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News Release 東日本電信電話株式会社

2018年11月15日

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] 企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」の開催について

  • NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]※1(以下ICC)では、2018年12月15日(土)から2019年3月10日(日)まで、企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」を開催します。
  • 本展覧会では、現在、社会的にも大きな影響力を持っている「ヴィデオ・ゲーム」の多様なあり方や、それが創り出す文化を、インディ・ゲーム、及びヴィデオ・ゲーム・アートの2つの動向から検証します。
  • 展覧会タイトルの「ゲームスケープ(Gamescape)」とは、ゲームから見た風景・社会という造語で、ヴィデオ・ゲームがそれぞれのプレイヤー、製作者にもたらす新たな世界観を表現しています。
  • ※1日本の電話事業100周年記念事業として、またNTTの文化・社会貢献活動の一環として、1991年からプレ活動を開始し、1997年東京(新宿区西新宿<初台>)にオープンした文化施設です。コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用した「メディア・アート」を中心とした展示を実施しています。

1.開催概要

開催期間           : 2018年12月15日(土)〜2019年3月10日(日)

開館時間           : 午前11時〜午後6時

休館日※2           : 月曜日

  • ※2月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日を休館日とします。但し2/11(月)は休館、2/12(火)は開館とします。年末年始12/28(金)〜1/4(金)、保守点検日2/10(日)は休館とします。休館日以外においても開館時間の変更および休館の場合があります。最新情報はICCホームページ(https://www.ntticc.or.jp/新規ウィンドウで開く)などでお知らせします。

入場料※3           : 一般・大学生:500円(400円)/高校生以下無料

  • ※3料金は消費税込み、( )内は15名様以上の団体料金です。
  • <東京オペラシティアートギャラリーとの相互割引>
  • 東京オペラシティアートギャラリーで同時期に開催の企画展「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building」「石川直樹 この星の光の地図を写す」の入場券をICC受付にてご呈示いただくと、本展に団体料金でご入場いただけます。また、東京オペラシティアートギャラリーご入場の際に、本展入場券をご呈示いただいた場合も、団体料金でご入場いただけます。(他の割引との併用はできません。ご本人のみ1回限り有効です。)

主催                 : NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)

2.展覧会概要

現代の文化としてのヴィデオ・ゲームは、文化庁メディア芸術祭※4においても顕彰の対象となり、現代の社会にも大きな影響力を持つものとなっています。それは、現代の社会のあり方を反映したものであり、また、これからの社会のありようを見出すことができるものと言ってもいいでしょう。

本展覧会では、現代のヴィデオ・ゲームのあり方や、それらが創り出す文化を検証することで、そこからどのようなことが読みとれるのかを、インディ・ゲーム※5、及び、ヴィデオ・ゲーム・アート※6の2つの動向から捉えることを試みます。

展覧会タイトルの「ゲームスケープ(Gamescape)」とは、ゲームから見た風景・社会という造語で、ヴィデオ・ゲームがそれぞれのプレイヤー、製作者にもたらす新たな世界観を表現しています。

  • ※4アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供する文化庁によるメディア芸術の総合フェスティバルです。
  • ※5個人もしくは小規模チームで制作されるヴィデオ・ゲームです。制作規模の「小ささ」ゆえ、主流となったヴィデオ・ゲームの概念を覆すような新しい表現の場ともなりつつあり、アニメーション映画、コンテンポラリー・アート、電子音楽など、ヴィデオ・ゲーム以外のさまざまなコンテクストを出自とする開発者の参入も活発化しています。
  • ※6ヴィデオ・ゲームに馴染み親しんできたアーティストによる、ヴィデオ・ゲームにおけるインターフェースやゲーム空間とその構造に着目することで、私たちが日常的にプレイするゲームのもうひとつの意味を考察するなどのアプローチによって制作されたアートの総称です。

3.出品作家および作品例

<インディ・ゲーム>

作家:Playables(ミヒャエル・フライ&マリオ・フォン・リッケンバッハ)

作品名・発表年:《Plug & Play》2015、《KIDS》2017-19、《COIN》2017

左中右

左:《Plug & Play》/中:《KIDS》/右:《COIN》

アニメーション作家のミヒャエル・フライとゲーム・デザイナーのマリオ・フォン・リッケンバッハによるユニット、プレイアブルズ(Playables)は、白黒のみで構成された3つのミニマルな作品を出展します。

オスとメスのプラグ人間同士の感情を欠いた交流を描く《Plug & Play》は、フライによる同名の短編アニメーション作品をゲーム化したもので、YouTuberたちによる反応やiOS、Steamなどの主要プラットフォームのレヴューを読み上げる“Review Reader”、さらにはゲームを構成する部品である「スプライト・シート」などとともに展示されることで、インディ・ゲームをめぐるコミュニティ・経済圏の存在をも可視化します。

群衆シミュレーターの《KIDS》は、来年リリース予定の新作で、インディ・ゲームが得意とする匿名化された人間像を象徴的に表現します。

《COIN》は、ヴィデオ・ゲームのインタラクティヴ性が持ち合わせる依存性を皮肉る小さなプロジェクトであり、現在に至るまで、1200万枚以上のコインが世界中の人たちにより無為に「貯金」されています。

