
30年を振り返る。
トライアスロンと
NTT東日本グループの歩み
「地域密着型イベント」
として
はじまった日本の
トライアスロン

1990年に電話事業100周年を迎えたNTTは、当時「地域密着型イベント」として注目されていた、日本では新たなスポーツ「トライアスロン」をサポートすることとなりました。北は北海道から南は九州まで、それまで日本全国で開催されていた有力な大会を全11大会のシリーズ戦にまとめ、協賛大会として支援を開始。大会タイトルは「NTTトライアスロンサーキット」。多くのアスリートがサーキットチャンピオンをめざし、大会に参加しました。
1994年のトライアスロン競技オリンピック参入決定を受け、1996年には「NTTトライアスロンサーキット」から、より競技志向の高い国内シリーズ戦「NTTトライアスロンジャパンカップ」へと発展しました。さらに1998年には日本トライアスロン連合が日本オリンピック委員会に加盟。トライアスロンは競技として広く認知され、競技人口の拡大に拍車がかかりました。

「地域」から「世界」へ。
広がるすそ野、高まる
競技力

1999年にNTTは分社化し、トライアスロンの支援事業はNTT東日本・NTT西日本がそれぞれ継続することとなりました。2002年「JTUエイジグループポイントランキング」がはじまります。トライアスロン選手たちが全国の多くの大会でポイントを競い合うこのランキングによって、トライアスロンの魅力がさらに多くの人に伝わることになり、NTT東日本・NTT西日本の支援テーマも、「地域スポーツ振興への寄与」が一層重視されるものとなりました。
そんな中、2006年にカタールで開催されたアジア競技大会で、トライアスロンが正式競技として採用されます。この大会で女子は上田藍選手が2位、関根明子選手が3位と日本人選手2名が表彰台にのぼる快挙を達成。男子も山本良介選手が4位、田山寛豪選手が5位の成績を残し、日本の実力を証明しました。さらに2007年、NTT東西所属選手である田山寛豪選手が、イスラエル/エイラート大会で、日本人初となるワールドカップ優勝を果たします。「日本のトライアスロン」の競技力向上が結実した瞬間でした。
その後、田山寛豪選手は、東京・お台場で開催される「日本トライアスロン選手権」で前人未到の11回の優勝を果たすなど、日本におけるトライアスロンの強化・普及に大きく貢献しました。

世界に認められた
「日本のトライアスロン」

2009年、横浜市の開港150周年記念事業としてトライアスロンの世界最高峰の大会「ワールドトライアスロンシリーズ横浜」が開催され、NTT東日本グループも協賛会社として大会開催を支援しました。この大会はNTT東日本がトップパートナーとなって現在まで続いており、今では国際的に確固たる地位を築きあげています。
2014年にはアジア競技大会仁川大会で日本人選手が表彰台を席巻します。女子は上田藍選手が優勝、井出樹里選手が2位。男子は細田雄一選手が優勝、田山寛豪選手が2位の成績を収めました。さらに男女計4名から構成されるミックスリレーも日本チームが優勝、「日本のトライアスロン」が世界に認められるようになりました。世界の競技レベルに対応するため、2015年にエリートカテゴリー(トップ選手が出場する大会カテゴリー)である「ジャパンカップ」のあり方を見直し、新たに「NTTジャパンランキング」をスタートさせます。2016年にはNTTグループがITU世界トライアスロンシリーズ、ASTCトライアスロンアジアアップシリーズのグローバルスポンサーとなり、ワールドトライアスロンシリーズをサポート。NTTグループも日本から世界のトライアスロンへと支援の輪を広げていきました。
そして、2012年には「ワールドトライアスロンシリーズ横浜」においてパラトライアスロン大会が国内で初めて開催され、トライアスロンの社会的意義はますます大きなものとなりました。
こうした取り組みが結実し、1990年には年間約120大会、参加者は約9万人だった国内トライアスロンも、2024年には年間約330大会が開催され、約37万5千人が参加するまでに成長しました。

今あらためて問いなおす、
トライアスロンの「価値」

2020年には世界的なパンデミックにより多くの大会が中止となる中「今、トライアスロンにできること」をキャッチフレーズにスポーツによる地域支援活動を展開します。この取り組みは地域とのつながりの大切さと、トライアスロンという競技が持っている「地域の人々の健康づくりに寄与し地域経済を活性化させる」価値をあらためて見直すことのできる機会となりました。
NTT東日本グループの技術力を活かして大会運営や競技力の向上を支援する取り組みもはじまっています。2023年の「ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会」、「佐渡国際トライアスロン大会」において、GPSトラッキングシステムを活用した選手位置情報把握の実証実験を行うなど、競技運営の安全性と観戦の魅力を向上させる新たなサービスを提供しています。

これからも
「地域とともに歩む」
トライアスロンへ

NTT東日本グループではトライアスロンを通じて地域コミュニティを活性化し、その価値を高める活動への積極的な支援をしています。2011年に横浜大会で初めて実施され、現在も継続している環境啓発イベント「Green Triathlon」は、トライアスロン大会開催地で大会参加者や運営ボランティアが清掃活動を行うことで環境への意識を高める取り組みです。また「健康支援事業」では、競技で得た知見を活用し、地域の人々が健康で暮らすことのできるよう、生活習慣へのアドバイスやトライアスロンを活用した運動プログラムを指導しています。
「子どもたちへのスポーツ支援」では、地域の子どもたちがスポーツに興味を持ち、楽しさ、感動に触れること、またさまざまな障がいへの理解を深め「共生社会」について考えてもらうことを目的に、オリンピアン・パラリンピアンが学校を訪問し、講演やパラトライアスロン体験などを実施しています。
私たちはNTT東日本グループのパーパスである「地域循環型社会の共創」のもと、トライアスロンへの支援を通じ、これからも地域への貢献を推進してまいります。
監修:公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)
© Satoshi TAKASAKI / Shugo TAKEMI /Japan Triathlon Media
