「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」出品作家プロフィール

坂本龍一

Strangeloop Studios

カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするマルチメディア・スタジオ。これまでにフライング・ロータス、ザ・ウィークエンド、ボノボなどのビジュアル・ショーを担当。また、ミュージック・ビデオの監督、没入型インスタレーションの制作、バーチャル・コンサートのクリエイティブ・ディレクション(WaveXRとのコラボレーション)なども手がけている。2020年、バーチャル・アーティスト・プロジェクト「Spirit Bomb」を立ち上げ、デジタル・キャラクターのリアルタイム技術を開発。直近では、エリカ・バドゥの2023年ツアーの業績により、Parnelli賞にノミネートされた。

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高谷史郎

1963年生まれ。1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり、世界各地の劇場や美術館、アートセンターで公演/展示を行う。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。パフォーマンス《明るい部屋》(2008)、《CHROMA》(2012)、《ST/LL》(2015)を制作。東京都写真美術館での個展(2013)等。2018年、ダムタイプ初の大規模個展「DUMB TYPE | ACTIONS + REFLECTIONS」が、ポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で、その後、東京都現代美術館(2019 ‐ 20)で開催。2021年、坂本龍一+高谷史郎《TIME》をオランダ・フェスティバルで世界初演。2022年、ダムタイプは坂本龍一を新メンバーに迎え、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館で新作インスタレーション《2022》展示。同年、ハウス・デア・クンスト(ミュンヘン、ドイツ)でダムタイプ個展。2023年ヴェネチア・ビエンナーレ帰国展「ダムタイプ|2022: remap」 をアーティゾン美術館(東京)で開催。同年、「ダムタイプ|AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix」をICCで上演。2024年2月、新作パフォーマンス《Tangent》をロームシアター京都で初演、3月から4月にかけて《TIME》を新国立劇場(東京)とロームシアター京都で上演予定。

ダムタイプ

ダムタイプは、1984年京都市立芸術大学の学生を中心に、演劇、ダンス、映像、美術、音楽、デザイン、建築など異なる領域の出身者によって結成されたマルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団。映像、音響、コンピュータ制御された舞台装置といった要素を用いて、情報化社会やジェンダー、エイズなどをめぐる問題、生と死の境界、記憶といったテーマを、領域横断的なパフォーマンスや、インスタレーションによって世界各地で公演、展示を行ってきた。

ICCでは、1995年の「on the Web ネットワークの中のミュージアム」への参加、1997年のICCのコレクション作品 《installation OR》、2002年の個展「dumb type Voyages」など、そのほか高谷史郎をはじめ、各メンバーも多くの企画を行っている。

2018年には、個展「DUMB TYPE | ACTIONS + REFLECTIONS」が、ポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で、その後2019年から 2020年にかけて東京都現代美術館で開催され、2020年3月には、新作パフォーマンス《2020》をロームシアター京都で制作した。2022年、ダムタイプは坂本龍一を新メンバーに迎え、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館で新作インスタレーション《2022》展示。同年、ハウス・デア・クンスト(ミュンヘン、ドイツ)で個展。2023年ヴェネチア・ビエンナーレ帰国展「ダムタイプ|2022: remap」をアーティゾン美術館(東京)で開催など、国内外で活動を続けている。

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カールステン・ニコライ

1965年カール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)生まれ。音楽、アート、科学を横断する領域で活動するサウンド&ビジュアル・アーティスト。これまでに、ドクメンタX、第49回および第50回ヴェネチア・ビエンナーレをはじめとする国際美術展や主要な美術館に出品している。音楽活動上の別名であるalva notoとして、ニューヨークのグッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館、パリのポンピドゥ・センター、ロンドンのテート・モダンでパフォーマンスを行う。サウンド・アーティストとしては電子音楽の領域で活動し、レーベル「raster‐noton. archiv für ton und nichtton」を共同で設立している。2015年に音楽を手がけたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督『レヴェナント:蘇えりし者』でゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞、グラミー賞、クリティクス・チョイス・アワードにノミネートされた。現在はドレスデン美術大学でデジタル&タイムベースト・メディア専攻の教授を務める。

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404.zero

A/Vアーキテクトとツールメーカーのデュオ。数学、コーディング、音の科学の専門知識を必要とするジェネレイティブ・アートで、精神に作用する体験を作り上げる。コーディングとモジュラーギアを使用して、映像と豊かなサンプルフリー言語の限界を押し広げ、魅惑的なデジタルマテリアルを創り出す。死、未知なるもの、宇宙への抑えがたい憧れを出発点として、哲学的な大きな問いに挑み、スリリングで精密、絵画的なコード・アートを作り上げる。

2人は視覚と音響の相乗的な可能性を高める、現代ジェネレイティブ・アートと革新的なツールを創作。2016年にモスクワのマーズ・コンテンポラリー・アート・センターで出会って以来、数々の没入型プロジェクトでコラボレーションし、モジュラーミュージック、生成ビジュアル、メディア制作ツールなど、常に新しいことへの挑戦を続けている。ロシア、ドイツ、インドネシア、アメリカ、ペルーの多くの国際フェスティバルや展示会に参加。Dark Mofo、MUTEKフェスティバル、GAMMAフェスティバル、エレクトリック・キャッスル・フェスティバル、LACMA、モスクワ・プラネタリウム、オーフィウム・シアターLAなど。また、404.zeroの作品は、第21回文化庁メディア芸術祭アート部門 審査員推薦作品に選出されたほか、Genius Loci Weimaフェスティバル、IMAPフェスティバルで受賞した。

