デジタル人材認定者の
活躍事例

AI/データサイエンス分野に認定されている3名のAIにかける思いをインタビュー

NTT東日本のAI/データサイエンス分野の
デジタルエキスパート認定者
左から柴田高志、河添裕介、野奨太

AIやデータサイエンスは、単なる技術トレンドではなく、社会やビジネスのあり方そのものを変えつつあります。
今回は、AI/データサイエンス分野で活躍する3名に、AIに取り組む理由や仕事への思い、そしてこれからの展望について話を聞きました。

河添裕介AI×人材育成、社内外でAI普及に取り組む

NTT東日本はAIの内製化に先んじて取り組み、専門チームを立ち上げてきた。創設から約10年にわたりその取り組みを牽引してきたのが、ビジネス開発本部CXビジネス部データ共創担当の担当部長・河添裕介である。

帯広畜産大学の客員教授としてAI活用を講義
帯広畜産大学の客員教授としてAI活用を講義

入社以来、先端技術動向を追い続けてきた河添は、AI内製化チームの組織立ち上げを任される。「AI技術は急速に進歩し、今後多くの事業に活用されていくことになると考えた。何もないところからの立ち上げは大きなチャレンジだったが、チャンスだと思って何よりワクワクした」と振り返る。チーム立ち上げにあたり、自身もこの分野の第一人者となるべく必死に勉強することからスタートした。AIは技術特性上、着手段階で結果(精度)がわからないため、内製化によって失敗も糧にしながら社内に技術を蓄積する。その積み重ねが将来の競争優位性につながると考え、チームを成長させてきた。

内製化を軸に組織づくりを進める中で特に注力したのが人材確保である。当初は自ら大学の研究室を訪れAIに素養のある学生を探し求めたが、一人で人材確保に奔走することに限界を感じ、持続的に人材を採用する仕組みとしてデジタルインターン制度を設計し組織的な取り組みへと発展させた。10年前3人だった組織は、現在約30人へと拡大。KaggleMasterや統計1級等を保持するハイクラス技術者を抱える組織を形成するに至った。

またAIを実際のビジネス価値へとつなげるため、案件創出にも注力。組織立ち上げ4年目に資格試験における不正検知AIの開発で社長表彰を受賞した後も、一次産業分野でのDX案件の推進やデータ活用を通じた営業手法改革等、AI活用の幅を広げてきた。

AIによって競争優位性と生産性を高めるためには、高度な専門性を備えたハイクラス技術者の育成と、AIを業務で当たり前に活用できるAI活用人材の育成の両輪が必要だと河添は語る。前者は世界最大級のデータ分析コンペKaggle等の称号獲得や高難度資格の取得を目指す施策を推進し、後者は「誰でも・気軽に・楽しく」AIを語る社内最大のコミュニティ責任者としてAIの普及に努めることで、まさに両輪を回している。また4年前から帯広畜産大学の客員教授としてAI活用の講義を実施したり、社外セミナーに登壇したりと社内の人材育成にとどまらず、産学連携・対外発信へと活動領域を広げている。

10年にわたり積み重ねてきた活動と作り上げてきたAI人材基盤は、NTT東日本がAI時代において持続的に競争力を発揮していくための礎となっている。

※本記事の内容および所属・役職は取材当時(2026年2月)時点のものです。

帯広畜産大学の客員教授としてAI活用を講義
帯広畜産大学の客員教授としてAI活用を講義
河添裕介の詳細プロフィール

野奨太研究を超えて、AIをビジネスへ

生成AIの進化により、AIを研究にとどめず、社会実装へとつなげていく役割の重要性がこれまで以上に高まっている。その最前線でAIの実用化を推進しているのが、NTT東日本先端テクノロジー部の研究開発マネージャー野奨太だ。

マルタ島で行われたEDB Sales Kick offに登壇
マルタ島で行われたEDB Sales Kick offに登壇

野は、ネットワーク保守業務からキャリアをスタートし、サービス開発部門を経て研究開発部門へと歩みを進めてきた。「AIは次の主流になる」と感じたことをきっかけに、資格取得をはじめとした学習を重ね、AI分野への取り組みを本格化させていった。

サービス開発部門時代には、商用サービスへの展開を経験する一方で、課題も感じていたという。それは、お客様が直接触れない部分に多くの工数が割かれているという運用構造だった。その後、NTT東日本で初めてコンテナ技術を導入し、運用構造の改善に成功。この経験を通じて、「技術をコントロールすることで、提供できる価値は大きく変わる」という実感を得たことが、現在の取り組みにつながっている。

現在は、生成AIの業務活用に向け、AIエージェントを含む関連技術の評価・適用検討を推進している。また生成AIの運用課題に対しても、AIモデルの開発にとどまらず、これまでのキャリアで培ったクラウド領域の専門性を活かし、サーバ設計を含めた実行環境の構築まで担えるのが野の大きな強みだ。

