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1.事業の概況

当事業年度における世界経済は、欧州の政府債務危機に伴い先進国経済に不安定さが増すとともに、新興国経済の成長にも鈍化の動きがみられ、総じて景気の回復が減速傾向となりました。わが国経済は、東日本大震災後の厳しい状況から需要・供給両面で回復が進みましたが、世界経済の減速や、長引く円高、タイの洪水被害などの影響により、持ち直しの動きは緩やかなものになりました。

情報通信分野においては、IP化・ブロードバンド化の進展に伴うネット利用の普及による広がりに加え、通信と放送、固定と移動の融合、クラウドコンピューティング※1の進展や、スマートフォン・タブレット型端末等の高速無線・Wi-Fi※2対応端末の急速な普及等により構造変化が進展しています。

地域通信市場においても、光化を中心としたブロードバンドサービスでの設備競争およびサービス競争の進展に加え、多様な無線端末を活用した新たなサービスの登場など市場環境が大きく変化しております。

当社は、このような厳しくかつ激変する事業環境のもと、お客さまが安心してすべてを任せることができる「身近な総合ICT※3企業」として、良質かつ安定的なユニバーサルサービスの提供、災害に強い通信ネットワークの構築、大規模自然災害などの際の迅速な復旧をはじめとした社会的インフラとしての信頼性の確保に努めるとともに、平成20年5月に日本電信電話株式会社が策定したNTTグループ中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」の実現に向け、新しいサービス・商品の提供や、お客さまにとって“使いやすい”“より長くご利用いただける”新しい料金メニューの提供等を通じて、お客さまや地域・コミュニティのニーズにあった安心・安全・便利に配慮した信頼性の高い魅力的なブロードバンドサービスの普及・拡大に積極的に努めてきました。

また、平成23年3月に発生した東日本大震災については、NTTグループ各社や通信建設会社の応援も得て、全社を挙げて通信サービスおよび通信設備の復旧に取り組んだ結果、震災発生から約1か月を経過した平成23年4月末までに、お客さまが居住しているエリアの通信ビル機能について、応急復旧を実現しました。更に、被災した通信ネットワークの信頼性レベルを震災前以上にするべく、被災地において通信設備の本格復旧に取り組むとともに、あわせて、つなぎ続ける使命を果たすため、サービスの信頼性レベルを更に向上させる取り組みを進めてきました。

<1>光・IP系サービス推進に向けた取り組み

NTTグループ中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」の具現化に向け、提供エリアを拡大している「フレッツ光」※4については、東日本大震災により一時的な営業活動への影響があったものの、平成23年9月に900万契約を突破しました。

「フレッツ光」の普及・拡大と利活用促進に向けては、インターネット等をこれから始めたい、またはインターネット等のご利用機会が少ないというお客さまがお手軽な料金でお使いいただける、二段階定額料金の光ブロードバンドサービス「フレッツ 光ライト」の提供を開始するとともに、「フレッツ 光ネクスト」、「Bフレッツ」の戸建向けサービスについて、24ヵ月単位での継続利用をお約束いただくことで、月々のご利用料金がお得になる新たな料金プラン「にねん割」の提供を開始しました。また、スマートフォン、タブレット型端末等Wi−Fi端末の急速な増加による、外出先でのWi−Fi利用ニーズの高まりに対応して、チェーン店舗・商店街店舗・公共施設等において「フレッツ 光ネクスト」をご契約いただいているお客さまを対象に、来訪者に対して「フレッツ・スポット」によるインターネット利用環境の提供や店舗等からのオリジナルコンテンツの配信等を可能にするサービス「光ステーション」の提供を開始するとともに、東京23区内のセブン&アイ・ホールディングスグループの店舗で「フレッツ・スポット」の提供を開始し、セブン&アイ店舗へご来店時にWi−Fiに対応したスマートフォンやタブレット型端末等をお持ちのお客さまを対象に快適な無線LANインターネットをご利用いただけるようにしました。

