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News Release

神奈川事業部

2020年2月13日

養豚業における異音検知プラットフォームを活用した実証実験について
〜豚の鳴き声を収集しAI学習により健康状態を監視〜

東日本電信電話株式会社 神奈川事業部(神奈川事業部長:中西 裕信、以下「NTT東日本」)は、神奈川県畜産技術センター(所長:石田 聡)と連携し、飼育豚の鳴き声(音声情報)を収集、豚の健康状態等を検知するシステムのサービス化に向けた実証実験を、Hmcomm株式会社(代表取締役:三本 幸司、以下「Hmcomm」)の協力のもと実施いたします。


  ※なお、NTT東日本と一般社団法人神奈川県養豚協会(理事長:山口昌興、以下「神奈川県養豚協会」)、
     神奈川県畜産技術センターでは、2019年8月より、豚の飼育におけるIoTを活用した生産性向上等に向けた
     実証実験を展開中です。
     詳細は以下URLをご参照ください。

  https://www.ntt-east.co.jp/kanagawa/information/detail/1261755_1751.html

1.取り組みの背景
   2019年8月から、NTT東日本と神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センターでは、既存の豚舎に様々なICT(情報通信技術)を活用し、遠隔での豚舎環境の可視化(カメラでの映像確認や温湿度情報の遠隔監視)の実証実験を実施しております。

このたび、この取り組みに加えて、映像だけでは判断が難しい、豚の健康状態の遠隔での把握を実現するため、Hmcommの音声処理技術及び異音検知プラットフォームを活用して、新たに豚の鳴き声(咳やくしゃみ等)に基づいた豚の健康把握・管理に関する実験を行うことといたしました。
   これにより、畜舎環境だけでなく、飼育豚の健康状態を時間や場所を問わず把握することで、養豚業界における働き方改革の実現及び効率的な飼養管理による生産性の向上をめざしてまいります。

2.本取り組みの概要
   神奈川県畜産技術センターが所有する豚舎内に収音機器を複数台設置し、豚が発する音声情報を24時間収集することで、「豚の呼吸器系疾患の兆しの早期検知」を行います。
   具体的には、収集された音声データについて、神奈川県畜産技術センターの協力のもとアノテーション※1を実施しつつ、Hmcommのディープラーニングによる異音検知プラットフォーム(FAST-D※2)」を活用しAIに学習させることで、担当者を介することなく豚の健康状態を把握し、日々の見回り稼働の削減を実現します。
   将来的には、この異音検知プラットフォームを活用することで、システムのクラウド化や疾患に関する情報だけでなく、「発情兆候の把握」や「哺乳回数の測定」等を目指していきます。
※1 データ処理(収集データの分類や定義づけ、データベース化など)
※2  Flexible Anomaly Sound Training and Detection

3.実施期間
       2020年3月まで(予定)

4.実施場所
       神奈川県畜産技術センター内開放型豚舎 (神奈川県海老名市本郷3570)

5.各社等の役割
    ・NTT東日本
        収集された音声データの管理、異音検知プラットフォーム/AI学習環境の構築と提供、
        システム有効性の検証、プロジェクト管理

    ・神奈川県畜産技術センター
        実験フィールドの提供、収音機器による音声データ収集、音声データ分析のサポート

6.今後の予定
    本取り組みにて集積したデータを活用 (AI等による分析、活用等)し、神奈川県内における養豚業へのIoTサービス導入のサポートを実施していくほか、各種連携等により養豚業の発展に向けた新たな仕組みづくりを検討していきます。

【システム完成イメージ図】


7.本件に関する問い合わせ先
       NTT東日本 神奈川事業部 地域ICT化推進部
       TEL:0800-8005338
       Mail:ict-kanagawa-ml@east.ntt.co.jp