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第84回都市対抗野球大会 東京都代表決定戦がついに開幕した。過去2年、準優勝、ベスト4ともう一歩のところで悔し涙を流してきたNTT東日本ナインが見据えるのはただひとつ、日本一だけ。鍛え抜かれた男たちはいま、悲願の黒獅子旗獲得に向けて力強い一歩を踏み出した。
2本の二塁打を放ち存在感を示した5番・平野。
独特の緊張感が漂う代表決定戦の初戦、垣野監督がまっさらな先発のマウンドに送り出したのは黒田だった。本大会11年連続出場を誇るベテラン右腕は、その指揮官の期待にしっかりと応えてみせる。一回表、ふたつの三振を含む三者凡退という素晴らしい立ち上がり。「黒田がきっちり放ってくれて、野手を安心させてくれた」。垣野監督が称賛したエースの好投は、攻撃陣にも勢いを与えた。
一回裏、NTT東日本打線は先頭・目黒が四球で出塁し、すかさず二盗を成功する。さらに岩本が相手のエラー、越前がヒットで続き、一死満塁と絶好のチャンスを迎えた。これで対戦相手は動揺し、バッテリー間にミスが出る。相手のミスを逃さない鮮やかな先制攻撃で、NTT東日本は一気に3点を先取した。NTT東日本打線は、なおも攻め手を緩めない。三回裏には右中間を破る三塁打を放った岩本が、平野のツーベースで生還。リードを4点に広げる。
好投する投手陣を、バックも好守で盛り立てた。
エースが抑え、打線も機能。序盤から投打が噛み合ったNTT東日本は、その後もソツのない戦いを見せる。黒田が3回を無失点に抑えると、四回から登板した西が六回までの3イニングを被安打ゼロの無失点と完璧に近いピッチングを見せる。新人左腕の快投は序盤、やや硬さの見られた打撃陣を大いに活気づけた。
六回裏、「フルスイングしていけ」と垣野監督に送り出された9番・上田が、積極果敢にバットを振り抜くと、打球は美しい孤を描きレフトスタンドに飛び込む。ベテランの本塁打にNTT東日本ベンチは一気に盛り上がった。そして七回裏には越前、平野の連打から矢島が犠牲フライを放ち、ダメ押しとなる6点目を奪う。
投手陣が試合のリズムを作り、打線が応える。理想的な流れに守備も乗った。七回表には、それまで軽快な守りを見せていた三塁手・矢島が、ライン際への痛烈な当たりを横っ飛びで好捕。素早く起き上がり、矢のようなスローで打者走者を刺す。二塁打かと思われた当たりをアウトにする超ファインプレー。今年のスローガン「勝利への執念」を体現する矢島のプレーに、大田スタジアムは拍手と喝采に包まれた。
完璧なリリーフを見せた新人・高木。
終盤に入っても、NTT東日本はまったく隙を見せなかった。
七回、二番手の西からバトンを受けた森山は、2イニングをヒット1本に抑える好投。そして6対0で迎えた九回表、最後のマウンドに上がった新人・高木が恐るべき投球を見せる。
「どうやってマウンドに行ったのか憶えていないくらい、緊張しました」と語った若武者は、その言葉が嘘のような大胆なピッチングを見せた。捕手・上田が構えるミットに140キロを超える剛速球を次々と投げ込み、相手打線の上位打線を三者連続三振に切って取る。大田スタジアムのスコアボードに「147キロ」が表示されたときには、観客席から大きなどよめきが起こった。
4人の投手が相手打線を2安打に抑える完璧な継投。NTT東日本は初戦から「投手王国」健在を存分に印象づけた。垣野監督も投手陣の充実ぶりに手応えを感じていた。
「新人の西、高木は合格点。次の登板が楽しみになった。森山にしても、低めへのコントロールに取り組んできた成果がしっかりと出た。これで使える目途が立ったよね」
「難しい」といわれる代表決定戦の初戦で、NTT東日本は会心のゲームをやってのけた。この勝利は、選手たちが日に日にたくましさを増していることを物語る。一昨年、そして昨年の悔しさを忘れず、鍛錬を続けてきた成果が早くも初戦で実を結んだのだ。明日、5月25日に行なわれる2回戦でも、NTT東日本は必ずや勝利を手にするに違いない。