作家:和田淳

作品名・発表年:《マイエクササイズ》2017-19

マイエクササイズ

和田淳は、心地良い触感と間の表現によりアニメーション界で高い評価を得ているアーティストであり、この作品は、和田が取り組む、初のヴィデオ・ゲーム作品です。

ボタンを押すことで「いがぐり坊主」が腹筋をし、秋田犬にバフっとめりこむ…、ただそれだけのシンプルなゲームですが、ヴィデオ・ゲームのインタラクションを通じて、和田が追求する、アニメーションというフォーマットでは必ずしも受容者に届くとは限らない「個人的な気持ちよさ」が、プレイヤーとダイレクトに接続されます。今回は、「ボタンを押す」という経験にフォーカスを当てるための特別な装置が用意された「展示版」が出展されます。

作家:Giant Sparrow

作品名・発表年:《What Remains of Edith Finch》2017

What Remains of Edith Finch

家族唯一の生き残りとなった17歳の少女エディスが生家の屋敷へと戻り、その奇妙に増築された家のなかで、遺品に触ることで、自分以外の一族が如何にして死んでいったのかを追体験します。

少女のPOV(Point Of View=視点)となる画面には独白のテキストが浮かび上がり、追体験のシーンでは、死の間際の穏やかで騒がしい狂気が緩やかに画面を侵食します。主観の奇妙な変容を描くそのストーリーテリングは、ゲームのみならず映画や文学の延長線にも考えられるもので、ウォーキング・シミュレーターというゲーム・ジャンルの持つ可能性を存分に発揮しています。

[このほかの出品予定作家]
アブドゥッラー・カラム&Causa Creations、Playdead、ルーカス・ポープ

<ヴィデオ・ゲーム・アート>

作家:ハルン・ファロッキ

作品名・発表年:《パラレル I-IV》2012-14

パラレル

《パラレル》は、4つのパートからなる映像インスタレーションです。様々なヴィデオ・ゲームの映像を参照しながら、ゲームの中で描かれる自然の風景や世界の境界、オブジェクトの性質、人々の振る舞いについて追求していきます。そこには、現実の風景とは全く異なる論理や法則によって構成されるヴィデオ・ゲーム特有の世界の美学が現われています。

作家:ミルトス・マネタス

作品名・発表年:《ミラクル》1996 ほか

ミラクル

展示風景、LUX GALLERY(London、2000)

ミルトス・マネタスはネット・アート(net.art)のムーヴメント「Neen」の首謀者であり、1990年代からヴィデオ・ゲームを扱った作品を数多く残しています。特に「マシニマ」(ゲームエンジンを用いた映像作品)として制作された《ミラクル》はフライトシミュレーションゲームで、ある角度から着水すると戦闘機が絶妙なバランスで水面の上を滑走しつづける様子を映し続ける映像作品です。通常のプレイとは異なる形でゲームと関わることで生じる奇妙な瞬間を作品にしています。

作家:山内祥太

作品名・発表年:《ZONE EATER》2017

ZONE EATER

ヘッドマウントディスプレイを使用した体験型のVR作品です。3Dスキャンによって形作られた部屋の中に、同じく3Dスキャンで作られた少し不気味な人物たちが登場します。鑑賞者は、コントローラーを使って人物に憑依することで、その人物に関する様々な行為をコントロールできるようになります。

この作品では、VRにおけるプレイヤーの身体性と、プレイヤーとゲーム内のキャラクターの憑依的な関係性が組み合わさることで、体験者自身の存在を不確かなものへと変えようとします。

[このほかの出品予定作家]
COLL.EO、ジョセフ・デラップ、イップ・ユック=ユー、JODI、谷口暁彦、ジョナタン・ヴィネル、ブレント・ワタナベ

  • このほかの出品作家や作品については、ICCホームページにて最新の情報をお知らせします。

4.共同キュレーション

土居伸彰(どいのぶあき)

1981年東京生まれ。株式会社ニューディアー代表、新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル・ディレクター。インディペンデント・アニメーションについての研究者としてキャリアをスタートさせたのち、長編作品の劇場用配給、イベントの企画等を通じて、世界の現代作品を精力的に紹介する事業を行なうようになる。著書に『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』(日本アニメーション学会賞受賞)、『21世紀のアニメーションがわかる本』(ともにフィルムアート社)。近年はプロデュースも積極的に行ない、インディ・ゲームとアニメーションの連携の可能性にも着目。和田淳らとともにゲーム『マイ・エクササイズ』を開発中。

谷口暁彦(たにぐちあきひこ)

1983年生まれ。メディア・アーティスト。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース専任講師。 メディア・アート、ネット・アート、映像、彫刻など、さまざまな形態で作品を発表している。主な展覧会に「[インターネット アート これから]?? ポスト・インターネットのリアリティ」(ICC、2012)、「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館、2016)、個展に「滲み出る板」(GALLERY MIDORI.SO、東京、2015)、「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2017)など。

5.関連イベント

会期中には出品作家、来日するアーティストらによるイベントを開催予定です。

6. ICCのご案内

所在地 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)

地図

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。