野が重視している考え方の一つが「カスタマーゼロ」である。NTT東日本には、社会インフラを支える幅広いネットワーク・運用基盤と、大規模かつ多様な業務環境がそろっており、それ自体が実証フィールドになる。AIを実運用の中で検証・改善しながら磨き上げ、社内で価値として成立させたうえでお客様へ展開することで実績を踏まえた提案が可能になるという。

今後は、AIの活用領域を広げることに加え、顧客接点におけるAI活用の本格展開にも挑戦していきたいと語る。また、通信分野へのAI活用にも強い関心を持ち、安定運用を支えるモニタリングやオペレーション高度化にAI技術を組み合わせることでお客様に新たな価値を提供していくことを目指している。

野は、お客様への価値提供の鍵は社外発信と他社との連携にあると考え、自ら積極的に外部とのつながりを築いてきた。NTT東日本のAIに関する認知度向上と実績づくりに取り組むと同時に、マネージャーとしてメンバーの育成にも力を注いでいる。メンバーが開発経験を積み、裁量を持って新たな挑戦ができる環境を整えること、そしてAIの進化が速いからこそ、自らも手を動かし続ける姿勢を示すことで、チーム全体の成長につなげたいと語る。

AIを「作る」だけでなく、「価値として届ける」。研究から実装へ、そしてビジネスへ。AIを実際の価値へと変える野の挑戦は、これからも続いていく。

※本記事の内容および所属・役職は取材当時(2026年2月)時点のものです。

マルタ島で行われたEDB Sales Kick offに登壇
マルタ島で行われたEDB Sales Kick offに登壇
野奨太の詳細プロフィール

柴田高志AIを軸にキャリアを切り拓く―専門性で未来をつくるSG人材ー

NTTグループでは2023年から、専門性を軸にキャリアを築く人材を育成する「スペシャリストグレード(SG)制度」を導入している。その中でNTT東日本においてSGを選択し、AI分野で新たな挑戦を続けているのが、先端テクノロジー部でマルチモーダル研究プロジェクトをリードする柴田高志だ。

マルチモーダル研究会メンバーとの集合写真(写真中央:柴田さん)
マルチモーダル研究会メンバーとの集合写真(写真中央:柴田さん)

「ドラえもんの世界は、本当に実現できるかもしれない」
幼いころからアニメやロボットが好きで、未来の技術が人を助ける世界に強い憧れを抱いていたという。実際、学生時代はロボットの研究開発に取り組んでいた。

柴田がAIと本格的に出会ったのは、入社8年目にロボット施策に関わったときだった。遠隔地での作業自動化を目指し、ロボットと、当時はまだ珍しかったAI技術を組み合わせる取り組みに挑戦。AIを組み込んだ瞬間、「ロボットが息を吹き返したように感じた」という。その体験を通じて、AIによってまったく新しい価値が生まれることを実感し、このときに得たワクワク感が、その後のキャリアの原動力となった。

以来、「AIをとことん追求したい」という思いを胸に、AI人材として専門性を磨く道としてSGを選択。現在は、テキストや画像など複数の情報を組み合わせて理解・判断するマルチモーダルAIの研究プロジェクトをリードし、より人間に近い知能の実現を目指した次世代AIの研究に取り組んでいる。

柴田が語る、NTT東日本でAIキャリアを歩む魅力の一つが、AI開発に不可欠な豊富なデータと研究環境だ。さらに、営業部門と連携しながら、お客様の課題解決に直接向き合える点も大きいという。「NTT東日本には、AIキャリアを本気で追求できるチャレンジの土壌がある」と話す。

社内での研究にとどまらず社外コンペにも積極的に参加。昨夏は東京AI祭ハッカソンに参加し、参加チームの中で最高位となるMain PrizeのW&B賞に加え、Sponsor PrizeのGMO GPUクラウド賞をダブル受賞するなど、挑戦の場を社外へと広げている柴田。「AIにはまだ無限の可能性がある。だからこそ、これからも追い続けたい」。幼いころに描いた未来へのワクワクは、いまAIという形で、社会課題の解決へとつながり始めている。

※本記事の内容および所属・役職は取材当時(2026年2月)時点のものです。

マルチモーダル研究会メンバーとの集合写真(写真中央:柴田さん)
マルチモーダル研究会メンバーとの集合写真(写真中央:柴田さん)
柴田高志の詳細プロフィール

AIと共に、新しい価値を創る。

3名のインタビューから見えてきたのは、それぞれがAIに対する思いを持ち、人材育成、研究開発、ビジネス実装、キャリア開発に変化を恐れず挑戦し続ける姿勢でした。NTT東日本グループは、こうした挑戦を原動力に、これからもAIで新しい価値を創造していきます。