1. 2024年5月23日更新

2023年4月3日に発生した通信サービスへの影響について

2023年4月3日(月)午前7時10分より、東日本の一部エリアにおいて、お客さまの光アクセスサービスおよびひかり電話等がご利用できない、またはご利用しづらいというサービス影響を発生させたことにつきまして、NTT東日本のお客さま、また関係者の皆さまに、多大なご迷惑、ご不便をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

NTT東日本は、重要インフラである通信サービスを提供する企業としての社会的責任を果たしてまいります。

通信機器メーカーでも認識していない不具合への対策として、これまで以上に通信機器メーカーとの連携を強化した検証を実施することで、装置不具合を洗い出す可能性を高めると共に、通信機器メーカーと共同で影響を限定化するための新たな仕組みを検討する等の取り組みを進めてまいります。

通信サービスの確実、安定的な提供に今後も努め、同様の事象を発生させることのないよう、再発防止に努めてまいります。

概要

発生事象 通信サービス(光アクセスサービス、ひかり電話等)において、ご利用できない、またはご利用しづらい事象が発生
影響時間 2023年4月3日(月)午前7時10分から午前8時53分(1時間43分)
※一部エリアのひかり電話の最終復旧時間:10時08分
原因 加入者収容装置のうち、特定の機種において、内部処理にソフトウェア不具合が内在しており、一定の条件が重なった場合に本不具合が発生【サイバー攻撃の痕跡なし】
サービス影響 影響エリア
北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、新潟県の一部エリア

影響数
最大35.9万回線(うち、ひかり電話 最大18.6万回線)

光コラボレーション事業者が提供する光アクセスサービス等についてもお客さまによりご利用できない、またはご利用しづらい状況が発生

対処・措置 本事象への回避策(本不具合の原因となった内部処理の設定変更)の有効性を確認し、加入者収容装置(対象機種全て)へ適用(4月10日完了)

通信サービスへの影響

光アクセスサービス・ひかり電話

影響エリア 最大影響回線数 影響時間 最大影響時間
  (再掲)
ひかり電話
東日本の一部エリア 35.9万回線 18.6万回線 7:10〜8:53
(※7:10〜10:08)
1時間43分
(※2時間58分)
  神奈川県 20.0万回線 10.9万回線 7:10〜8:53
(※7:10〜10:08)
1時間43分
(※2時間58分)
  東京都 9.4万回線 4.0万回線
  北海道 6.0万回線 3.5万回線 7:10〜8:53 1時間43分
  千葉県 0.3万回線 0.2万回線 7:10〜8:48 1時間38分
  埼玉県 0.3万回線 0.1万回線
  新潟県 0.1万回線 0.02万回線

※一部エリアのひかり電話(0.1万回線)の影響

発生事象と原因

発生事象

マルチキャスト受信において、複数の条件が重なったことに起因し、加入者収容装置(パケット転送部)が再起動を繰り返し、当該エリアの一部のお客さまの通信サービスがご利用できない、またはご利用しづらいという状況が発生。当該パケットの受信が停止したことで、サービスが順次復旧。

当社・通信機器メーカーによる解析の結果、加入者収容装置[該当機種]のマルチキャストの内部処理において、ソフトウェア不具合が内在しており、それが原因であることが、判明しております。

※“複数の”通信相手先を指定して行う通信で、大容量および多数の拠点へのデータ配信によく利用されます。なお、受信したマルチキャストパケットは、RFCに準拠しており、サイバー攻撃の痕跡はないことを確認しております。

RFC(Request for Comments):インターネット技術の標準化などを行うIETF(Internet Engineering Task Force)が発行している技術仕様などについての文書のこと

発生事象と原因のイメージ図

原因

大規模化した原因

  • マルチキャスト通信の特性上(一斉配信)、受信者を収容する複数装置にパケットが同報され、不具合が同時発生した
  • 特定の機種において、マルチキャスト通信の内部処理に通信機器メーカーでも認識していなかった未知の不具合が内在していた

長期化した原因

  • 同一のソフトウェア・設定内容での再起動が繰り返されたため、手動による再起動でも、正常化ができなかった
  • サービス影響範囲の特定は迅速に実施できたが、原因究明にあたって、一定の時間を要した

再発防止策

項目 内容 実施時期
今回のマルチキャストの内部処理不具合事象に対する対策 1.今回不具合が発生した内部処理を停止
2.マルチキャストを受信する他機種での事象確認
1.2023年4月7日実施完了
2.2023年4月27日実施完了
通信機器メーカーと新たな連携体制の構築 1.装置検証等において、通信機器メーカー(以下、メーカーという)と一体となり、リスク項目の洗い出しを強化
強化内容(例)
  • NTT東日本の利用実態を考慮したメーカーとの共同検証
  • 装置再起動を繰り返さないようにするための「フェールセーフ機能」等の共同検討

2.装置の機能実装等に関する適切な情報提供について、調達条件に反映

3.不具合発生時における迅速な対応に向け、メーカーとの情報連携(合同での訓練等)等の事前準備を強化

1.2023年5月より運用開始
2.2023年5月より運用開始
3.2023年5月より運用開始
社内におけるリスク評価体制の強化 検証内容の妥当性について、開発部門以外の第三者組織でリスク評価する体制を強化
(クオリティアシュアランス向上の取り組みを強化)
2022年11月体制確立済
マルチキャスト通信に関する検証の強化 マルチキャスト通信において、コンテンツ配信サーバーからの通信状況を確認する仕組みを導入、検証を強化 2023年7月より運用開始