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News Release 東日本電信電話株式会社

2017年10月31日

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 企画展「坂本龍一 with 高谷史郎 設置音楽2 IS YOUR TIME」を開催

  • NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター※1(以下ICC)では、2017年12月9日(土)より2018年3月11日(日)まで企画展「坂本龍一 with 高谷史郎 設置音楽2 IS YOUR TIME」を開催します。
  • 本展は、「坂本龍一 『設置音楽展』 」(ワタリウム美術館)に続く二番目の「設置音楽」シリーズです。
    東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノに出会い、“近代を象徴する楽器を自然が物に返した”と感じた坂本龍一が、そこから音楽の再生を試みながら、物理的な音を感知することだけではない音楽を感覚する場を作り上げます。
  • ※1日本の電話事業100周年記念事業として、またNTTの文化・社会貢献活動の一環として、1991年からプレ活動を開始し、1997年東京(新宿区西新宿<初台>)にオープンした文化施設。コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用した「メディア・アート」を中心とした展示を実施しており、2017年に開館20周年を迎える。

1.開催主旨

坂本龍一は、近年、展示作品としてのインスタレーションの制作を行ない、これまでの自身の音楽の発表の場とは異なる、美術展や芸術祭などへの参加が増えています。また、音楽活動のみならず社会活動にも重点を置いた活動を精力的に行なっており、その活動は、音楽や社会、あるいは自然や根源的な生の思索へと向かっています。

坂本龍一が今年発表した8年ぶりのアルバム『async』は、従来のCDあるいは5.1チャンネルオーディオといったリスニング形式にとどまらず、自由な音響空間を創り出すことへの強い関心により、空間に音や映像などの要素を配置し、インスタレーションとして自在に作曲することを可能にした新しい手法によるものであり、それは坂本龍一にとっての新境地であるだけではなく、その音楽自体これまでにない新たな聴取体験をもたらすものでした。また、『async』は、CDやレコードで発表された後に、5.1チャンネルオーディオと3組のアーティストによる映像とのコラボレーションによって展示空間に設置され、「設置音楽」というフォーマットによって提示されました。

本展は、そのタイトルが示すように、「坂本龍一 『設置音楽展』 」(ワタリウム美術館)に続く、二番目の「設置音楽」シリーズです。

2.作品詳細

展示される《IS YOUR TIME》は、「設置音楽」シリーズの二番目の作品として、音楽家、坂本龍一と、アーティスト・グループ「ダムタイプ」およびソロ・アーティストとしても世界的に活躍する高谷史郎によって、今回の展覧会のために制作される新作インスタレーションです。

坂本龍一は、東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市にある宮城県農業高等学校のピアノに出会い、人間によって作られた、本来は木や鉄であったピアノという近代を象徴する楽器が、津波という自然の力によってその機能を失い、物へと還っていったと感じました。当初、それは坂本龍一に「音楽の死」を思わせるほどの強い印象を与えましたが、海水に漬かり、修復不能となってもなお音を奏でるピアノに、坂本龍一はその印象を変えていくことになります。

その後、坂本龍一は、そのピアノの音を自身の作品『async』にも使用しました。いくつかの鍵盤からは音が鳴らなくなってしまい、調律することも難しい、楽器としてはもう使用不可能になってしまったこのピアノは、自然によって調律されたピアノとして、坂本龍一にとって忘れることのできないものになっていきました。

本作は、『async』の音楽とともに、世界各地の地震の観測データを音楽データに置き換え、その被災したピアノに演奏させることで、物に還ったピアノを新たに地球の鳴動を感知させるためのメディアとして「転生」させることをテーマとしたインスタレーションです。本展の展示空間が、物理的な音を感知することだけにとどまらない、音楽や地球を感覚する場となります。

<本展覧会に寄せて:坂本龍一>

「もとはモノだったものが、人によって変形され、時間とともに、あるいは巨大な自然の力によってまたモノに還っていく。

都市もそうだ。都市の素材も鉄、ガラス、コンクリートなど、もとはみな自然のモノ。それらを人は惑星各地から集積し、あたかも彫刻のように形を与えていく。しかしそれも時間の経過とともに、モノに還っていく。

