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News Release 東日本電信電話株式会社

平成24年7月11日

「光タイムライン」診療情報連携システムの提供開始について

  • 東日本電信電話株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:山村雅之、以下「NTT東日本」)は、異なる医療機関の電子カルテ同士を時系列順につなぐことで、医療機関の間で情報連携を可能とする「光タイムライン」診療情報連携システム(以下「本システム」)の提供を開始いたします。
  • 本システムは日本で初めて、患者の既往歴や過去の診療内容等について、異なる医療機関の電子カルテに蓄積された情報であっても、連続して時系列順に結合して表示し、診療方針の確認をしながら、診療することが可能となるシステムです。今後、本システムが各地域の医療機関に導入されていくことにより、患者の方にとって、より良い医療を受診することができるようになるとともに、医療機関の運営が効率化され、医療費負担の軽減にもつながると考えられます。

1.開発背景

今日、我が国の医療分野において、医療の質の向上や持続的な医療の提供等のため、患者の治療を病院・診療所間で一体的に行う地域医療連携が重要になっており、その一つの解決策としてICTを活用した医療機関同士の診療情報連携の関心が高まっています。これを受け、NTT東日本は、平成23年6月より、地域の中核病院である社会医療法人財団慈泉会相澤病院様(長野県松本市、理事長:相澤孝夫)と連携先の診療所の間を「フレッツ光」を用いたVPNサービス「フレッツ・VPN ワイド」で接続し、各医療機関で異なる仕様の電子カルテに蓄積された診療情報を時系列で一つの画面に表示するシステムの運用トライアルを実施してまいりました。このたびトライアルにおける実地検証、品質向上を踏まえ、連携医療機関であれば患者の同意のもとに病歴・処方歴・検査歴などの診療情報を一目で把握できる「光タイムライン」診療情報連携システムとして、提供を開始いたします。

2.概要

(1)システム名称

「光タイムライン」診療情報連携システム

(2)提供モデル

  1. 「院内モデル」単一施設内で利用するモデル
  2. 「地域連携モデル」中核病院を中心に、近隣複数医療機関と接続して利用するモデル
  3. 「広域連携モデル」医療圏を跨ぎ、地域の複数医療機関を接続して利用するモデル

(3)提供方法

病院、または病院情報システムベンダ等へのシステム提供

(4)システム提供価格

400床規模病院の場合
ソフトウェア・ハードウェア・5ヵ年保守費を含めた合計
  1. 「院内モデル」約1,200万円(税込1,260万円)〜
  2. 「地域連携モデル」約2,500万円(税込2,625万円)〜
  3. 「広域連携モデル」個別相談
  • 詳細な価格につきましては病院規模や施設数により異なりますので、個別にご相談させていただきます。
  • 回線の利用料、通信料等は上記価格に含まれておりません。

(5)提供開始日

平成24年7月12日(木)より

3.主な特長

各医療機関でメーカーやベンダが異なる電子カルテに蓄積された診療情報を結合し、一つの画面に時系列で表示することにより、患者ごとの過去の診療情報を視覚的に表現します。医療機関の医師は、一覧で表示された過去の診療行為とそれに伴う患者の病態変化を、経時的かつ正確に把握することができ、それらを踏まえた治療計画の作成、さらには、症例研究への活用が可能です。

(1)「光タイムライン」ビューア (別紙1:画面イメージ参照

  • 長期にわたる診療経過を一目で把握でき、治療方針の確認をしながら診療することが可能。
  • 「日単位」「月単位」「年単位」など自在にズームイン・ズームアウトができ、瞬時に全体を俯瞰し、詳細を把握することが可能。
  • 参照したい項目をドラッグ&ドロップで自由に選択、管理したい項目だけを見やすく並び替えることが可能。

(2)BCP対策

診療情報をサーバー(SS-MIXストレージ)に蓄積しているため、災害時など万が一の場合でも、診療情報を「光タイムライン」ビューアにより閲覧することができ、電子カルテのバックアップとして活用することが可能。(別紙2:構成イメージ参照

(3)オープンでセキュアな環境

標準規格を採用することにより異なる電子カルテメーカーのシステムをセキュアに接続可能。
情報交換:HL7ver2.5※1、SS-MIX※2
情報流通プロトコル※3:SAML2.0※4、ID-WSF2.0※5

  • ※1厚生労働省グランドデザインで推奨されている標準規格
  • ※2「厚生労働省電子的診療情報交換推進事業」により定められた標準的な診療情報の交換(流通)方式
  • ※3本システムで使用する情報流通プロトコル(SAML2.0、ID-WSF2.0)は、NTT研究所が開発した、医療情報を安全に流通させるための機能を具備した医療情報連携基盤により実現
  • ※4標準化団体である「OASIS」により策定された複数サイトにおける認証手続きを一度に集約するシングルサインオンの仕組みや各サイトの認証情報を連携する仕組み、ユーザ情報の安全な交換の仕組みについて規定
  • ※5ユーザ認証技術の標準化団体「Liberty Alliance Project」により策定された、サイト間でユーザの属性情報を安全に交換する方法を定めた国際標準規格のプロトコル

4.今後の展開

NTT東日本では、本システムの拡販を通じ、診療情報連携の普及に寄与していきたいと考えております。

また、今回提供するシステム提供型に加え、今後NTT東日本のクラウド基盤を利用したクラウドサービスのメニュー化を検討していく考えです。

参考

本システムは、国内最大級の保健医療福祉分野の展示会「国際モダンホスピタルショウ2012」(7月18日〜20日)にNTTグループとして出展する予定です。

また、NTT東日本品川ショールーム(東京都港区港南1-9-1 NTT品川TWINSビル1階)に常設展示していますので、見学の際は下記までお問い合わせください。

<お問い合わせ先>
東日本電信電話株式会社 ビジネス&オフィス事業推進本部
ビジネス営業部 医療・ヘルスケアビジネス担当
電話 03-6803-9004

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現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。