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2015年9月30日
本展は、1993年より、英国を拠点に、パフォーマンスやアニメーション、建築的なセットやさまざまな装置などの要素を取り入れたヴィデオ作品を共同で制作している、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンによる個展です。
彼らの作品は、日用品の数々を新たな視点からとらえ、もうひとつの新たな使用法をあきらかにしたり、それによって引き起こされたものの様態の変化に気づかせるなど、シンプルなアイデアから生み出される、ユーモラスで意外性や示唆に富んだものです。それは、どこか実験のようであり、決定的瞬間のようであり、映画のワンシーンのようであり、さまざまです。それは、そこはかとないユーモアを感じさせ、非常にユニークなもので、それゆえ「なにをやっているんだろう?」「なにが起こっているんだろう?」という関心をひきつけるものであり、しかも親しみやすいものでもあります。
近年では、英国内外で大規模な個展が開かれ、日本国内でも、NHK Eテレの番組『2355』にて、作品が一時期紹介され、森美術館やブリティッシュ・カウンシルによる巡回展で紹介されたほか、ICCでも「オープン・スペース 2012」展において6作品を展示し、多くの観客の人気を博しました。
今回のICCでの個展では、作品のテーマをパフォーマンス、アニメーション、物語、映画の4つに分類し、ICCで展示されたものを含まない20のヴィデオ作品によって展観する、日本で初めての大規模な個展となります。
展覧会のタイトル「説明しにくいこともある」には、ある文章を別の言語で、または映像を言葉でというように、なにかを別の表現で置き換える際にこぼれ落ちてしまうことに対する作家の意識が反映されています。私たちの日常には、そういった表現の置き換えがあふれていますし、彼らの作品にもごく簡潔な言葉で説明できるものが多くあります。それでも私たちがウッド&ハリソンの作品に魅了されるのは、私たちが、なにか行動を起こすときに、それが簡単に説明がつくことだとしても、自分でやってみたくなる衝動にかられるという、不条理やばかばかしさを思い起こさせるからではないでしょうか。
ジョン・ウッド:1969年香港生まれ
ポール・ハリソン:1966年英国ウルヴァーハンプトン生まれ
1989年にバース・カレッジで出会い、1993年から共同で作品を制作。シングル・チャンネルのヴィデオ作品、マルチ・スクリーンのヴィデオ・インスタレーション、印刷物、ドローイング、彫刻など多彩な形態の作品を発表し、それぞれで高度な美学的探求と実存主義的なコメディを融合させている。
彼らの簡潔で気の利いた作品では、彼ら自身が行なうアクション、静止または動作するさまざまな小道具、またはその双方のコンビネーションが登場し、アートの制作や日々の生活に伴う喜びと苦しみを表現している。
ヴィデオは厳密な内在的論理に従っており、繰り広げられるアクションは作品のもつ時間と直接関連がある。この「論理的世界」のなかでは、これといった理由もなくアクションが起こり、環境とその中にいるものとのあいだに緊張状態が生まれ、遊びが促され、作品への影響は意図的に混ぜ合わされたものとなっている。
2015年11月21日(土)〜2016年2月21日(日) 11:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日の場合翌日)、年末年始(12/28〜1/4)、保守点検日(2/14)
一般・大学生:500円(400円)※2/高校生以下無料
所在地 | 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階 (京王新線 初台駅東口から徒歩2分) |
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会期中、トークセッションなどのイベントを行う予定です。
詳細は、別途ICCホームページ(https://www.ntticc.or.jp)にてお知らせします。
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