更に「フレッツ光」をご利用のお客さま向けに、情報配信サービス「フレッツ・マーケット」に対応し、搭載メモリーの増加等による操作性の向上、生活防水対応、バッテリー長時間化、Flash・PDFファイル表示機能等の新機能を搭載したタブレット端末「光iフレーム2」の提供を開始するとともに、自宅および外出先での無線LAN接続を実現する「光ポータブル」のオプションとして高速無線LAN通信(最大300Mbps)を実現する「Wi−Fiクレードル」の提供を開始しました。また、東日本大震災に伴い、企業のみならずご家庭においても従来よりさらに効果的かつ長期的な節電の取り組みが求められている状況に鑑み、「フレッツ光」をご利用のお客さま向けに、ご家庭の消費電力量や電力会社が提供する電力供給情報を可視化することで、ご家庭内の節電およびCO2削減をサポートするサービス「フレッツ・ミルエネ」の提供を開始しました。

一方、「サミットネットスーパー」※5を提供する住友商事株式会社様、液晶テレビ等を活用した新たなソリューション提案を行うシャープシステムプロダクト株式会社様との協業による、高齢者の方々や、首都圏でも増えている「フードデザート」と言われる買物が不便なエリアにお住まいの方などの生活利便性向上を目的とした、テレビで買物を楽しめるネットスーパーサービスの提供に合意するとともに、飲食店等における集客促進サービス等を提供する株式会社ぐるなび様との協業により、ぐるなび掲載店舗への「フレッツ光+Wi−Fi」の導入促進および、ぐるなびショッピングサイト購入代金の「フレッツ光」との合算請求等、お客さまにより便利なサービスの提供を開始するなど、幅広い分野の事業者との連携を図りました。

加えて「フレッツ光」をご利用のお客さまを対象とした会員制プログラム「フレッツ光メンバーズクラブ」については、平成23年8月に200万会員を突破し、更には平成24年3月以降の会員継続年数に応じてポイント数が加算される新たなマンスリーポイントの提供を開始するとともに、「にねん割」ご利用のお客さまを対象として、「にねん割」の更新に基づき1,000ポイントを提供する「にねん割更新ポイント」を開始しました。

お客さまサービスの向上に向けては、集合住宅向け「光配線方式」※6による工事日即決の推進や、無派遣工事の推進などにより、光アクセスサービスの開通納期短縮に継続的に取り組みました。

<2>ソリューションビジネスの取り組み

自治体、医療機関、教育等の分野に対し、業界の特性や動向を踏まえた業界特化型のソリューションを中心に、ICTの利活用により地域のお客さまに喜んでいただけるよう、効率的かつ効果的な営業活動を展開しました。

自治体分野については、条件不利地域※7の自治体における光設備構築に参画し、IRU※8契約により当社が自治体の光設備を借り受け、ブロードバンドサービスを提供することで、デジタル・ディバイドの解消および地域のニーズに合わせたブロードバンドサービス環境の提供に積極的に取り組みました。とりわけ、東日本大震災の復興支援活動を通じて、多くの自治体から、重要データの遠隔地へのバックアップに関する要望が多く寄せられたことを受け、NTT東日本のデータセンタおよびネットワークサービスを利用して、お客さまが保有するデータをバックアップする仕組みについて、南三陸町(宮城県)と共同で実証実験を行っており、今後、確実にお客さまのデータをお預かりし、有事の際のデータ消失リスクの軽減に貢献するソリューションを展開していきます。また、医療分野については、ICTを活用した遠隔地間をつなぐ保健指導のニーズの高まりを踏まえ、テレビ電話を活用した遠隔地間での健康相談が可能なクラウド型遠隔健康相談サービス「ひかり健康相談」の提供を開始するとともに、異なるメーカーやベンダの電子カルテ同士をつなぐことで、地域の医療機関の間で情報連携を可能とする「タイムライン連携システム」について、松本地域(長野県)の一部の診療所と連携し運用トライアルを開始しました。

