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1.NTT東日本の被害並びに復旧への取り組み状況

(1) 通信設備の被害状況

現時点での主な通信設備の被害状況は以下のとおりです。

  1. <1>中継伝送路
    • 90ルート断
  2. <2>通信建物
    • 全壊:18ビル
    • 浸水:23ビル
  3. <3>電柱流出、折損
    • 約6.5万本(沿岸部)
  4. <4>架空ケーブル流出、損傷
    • 約6,300km(沿岸部)

※上記<2>〜<4>の数値は、実地調査の結果、平成23年11月28日より変更となっております。詳しくはNTT東日本ホームページ『東日本大震災における復旧活動の軌跡』(https://www.ntt-east.co.jp/info/detail/pdf/shinsai_fukkyu.pdfPDF[2.83MB])の7ページをご覧ください。

(2) 通信設備(通信ビル内設備、通信ビル間伝送路)復旧への取り組み

  1. <1>これまでの取り組み

    地震・津波の発生後、約1,000の通信ビルで商用電源の途絶や装置故障が発生する中、非常用バッテリーや発電機、移動電源車による電力供給等を図りましたが、通信ビルの機能停止により、3月13日には加入電話、ISDN、フレッツ光合計で最大約150万回線がご利用いただけない状態となりました。

    こうした中、これまで弊社は、NTTグループ各社や通信建設会社の応援も得て、総勢約6,000人体制で通信サービス復旧活動を行ってきた結果、商用電源の回復とも相まって約95%の通信ビルで機能回復し、機能停止しているビルは3月28日13:00現在で55ビルとなり、り障回線数も約11万回線にまで減少しました。

    通信サービスり障回線数

    単位:回線

    サービス 3月28日13:00 3月13日13:00
    加入電話 81,500 898,100
    ISDN 7,500 108,100
    フレッツ光 23,300 512,700
    112,300 1,518,900
    • (注)お客様宅と通信ビル間の回線切断等による影響数は含みません。
  2. <2>サービス中断中の通信ビルの被災状況等

    3月28日時点でサービス中断中の通信ビル(55ビル)の被災状況及び復旧見通しは以下のとおりです。

    被災の程度 ビル数 復旧方法 復旧目途
    A ビルの被災は小さいが、浸水等により電力設備が損傷 16 電力設備の取替、通信設備の調整、故障部品の取替等 来週半ば
    B 橋梁の落下等により、中継伝送路が著しく損傷 4 ケースAに加え伝送路再構築
    (迂回ルートの構築、再建柱)
    4月中旬
    C 通信局舎・通信設備の全壊、中継伝送路の著しい損傷等 26 局舎建設、交換機設置、道路復旧後の伝送路再構築等 4月末を目指すが、ケースにより遅れることも想定される*
    D 福島原発エリア 9 避難指示解除後、状況確認の上、必要な措置を実施 未定
    • *復旧時期が明確になった時点で、別途お知らせします。

    また、被災の程度が「C」で、当該ビルエリア内に自治体等行政機関の主庁舎が所在する場合は、原則一週間を目途に応急措置を行い、行政・重要回線を復旧させます(5ビル)。

    サービス中断中のビルの復旧見通し
      来週半ば 4月中旬 4月末目途* 未定
    岩手 岩泉エリア 1ビル   1ビル  
    宮古エリア 2ビル   1ビル  
    釜石上中島エリア 2ビル   1ビル  
    大船渡エリア 11ビル   2ビル  
    宮城 気仙沼エリア   2ビル 4ビル  
    石巻・牡鹿半島エリア     15ビル  
    仙台松島エリア     2ビル  
    福島   2ビル   9ビル
    合計 16ビル 4ビル 26ビル 9ビル
    • *4月末を目指しますが、ケースにより遅れることも想定されます。
      復旧時期が明確になった時点で、別途お知らせします。

(3) 通信設備(所外設備)復旧への取り組み

電柱や通信ケーブルなど所外設備については、地震及び津波により、多くの被害が出ました。震災直後は立入禁止区域の設定や交通規制の実施等により、所外設備の点検が困難な状態でしたが、規制の解除に応じて、ヘリコプター等も用いた状況確認を実施しており、今後は被災状況や街の復興状況に合わせてサービス復旧を進めていきます。

(4) 復旧等の体制

地震発生後、直ちに本社に災害対策本部を設置するとともに、被災県域にも災害対策本部を立ち上げ、24時間密接に連携できる体制を構築し、総勢約5,000人体制で被災状況の把握、復旧への取り組みを開始しました。
中でも被害の大きい岩手・宮城・福島の3県については、広域支援体制を構築し、本社や他支店から社員を派遣するとともに、 NTT西日本を始めとしたNTTグループ各社からも応援を受け、さらには通信建設会社も加わり、現在は総勢約6,000人体制で復旧に努めています。

(5) 被災者支援の取り組み

  1. <1>災害用伝言ダイヤル等の提供

    被災者の連絡手段として、地震発生直後より「災害用伝言ダイヤル(171)」及び「災害用ブロードバンド伝言板(web171)を提供しています。3月28日13:00時点でのご利用件数(累計)は、171が約317万件、web171が約24万件です。

  2. <2>無料公衆電話の設置等

    被災者の通信確保のため、避難所等に特設公衆電話(無料)を738ヶ所2,308台設置(3月28日12:00現在)しており、自治体からご要望いただいているほぼ全ての箇所に設置を完了しております。

    また、震災後直ちに、東北6県全域での公衆電話無料化を実施。3月11日19時には東日本全域12.2万台の公衆電話の無料化を実施しました。通話規制の解除等を踏まえ、現在は岩手県、宮城県、福島県において無料化を継続中です。

  3. <3>電話料金の減免等

    震災により実態的に電話やブロードバンドサービス等が利用できなかったお客様について、その期間の基本料金や仮住居等への移転工事費の無料化、電話料金等の支払期限の延伸を行います。

  4. <4>その他
    • 避難所等への無料インターネット接続コーナーの設置

      12都道県(138箇所)の避難所等に無料インターネット接続コーナーを設置しています。(うち63箇所はWi-Fi環境)

    • 被災地域の方からの伝言お預かり活動

      NTT東日本の社員等が被災者からお預かりした伝言を、被災者に代わり家族等へ伝達し、不在の場合は災害用伝言ダイヤル等に代理で登録する活動を行っています。