自分が住んでいるマンハッタンを見ていて、以前からそう思えて仕方なかった。これは単なる個人の妄想ではないんだと最近は思うようになった。」

坂本龍一

3.関連イベント予定

<イベント1>
2017年12月9日(土)15:00より
アーティスト・トーク 坂本龍一、高谷史郎
会場:ICC 4階 特設会場
<イベント2>
2017年12月10日(日)19:00より
コンサート
会場:ICC 5階 ギャラリーA
定員:300名
入場料(予定):前売券3,000円/当日券 3,500円
<イベント3>
2017年12月9日(土)〜
設置音楽コンテスト、 短編映画コンペティション 入賞作品公開
会場:ICC 4階 シアター

詳細は、別途ICCホームページ(https://www.ntticc.or.jp)にてお知らせいたします。

4.プロフィール

Photo by Zakkubalan

<坂本龍一 SAKAMOTO Ryuichi>
1952年東京生まれ。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」に参加。YMO散開後も音楽を中心に海外に拠点を移し多方面で活動。映画『戦場のメリークリスマス』の音楽で英国アカデミー賞を、映画『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミー作曲賞、グラミー賞最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞ほかを受賞。数々の映画音楽を手がけるなど、作曲家としても世界的な評価を得ている。
常に革新的なサウンドを追求し、2007年に山口情報芸術センター[YCAM]で委嘱制作された高谷史郎との《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》など、インスタレーションの発表を数多く行なっている。社会的な問題へも強い関心を持ち、森林保全と植林活動を行なう「more trees」、脱原発チャリティ・イヴェント「NO NUKES」、東日本大震災の被災地支援のための「こどもの音楽再生基金」「東北ユースオーケストラ」など、さまざまな活動を続けている。2014年には、札幌国際芸術祭(SIAF)のゲスト・ディレクターを務めた。
2015年、映画『母と暮せば』ならびに『レヴェナント: 蘇えりし者』の音楽を制作。2017年、8年ぶりのオリジナル・アルバム『async』を発表。ワタリウム美術館で「設置音楽展」を行なった。

<高谷史郎 TAKATANI Shiro>
1963年生まれ。1984年からアーティスト・グループ「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり、世界各地の劇場や美術館、アートセンター等で公演/展示を行う。1998年から「ダムタイプ」の活動と並行して個人の制作活動を開始。舞台作品《明るい部屋》(2008年初演、世界演劇祭/ドイツ)、《CHROMA》(2012年初演、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール)、《ST/LL》(2015年初演、ル・ヴォルカン国立舞台/フランス)を制作。マルセイユ・フェスティバル、國家兩廳院・國家戲劇院(台湾)での公演や、山口情報芸術センター [YCAM]、ZKM(ドイツ)、パリ科学産業会館、シャルジャ・ビエンナーレ(UAE)などでの作品展示、また、中谷芙二子、野村萬斎、樂吉左衞門らとのコラボレーション作品も多数。坂本龍一による音楽の最新パフォーマンス《ST/LL》は、2018年2月24日(土)〜25日(日)に東京・新国立劇場で上演予定。

5.開催期間

2017年12月9日(土)〜2018年3月11日(日) 11:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)※2

  • ※2但し、12月10日は(日)は、11:00〜15:00(入場は14:30まで)
    休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日。なお、2/12(月)は休館、2/13(火)は開館)
    保守点検日:2/11(日)、年末年始休:12/28(木)〜1/4(木)

6.入場料

一般・大学生:500円(400円)※3/高校生以下無料

  • ※3料金は消費税込み、( )内は15名様以上の団体料金。

<東京オペラシティアートギャラリーとの相互割引>
ICC受付にて、東京オペラシティアートギャラリーで同時期に開催の企画展「単色のリズム 韓国の抽象」「谷川俊太郎展」入場券をご呈示いただくと、本展に団体料金でご入場いただけます。また、東京オペラシティアートギャラリーご入場の際に、本展入場券をご呈示いただいた場合も、団体料金でご入場いただけます(他の割引との併用不可。ご本人のみ1回限り有効)。

7.ICCのご案内

所在地 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)

地図

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。