企業向けVPN※9サービス拡充の取り組みとしては、企業のプライベートネットワーク等の構築を可能とする「フレッツ・VPN ゲート」について、従来お客さまによる設置が必要であった認証サーバ※10等が不要となり、プライベートネットワークの構築および運用をより簡単に行うことができる「ユーザ認証代行機能」の提供を開始しました。

事業所向けサービス拡充の取り組みとしては、キヤノンマーケティングジャパン株式会社様との協業により、「オフィスまるごとサポート」で実施している不具合や故障等の対応において、お客さまの不具合・故障状況をワンストップで受け付け、キヤノン製複合機が故障原因と判断した場合、NTT東日本からキヤノンマーケティングジャパン株式会社様への情報取り次ぎを開始するとともに、オフィス内のICT機器の販売および保守等サポートに関してエプソン販売株式会社様と協業するなど、幅広い分野の事業者との連携を図りました。

<3>事業運営体制の状況

事業運営体制については、東日本大震災により被災した東北地方の通信設備の本格復旧・復興を自治体等の復興計画と連動して一元的に推進するため、平成23年5月に、社長直結組織として、「東北復興推進室」を設置しました。

<4>CSRの推進に向けた取り組み

情報通信サービスの提供を通じて、地球環境に優しく、社会の健全で持続的な発展に寄与していくことを企業の社会的責任と考え、CSR活動をNTT東日本グループにおける事業運営の重要な柱の一つとして位置づけ、「NTTグループCSR憲章」(平成18年6月制定)を基本に、法令等遵守や環境負荷低減に向けた取り組みはもとより、「つなぐ」ことを使命に、安心・安全な通信インフラの提供による信頼の維持・向上に努めました。

また、個人情報保護、適正な広告表示、労働者派遣をはじめとした各種法令等の遵守はもとより、公正競争の確保についても、これまでの取り組みに加え、電気通信事業法等の改正(平成23年11月30日施行)に伴い、他事業者に関する情報を管理・運用する組織・子会社を明確化し、それら子会社を含めて管理方法を明文化する等、取り組みの強化を実施しました。更に、コンプライアンス再徹底の取り組みとして、強化月間を設定し、階層別研修を集中的に行うなどの取り組みを実施しました。

東日本大震災に伴う夏期の電力不足対策としては、電力緊急対策本部を設立し、通信ビル・オフィスビル双方で最大限の電力削減施策を実施しました。なお、500kw以上の大口契約ビルについては、経済産業省より告示された「電気事業法第27条に基づく使用制限について」に基づき、NTTグループ(持株傘下9社)で「共同使用制限スキーム」を活用し、共同使用制限・制限緩和申請を実施しました。加えて、家庭やオフィスにおけるパソコンの消費電力を削減可能なPC節電ツール「PC省エネサポート」を全ての「フレッツ光」ご契約者さまへ無償で提供しました。

また、社員等の環境意識の醸成に向けて、「eco検定※11受験」、「地域清掃活動への参画」などを実施し、職場や家庭、地域社会など、様々な場面での環境負荷低減につながる取り組みを推進する「NTT東日本グループアクトグリーン21」を継続的に展開しました。

更に、市場環境の変化やお客さまニーズの多様化等を背景に、身近な総合ICT企業としての今後の成長のため、ダイバーシティ・マネジメント※12を重要な経営戦略と位置づけ、多様な人材の育成・活用および多様な働き方の推進に取り組むとともに、ワーク・ライフ・バランスの推進を図りました。平成24年3月には、ダイバーシティの更なる推進に向け、「ダイバーシティビジョン」「ダイバーシティコミットメント」「3つのポリシー」を掲げ、また、当面の取り組みとして、「5年後(平成28年度末)女性マネージャー数倍増」を目標に掲げるとともに、ICTを活用した事業所内保育所「DAI★KIDS初台」の設置等も予定しています。

