができる技術です。映し出す内容に応じて、縦に積み重なったり、横に並んだりするなど、フレキシブルに形を変えることのできるディスプレイや、環境や人の動作に応じて表示や動きなどの振る舞いを変えるインタラクティブなサイネージなどとして活用することを目指し、開発に取り組んでいます。会期中には、実際にハコドローンを使ったパフォーマンスも実施予定です。
- 3-2-2.「Swarm Arenaとグラウンドボット」
NTTサービスエボリューション研究所+アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ[AEF]
<概要>
アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ[AEF]はこれまで、多数の光源付きドローンで空に絵を描く“SPAXELSR”というプロジェクトを進めてきました。NTTの研究所とアルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ[AEF]の共同研究では、これを発展させ、ディスプレイを搭載し地上を走るロボット(グラウンドボット)やドローンによるSwarm(群れ)をメディアとして、スポーツの新しい観戦体験の創造や、空間演出などを行う研究を進めてきました。会場ではプロジェクトのビデオプレゼンテーションと、グラウンドボットに映像を表示するデモンストレーションが行われます。
3-3.《Flying Dog》
千明裕(NTTサービスエボリューション研究所)、五味裕章(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、小川秀明(アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ[AEF])、ニコラ・ナヴォー(アルス・エレクトロニカ・フューチャーラボ[AEF])
- <概要>
- “Flying Dog”は、NTTの研究所が開発した触覚デバイス “ぶるなび”と、風船のオブジェクトを組み合わせることで生まれた、未来の都市ナビゲーションシステムです。スマートフォンに表示された地図を見ながら目的地を目指す現代のナビゲーションアプリとは異なり、“Flying Dog”では、あたかも空飛ぶ犬に手を引かれるように、風船オブジェクトの動きとナビゲーションの振動を感じながら、街中をガイドされます。目的地のない散歩や、ちょっとした寄り道、これまで気づかなかった場所の発見や思いがけない偶然といった体験を楽しむことができます。
3-4.「スポーツ・ソーシャル・ビュー」
- <概要>
- 目の見えない人と一緒にスポーツを観戦するとしたら、どのような方法が考えられるでしょうか。一つの方法として、競技内容を実況中継するということが考えられますが、実況のプロフェッショナルでない限り、選手の動きを口頭で説明しようとしても、伝えることはとても困難です。
本展示では、選手の動きや競技内容そのものを正確に伝えることだけをめざすのではなく、目の見える人が、選手の動きの時間的な変化やその場の状況、会場の盛り上がりを、何かを叩くなどして身体的な体験に置き換えて共有する、共同身体体験に基づくスポーツ観戦に関する展示を行います。展示会では、NTTサービスエボリューション研究所や伊藤亜紗氏(東京工業大学)によるリサーチのプレゼンテーションが行われます。
3-5.《all around》
田中みゆき、長嶋りかこ、渡邊淳司
- <概要>
- 心臓は私たちの命を維持するために、毎日10万回以上拍動しています。しかし、私たちは普段、そのことをどのくらい意識しているでしょうか。
この作品は、体験者自身の心臓の鼓動を外在化させることによって、自分という存在の不確かさを感じ直すものです。水は、命のはじまりであり、さまざまに姿かたちを変えて私たちとともに存在しています。そんな匿名性をもった水が、鼓動を通して体験者の固有の命として浮かび上がります。水面に映る体験者の像は、鼓動によって曖昧になり、あるひとつの「生」として映されます。
3-6.新作(タイトル未定)
浦川通(Qosmo/Dentsu Lab Tokyo)
- <概要>
- ひとりの人間が発する「ことば」から、個人の思考を可視化した《意識の辞書》(2017)。これを発展させ、複数人が交わす「ことば」のコミュニケーションをもとに、そこから見えてくる個人の間の「意識の対比」を題材とする作品を展示します。
3-7.関連小冊子『Technology x Media Event--その社会における変遷』
NTTサービスエボリューション研究所
- <概要>
- 通信や放送といったメディア・テクノロジーと結びついた、現代の社会におけるオリンピックや万博などの国家的行事は、メディア・イベントとしての側面を強く持っています。
これまでオリンピックや万博をはじめとするメディア・イベント化した行事が社会の中でどのように放送され、またテクノロジーの発達に伴って、それがどのように変化してきたか、それらの関係性をテーマに、専門家にインタビューを行います。このことは、NTTの情報通信技術についても当てはまるものであり、1970年の大阪万博における電気通信館から、その歴史を振り返り、2020年そして、その後の社会のありかたについて考察します。
4.ICCのご案内
所在地 |
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階 (京王新線 初台駅東口から徒歩2分) |

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