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(報道発表資料)

2014年5月21日
スカパーJSAT株式会社
東日本電信電話株式会社
西日本電信電話株式会社
日本電信電話株式会社

「フレッツ・テレビ」及び「スカパー!プレミアムサービス光」の商用ネットワークを用いた4K映像伝送の成功について

スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:高田真治、以下スカパーJSAT)、東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山村雅之、以下NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役社長:村尾和俊、以下NTT西日本)、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)は、「フレッツ光」を利用し、地上デジタル放送やBSデジタル放送、専門チャンネルをご視聴いただける放送サービス「フレッツ・テレビ※1」や「スカパー!プレミアムサービス光※2」の商用ネットワークを用いて「フレッツ光」1回線に既存のHDサービス(地上デジタル放送・BSデジタル放送など既存サービスで提供している全てのコンテンツ)と、毎秒60フレームの4K映像を同時に伝送し、且つ複数台のテレビで同時に視聴することに成功しました。

これにより、将来的にご家庭で「フレッツ光」1回線を通じて複数台のテレビで4K映像などを視聴することが可能※3となります。また、「フレッツ光」と「フレッツ・テレビ」及び「スカパー!プレミアムサービス光」は、映像とインターネット通信(上り・下り)を独立して伝送する特徴を持つため、大容量の4K映像の視聴と同時にインターネットを利用しても、インターネットの通信に遅延などの影響を与えることなく、高品質な4K映像を視聴することが可能となります。

なお、今回実現した内容を、NTT東日本エリアにおいては「光HOUSE新宿」、NTT西日本エリアにおいては「グランフロント大阪」にて期間限定で展示いたします。

今後も、スカパーJSAT、NTT東日本、NTT西日本、NTTは「フレッツ・テレビ」及び「スカパー!プレミアムサービス光」による4K放送サービスの提供に向けて引き続き検討を進めてまいります。

  • ※1「フレッツ・テレビ」はNTT東日本・NTT西日本の提供する電気通信サービス「フレッツ光」及び「フレッツ・テレビ伝送サービス」と、スカパーJSATの提供する放送サービス「オプティキャスト施設利用サービス」を契約することにより、地上デジタル放送・BSデジタル放送などを受信することが可能となるサービスです。
  • ※2「スカパー!プレミアムサービス光」は、スカパーJSATの提供する放送サービスであり、「フレッツ・テレビ」をご利用のお客様が、スカパーJSATと契約することにより、専門チャンネルを受信することが可能となるサービスです。
  • ※3将来的に策定される4K放送の放送規格に依存するものを除きます。

1.背景・目的

現在、国際的に放送波の次世代方式として4K放送の規格検討が進んでおり、FIFAワールドカップやオリンピック・パラリンピックといった大きなスポーツイベントに合わせて4K放送への期待が高まるとともに、4K映像の制作環境も整ってきております。スカパーJSAT及びNTTは、一般社団法人次世代放送推進フォーラム(以下NexTV-F)の一員として、ともに4K放送の環境整備構築に尽力してまいりました。

また、4K放送への期待の高まりに合わせ、地デジ移行後に落ち着きを見せていた国内テレビの出荷状況についても、テレビの大型化の進展や4K対応テレビの販売好調などの変化が見られ、一般家庭において4K映像を視聴できる状況が整いつつあります。

このような市場動向を受け、スカパーJSAT、NTT東日本、NTT西日本、NTTは「フレッツ・テレビ」及び「スカパー!プレミアムサービス光」における4K放送サービスの提供に向けた技術的な検討を進めてまいりました。

2.今回実現した内容

「フレッツ・テレビ」や「スカパー!プレミアムサービス光」の商用ネットワークを通じて※4、既存のHDサービスと、毎秒60フレームの4K映像を「フレッツ光」1回線で同時に伝送し、双方の映像を複数台のテレビにより視聴することに成功しました。※5