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カイル・マクドナルド

ロサンゼルスを拠点に、テクノロジーと人間性の交差点を探求するアーティスト、研究者、教育者。インタラクティブで没入感のあるオーディオ・ビジュアル・インスタレーション、パフォーマンス、クリエイティブを探求する新しいツールを制作し、その過程で新しいコミュニティやコラボレーションを構築している。コンピュータ・ビジョン、機械学習、コンピューティングのテクニックを駆使し、私たちがどのようにつながり、共有する未来を想像していくかについて問う。

IDFA DocLab、LACMA、NEA、Schirn Kunsthalle、STRP Festival、ヴィクトリア&アルバート博物館、山口情報芸術センター [YCAM]などからのサポートやコミッションを受けている。また、アルス・エレクトロニカ、APAP、Art Center Nabi、Art Rock Festival、Alien Arts Center、Cornell、Day for Night、HeK、Hong Kong Arts Center、LLUM、Microwave、MU、NTTインターコミュニケーション・センター

[ICC]、Onassis Cultural Center、Science Gallery、Sónar、TodaysArtなど、国際的に作品を発表、ワークショップの指導、展示を行う。

自身のスタジオIYOIYOを通じて、テクニカル・ディレクター、クリエイティブ・ディレクターとしても活動。GoogleやSpotifyなどの企業や、クリス・ミルク、エドゥアルド・カック、エズ・デヴリン、ジョアニー・ルメルシエ、ワファー・ビラールなどのアーティストのために、サウンドと音楽を専門とする機械学習のコンサルティングを行う。

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真鍋大度

アーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマ、DJ。

2006年Rhizomatiks 設立。身近な現象や素材を異なる目線で捉え直し、組み合わせることで作品を制作。高解像度、高臨場感といったリッチな表現を目指すのでなく、注意深く観察することにより発見できる現象、身体、プログラミング、コンピュータそのものが持つ本質的な面白さや、アナログとデジタル、リアルとバーチャルの関係性、境界線に着目し、様々な領域で活動している。

坂本龍一、Bjork、OK Go, Nosaj Thing、Squarepusher、アンドレア・バッティストーニ、野村萬斎、Perfume、サカナクションを始めとした様々なアーティストからイギリス、マンチェスターにある天体物理学の国立研究所ジョドレルバンク天文物理学センターやCERN(欧州原子核研究機構)との共同作品制作など幅広いフィールドでコラボレーションを行っている。アルス・エレクトロニカにてDistinction Award、 カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルにてTitanium Grand Prix、 D&AD Black Pencil、 文化庁メディア芸術祭での優秀賞、大賞など国内外で受賞多数。

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毛利悠子

1980年生まれ。美術家。コンポジション(構築)へのアプローチではなく、環境などの諸条件によって変化してゆく「事象」にフォーカスするインスタレーションやスカルプチャーを制作。「第14回光州ビエンナーレ」(光州、韓国、2023)、「第23回シドニー・ビエンナーレ」(シドニー、オーストラリア、2022)、「アジア・アート・ビエンナーレ2021」(台中、台湾、2021)、「第34回サンパウロ・ビエンナーレ」(サンパウロ、ブラジル、2021)、「グラスゴー・インターナショナル2021」(グラスゴー、スコットランド)、「第9回アジア・パシフィック・トライエニアル」(ブリスベン、オーストラリア、2018年)、「第14回リヨン・ビエンナーレ」(リヨン、フランス、2017)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」(神奈川)など国内外の展覧会に参加。2015年、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティとして渡米。2018年に文化庁文化交流使東アジア文化交流使として中国に滞在。2022年、アンスティチュ・フランセ シテ・アンテルナショナル・デ・ザール2020 ローリエットとして渡仏。

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ライゾマティクス

技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、人とテクノロジーの関係について研究をしながらR&Dプロジェクトや作品制作を行うクリエイティブチーム。アーティスト、デザイナー、エンジニアで構成され、ハード・ソフトの開発からオペレーションまで、プロジェクトにおける全ての工程に責任を持つ。また、外部のアーティストや研究者・科学者などとのコラボレーションワークを通じ、カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表している。

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李禹煥

1936年、韓国慶尚南道生まれ。ソウル大学校美術大学に入学した後、1956年に来日し、1958年より日本大学文学部哲学科に学ぶ。1960年代には点や線による抽象画や錯視的でコンセプチュアルな傾向の作品を発表。1960年代末より台頭した戦後日本における重要な美術動向の一つである、「もの派」の中心的な作家として知られる。1969年に論考「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論に入選、1971年に刊行された論集『出会いを求めて』は、「もの派」を理論的に牽引する重要な文献となった。近年ではグッゲンハイム美術館(ニューヨーク、アメリカ合衆国、2011)やヴェルサイユ宮殿(ヴェルサイユ、フランス、2014)、ポンピドゥー・センター・メッス(メッス、フランス、2019)、国立新美術館(東京、2022)、兵庫県立美術館(兵庫、2022-23)で個展を開催している。2017年に坂本龍一と知己を得て、2019年のポンピドゥー・センター・メッスでの展覧会では、坂本に音楽を依頼。坂本のアルバム『12』(2023)ではジャケットのドローイングを手がけた。