これらCSRの取り組みについて、NTTグループCSR憲章の理念を浸透させつつ、グループ一体となったCSR活動を一層推進するために「NTT東日本グループCSR目標」を設定するなど、CSR経営の強化に努めるとともに、「NTT東日本グループCSR報告書2011」を発行し、ステークホルダーへの情報開示にも積極的に取り組みました。

なお、「日本電信電話株式会社等に関する法律」における収賄容疑で、当社社員が逮捕・起訴されたことは誠に遺憾であり、今後このようなことが起きぬよう、社員教育の徹底を中心とした取り組みに一層努めてまいります。

<5>東日本大震災からの本格復旧状況および信頼性向上に向けた取り組み状況

東日本大震災により被災した通信ネットワークの信頼性レベルを震災前以上にするため、被災地において通信設備の本格復旧に向け、被災した通信ビルの高台への移設、流出した橋梁区間の中継伝送路の河川下越し、原発区域の中継伝送路の迂回等の取り組みを進めています。また、東日本全域でサービスの信頼性レベルを更に高めるため、通信ビルの停電対策や水防の強化等による災害に強い設備作り、各種の災害対策機器を配備する等の早急な通信サービスの復旧、非常用電話および公衆無線LANを災害発生時に無料開放する情報ステーション化の推進やフレッツ光でひかり電話をご利用のお客さま向けに停電時にひかり電話ルーターへ給電可能な「光モバイルバッテリー」の提供を開始するなど、災害直後の通信確保に向けた取り組みを進めています。

また、危機管理としては、東日本大震災の教訓を踏まえて、大規模災害対策委員会を立ち上げ、震災時の取り組みの評価を行い、課題解決に向けた施策の方針化を行うとともに、大規模災害発生時における事業継続の対処能力向上および災害対策活動の検証を目的に、平成24年2月に首都直下地震発災との想定のもと、大規模災害対処訓練を実施しました。

<6>営業収益等の状況

以上の取り組みおよびコスト削減を行い、営業収益は1兆8,515億円(前年同期比5.4%減)、営業利益は503億円(対前年同期比34.8%減)、経常利益は752億円(前年同期比21.7%減)、当期純利益は321億円(前年同期比38.5%減)となりました。

  • ※1従来は手元のコンピュータで管理・利用していたソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式。
  • ※2Wireless Fidelityの略。無線通信で使用する規格IEEE802.11a/b/g/nを製品に搭載した際、他のIEEE802.11a/b/g/n搭載機器と相互運用が可能となるように、互換性の保障をするためのブランド名。
  • ※3Information and Communication Technologyの略。情報通信技術を表す言葉。
  • ※4「フレッツ 光ネクスト」、「Bフレッツ」および「フレッツ 光ライト」の総称。
  • ※5住友商事が100%子会社である住商ネットスーパー株式会社を通して、首都圏約8百万世帯向けに展開するネットスーパー。
  • ※6NTT東日本収容ビルからマンションの共有部分を経由して、各住戸に直接光ファイバーを引き込む「オール光」方式。
  • ※7ブロードバンド基盤の整備において、採算性の問題等から、民間事業者の事業展開が困難な地域。
  • ※8Indefeasible Right of Userの略。破棄し得ない使用権。
  • ※9Virtual Private Networkの略。インターネットなどの公共のネットワークを、あたかも専用回線のように利用すること。
  • ※10エンドユーザからの接続要求を受け取り、正規のユーザであるかどうかの判定(ユーザ認証)を行うためのサーバ。
  • ※11環境社会検定試験。主催「東京商工会議所」。
  • ※12多様な人材を受容し活用することで、新たなイノベーションを起こし、企業競争力強化を図る経営戦略。

平成24年5月14日 情報更新

「1.事業の概況 (1)光・IP系サービス推進に向けた取り組み」の以下部分を修正
【修正前】
 (略) シャープシステムプロダクト株式会社様との協業により、 (略)
 ネットスーパーサービスの提供を開始する (略)
【修正後】
 (略) シャープシステムプロダクト株式会社様との協業による、 (略)
 ネットスーパーサービスの提供に合意する (略)