特徴は以下の4つになります。

  1. (1)4K映像のエンコード方式には、圧縮効率に優れた次世代動画圧縮規格であるH.265/HEVCを採用した上で、4K映像の特徴である高精細さが失われないよう映像のデータレートを35Mbpsに維持し、また、滑らかな映像を視聴できるよう、フレームレート・走査方式は60pとした(4K映像の仕様は下表のとおり)
  2. (2)既存の「フレッツ・テレビ」と同様、4K映像を台数制限なく複数台のテレビで同時に視聴することが可能
  3. (3)4K映像の視聴とインターネット利用を同時に行った場合でも、既存の「フレッツ・テレビ」と同様、映像を高品質なまま視聴でき、インターネットの通信に遅延などの影響を与えない
  4. (4)「フレッツ・テレビ」や「スカパー!プレミアムサービス光」でご利用の宅内共聴設備※6をそのまま利用可能※7

表 既存のHDサービスと同時に伝送した4K映像の仕様

項目 仕様
解像度 4K(3,840×2,160)
エンコード方式(映像, 音声) H.265/HEVC, AAC
データレート(映像ES, 音声ES) 35Mbps, 128kbps
フレームレート, 走査方式 60p(毎秒60フレーム, プログレッシブ方式)
  • ※44K映像の伝送時も、既存のサービスである「フレッツ・テレビ」や「スカパー!プレミアムサービス光」への影響はございません。
  • ※5「フレッツ・テレビ」や「スカパー!プレミアムサービス光」は、WDM(波長分割多重)伝送を採用しており、映像とインターネット通信(上り・下り)を独立して伝送する特徴を持っています。映像用の伝送容量に十分な余裕があることや、地上デジタル放送・BSデジタル放送などで用いられているMPEG-2と比較して約4倍の圧縮率を実現するH.265/HEVCを用いたことにより、現在の「フレッツ・テレビ」の商用ネットワークである光送信装置から回線終端装置(ONU)までに変更を加えず4K映像を伝送することに成功しました。
  • ※6ご家庭の中で、複数の部屋でテレビを視聴できるよう設置された同軸ケーブルのネットワークです。
  • ※7将来的に策定される4K放送の放送規格に依存するものや、4K視聴用に新たに設置が必要となるものを除きます。

3.各社の主な役割

  1. (1)スカパーJSAT
    放送信号の規格や各種方式及びサービス化の検討
  2. (2)NTT東日本・NTT西日本
    商用ネットワークに関する検討・提供
  3. (3)NTT
    NexTV-Fで検討している映像符号化方式との整合性検証及び各種技術支援※8

4.公開展示場所及び日時

今回実現に成功した内容を、以下の展示会場にて公開いたします。

展示会場には、一般のお客様のご家庭でご利用いただいているものと同様の「フレッツ光」を1回線用意し、この回線を通じて、既存のHDサービスと4K映像※9を同時に視聴いただけます。

  1. (1)NTT東日本のショールーム「光HOUSE新宿」(企画展示ゾーン)
    日時 2014年5月31日(土)〜6月11日(水) 10:00〜17:30 ※日曜を除く
    住所 東京都新宿区西新宿1-22-14 NTT西新宿ビル1F
    https://www.ntt-east.co.jp/tokyo/hikarihouse/
  2. (2)グランフロント大阪 ナレッジキャピタル「ザ・ラボ」
    日時 2014年6月27日(金) 13:00〜20:00
    2014年6月28日(土)〜6月29日(日) 10:00〜18:00
    住所 大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪2F
    https://kc-i.jp/facilities/thelab/新規ウィンドウで開く
  • ※8技術支援を実施した具体的な組織と内容は次の通りです。
    NTTアクセスサービスシステム研究所は、映像信号(RF)を光ファイバー上で伝送する装置の研究開発と、当該技術による検証への技術協力を実施しました。
    NTTメディアインテリジェンス研究所は、エンコード技術(H.265/HEVC)の研究開発と、当該技術による検証への技術協力を実施しました。
  • ※94K映像は展示用に準備したものとなります。

5.今後のサービス提供に向けたスケジュール

現在、「フレッツ・テレビ」や「スカパー!プレミアムサービス光」上での4K放送サービス提供をめざして検討を進めております。提供サービスの具体的な内容、時期については決定次第お知らせいたします。

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。