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(報道発表資料)

2014年10月14日
東日本電信電話株式会社
慶應義塾大学SFC 研究所
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
日本電信電話株式会社
パナソニック システムネットワークス株式会社
東京都三鷹市
神奈川県藤沢市

スマートシティアプリケーションの実現へ向けた自治体および市民とのグローカルなアプローチの実証実験を開始
〜日欧で検討したCloud of Things(ClouT)参照アーキテクチャの有効性を三鷹市と藤沢市にて実証〜

東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山村雅之、以下 NTT東日本)、慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、所長:小川克彦)、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(東京都千代田区、所長:喜連川優)、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫)およびパナソニック システムネットワークス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 高木俊幸)は、欧州委員会(EC)が実施するFramework Programme 7(FP7)※1と連携して、独立行政法人情報通信研究機構が研究委託する 「新世代ネットワークの実現に向けた欧州との連携による共同研究開発」※2の一環として、東京都三鷹市(以下 三鷹市)および神奈川県藤沢市(以下 藤沢市)の協力のもと、両市において実証実験を開始します。

この実証実験において、日欧で検討したCloud of Things(ClouT)参照アーキテクチャに基づいた複数のアプリケーションが、各市の持つ具体的な課題解決に寄与することを検証します。

  • ※1Framework Programme 7(FP7)
    第7次研究・技術開発のための枠組み計画(FP7)は、欧州全体の国際競争力・技術力を向上させることを目的に、ヨーロッパにおける研究活動を助成する欧州委員会(EC)の主要な政策。(https://cordis.europa.eu/fp7/home_en.html新規ウィンドウで開く
  • ※2NTT東日本 報道発表「『モノのネットワークとクラウドを融合するネットワークサービス基盤』の共同研究開発を本格的に開始〜スマートシティアプリケーションの実現へ向けたCloud of Things(ClouT)基盤の開発〜」(https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20130702_01.html

1.共同研究開発の概要

本共同研究開発は、2013年4月から2016年3月までの3カ年の予定で、「モノのネットワーク技術(IoT:Internet of Things)」をクラウドコンピューティングと融合させ、共通のサービス基盤を用いたスマートシティサービスを実現することで、新規サービスの創出に要する金銭的かつ時間的コストの短縮化を図ることを目的に進めています。また、都市のスマート化を日欧で推し進めるための、強力かつ長期的な相互協力関係を醸成することも目的の一つとなっています。

本共同研究では、まず目標を達成するためのアーキテクチャについて、「City Infrastructure as a Service(CIaaS):サービスとしてのシティインフラ」「City Platform as a Service(CPaaS):サービスとしてのシティプラットフォーム」「City Software as a Service(CSaaS):サービスとしてのシティソフト」の3つのレイヤー(カテゴリ)に機能分担のうえ研究開発を行い、日欧共同でClouTの参照アーキテクチャを策定しました。

2.実証実験の内容

本実証実験では、日本側の実証フィールドである三鷹市と藤沢市において、NTT東日本のクラウドサービスである「Bizひかりクラウド 安心サーバーホスティング」をClouT基盤として用いて実施します。

本研究開発プロジェクトの特徴の一つはグローカルなアプローチを実施することです。日欧メンバで策定したグローバルなClouTの参照アーキテクチャに基づき作成したアプリケーションが、各都市の持つローカルな具体的課題の解決に寄与することを検証します。また、本研究開発成果を実社会で広く普及・展開するための課題も明確化します。(図1)

(図1)実証実験の全体像

両市における具体的な実証実験内容は以下の通りです。

三鷹市 高齢者のお出かけ支援・コミュニティ活性化を目的として、「IoT技術を融合したSNS」アプリケーションにより、市内の施設や散歩コースの情報を提示し、実際の行動、交流を促します。今後の社会的課題の解決のため、高齢者の「健康促進」「孤立の予防」をめざします。(図2)
実証実験では、三鷹市で開催されるスタンプラリーイベント「みたか太陽系ウォーク」(主催:三鷹市、NPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構、ほか)のスタンプ設置箇所の一部施設を対象とし、その施設に関する魅力的な情報を実証実験参加者に配信します。参加者は、今回新たに開発したソフトウェアを導入したタブレット端末を利用してその情報を閲覧することができます。実際に受け取った施設情報や、他の参加者が施設に訪れた事実、その際の感想を見ることにより、参加者である高齢者の行動が誘発されることを、各施設に設置したセンサ(NFC/iBeaconなど)を利用して検証します。
藤沢市 ClouT基盤やIoTを活用し、街のあらゆる情報(観光情報・店舗情報・交通情報等)をリアルタイムで収集、提供することにより、より充実した観光環境を実現し、「観光客おもてなし」「商店街活性化」「安心安全」につなげます。(図3)
実証実験では、江ノ島電鉄株式会社(以下 江ノ電)協力のもと、江ノ電鎌倉駅および江ノ島駅において、照明機能と映像投影機能を組み合わせたパナソニック株式会社製「Space Player(スペース プレーヤー)」を複数台設置し、江ノ島周辺を中心とした江ノ電沿線の情報を、住民や観光客向けにリアルタイムに提供します。また、江ノフェス実行委員会が主催する江ノ電沿線イベント「江ノフェス」と連携し、関連情報を提供します。

(図2)実証実験の内容(三鷹市)

(図3)実証実験の内容(藤沢市)

3.実証実験期間

2014年10月〜2014年11月

4.今後の研究開発計画

今回の実証実験結果で得られた知見をClouT参照アーキテクチャに反映し、スマートシティを実現するための研究開発を引き続き進め、今後さらなる実証実験を実施していきます。また、欧州においても、スペイン サンタンダール市、イタリア ジェノバ市において実証実験を計画しています。研究開発の状況については、適宜以下のサイトにて情報を更新していきます。

(参考図)参照アーキテクチャの詳細

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。