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帰宅困難者への対応

大規模災害に備えて 大都市でのWi-Fi活用。安全に早く家族に会えるように。

東日本大震災により都市部では“帰宅困難”という課題が浮き彫りになりました。交通機関が麻痺し、主要ターミナル周辺は足止めされた人であふれました。その数は、東京・神奈川・千葉・埼玉など首都圏で500万人以上とも言われています。帰宅困難者が、安全に早く家族に会えるように、NTT東日本は行政と一体となった取り組みを始めています。

もしもの時、災害情報にスイッチする自治体&民間のWi-Fi網

災害発生時、通勤者や外国人を含む観光客は、地域住民に比べると避難場所や経路にうとくなりがちです。2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、さらに海外からの来訪者が急増する昨今、彼らの安全の確保と速やかな誘導も想定して、対策を検討する自治体が増加しています。“帰宅困難者”として避難所に滞留することは、地域住民の避難生活にも大きな影響を与えるからです。こうした課題を受け、NTT東日本では、帰宅困難者対策を検討する自治体にエリアWi-Fiの活用を提案しています。災害発生時にはインターネット接続を無料開放します。Wi-Fiを利用してインターネットなどにアクセスする際に、自治体の防災ページなどへ自動的に画面が切り替わることで、避難所の場所や被災状況をいち早く伝えられるようになります。その場合、登録手続きなしで自動接続出来るため、街中での情報伝達に非常に有効です。例えば、東京都渋谷区では幹線道路沿いと駅周辺にWi-Fiスポットを配備し、帰宅困難者の誘導を促す対策をいち早く行っています。
駅周辺にWi-Fiスポットを広げていくには、自治体だけでなく民間施設や店舗との協力体制も重要になります。例えば、カフェなどのWi-Fiスポットと提携することで、災害時の情報発信の場は格段と広がります。NTT東日本も自治体とともに民間協力を進め、まちぐるみの防災力強化に努めています。

災害時には自治体の災害情報へ自動的に切り替え

Wi-Fi 環境が整備されていることを示す目印。Wi-Fiの連携店舗は着実に増加

“もしも”に備え、災害時用公衆電話(特設公衆電話)を順次設置

商業施設や大型のビル、ホテルなどの民間施設を中心に、帰宅困難者の支援場所として機能させる取り組みを進めている自治体もあります。こうした臨時の避難所でも、安否確認や家族への状況報告などのために通信のニーズは必ず高まることが考えられます。そのためNTT東日本では、災害時用公衆電話の事前設置を進めています。

避難所における通信手段を確保すべく、災害時用公衆電話やインターネット接続コーナーを設置

コンビニの店舗が非常時に情報ステーションに変わる

日常生活において被災した人々が真っ先に頼るのがコンビニエンスストアではないでしょうか。東日本大震災でも帰宅困難者にとってコンビニエンスストアは大きな支えとなりました。NTT東日本は“大規模災害”に備え、セブン&アイ・ホールディングスと協業し、東京23区内の全店舗にあたる約1,300店舗へ災害時用公衆電話の事前設置を行っています。災害が起こった場合には、電話機を店頭に持ち出し、無料の公衆電話として機能します。さらに、すでに導入されているWi-Fiスポットの無料開放により、Wi-Fi環境も利用可能となり、帰宅困難者は、交通情報を得たり安否確認をしたりしながら移動することが出来ます。コンビニエンスストアが、いざという時の“情報ステーション”としての役割を果たすことになります。

セブン&アイ・ホールディングスと協業して災害時の体制を構築

“帰宅困難者対策訓練”の実践例

東京都と東京都千代田区は合同で、首都直下型地震により東京、飯田橋、四谷、秋葉原など各駅周辺に多数の帰宅困難者が発生したとの想定で、駅、商業施設、公共施設の管理者などが連携し、混乱の防止や安全確保を目的とした訓練を実施しています。一時滞在施設の開設や運営、要配慮者の搬送方法などについても想定された実践的なものです。NTT東日本も災害用伝言ダイヤル(171)および災害用伝言板(web171)による安否確認方法を体験出来るブースを展開。駅やコンビニエンスストアでのWi-Fi開放についても情報提供を行っています。

帰宅困難者対策訓練における、NTT東日本の安否確認方法体験ブース