平成22年3月4日
東日本電信電話株式会社
平成22年1月25日に宮城県柴田郡にて、当社所有の電柱における東北電力株式会社(以下、東北電力)による電力線移設作業中、当該電柱が折損し通行中の一般車両の上に倒れ、車両を運転している一般の方が怪我をされる事故が発生いたしました。
あらためて、負傷された方及びご家族、ご関係の方々に心よりお詫び申し上げますとともに、一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
この事故に関連し、当社は総務省から平成22年2月4日に電気通信事業に使用する電柱の点検状況等に関して報告を求められておりましたが、本日報告を行いましたのでお知らせいたします。
平成20年度末時点における当社管内の電柱本数については約567万本となっており、計画的な点検、建替により安全の確保に努めている。当社の電柱の一部においては、内部に雨水等の影響で腐食が進みやすい鉄筋を用いた電柱(以下、管理対象柱)が存在し、本管理対象柱については、3年周期の点検を基本とし、点検結果に基づいた計画的な建替を行っている。平成19年度当初から今年度末までに約26万本を建替する予定であり、平成21年度末の保有数は約56万本を見込んでいる。また安全性の確保に向け、引き続き計画的な点検・建替を行い、平成34年度末までには全数の建替を完了する計画。
平成19年度以降15件の折損事故が発生している。
なお、人身事故は今回が初めてである。
平成22年1月25日(月)午前9時50分頃、当社保有の管理対象柱の建替工事に伴い、電力線を既存柱から新設柱へ移設する工事(東北電力発注工事)の中で、高圧ピン碍子のバインド線※1(両外線2本)を外した際に、架渉されているケーブル張力の合力が電柱の保有する強度を超えたことが原因と想定される。これに至る要因については以下に挙げる2つが考えられる。
当該管理対象柱については、調査結果により設計強度は満たしていたと推定される。また、移設作業前において各事業者間で張力の均衡が保たれていたと考えられるが、当該管理対象柱に対し当社と東北電力の間において、移設作業時に発生し得るケーブル張力による不平衡を解消する安全措置(仮支線の設置など)に関する事前打合せが不十分であった。
通常、電線移設作業時においては、新旧柱を捕縛すること、またはクレーンによる旧柱の吊上げなどにより倒壊を防止することが望ましいが、そうした倒壊防止措置に関する当社と東北電力との間の事前打合わせが不十分であった。また、東北電力及びその工事会社で不平衡荷重の発生する場合の工事手順に対する検討を行うこととはしていなかった。
東北電力管内においては、管理対象柱建替工事における移設作業前の安全措置については、当社と東北電力の双方が確認した上で、電柱所有者(当社)が実施することとし、その運用は次のとおりとする。
東北電力は、当社の移設作業前の安全措置の検討状況および実施状況について報告を受け、その内容を確認した後に、必要な倒壊防止措置を講じたうえで電力ケーブル移設等工事を行うこととする。
また、東北電力以外の電力各社においても、現行の管理対象柱建替工事における運用ルールを平成22年3月末までに再確認することで、ルールの明確化を図ることとする。
運用ルールの実施状況および移設作業前の安全措置ならびに倒壊防止措置の実施状況について適宜確認する。
以上