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福島復興のために

大規模災害に備えて 避難指示が解除された時、すぐに戻れるように準備を進める。NTT東日本 福島復興再生推進室 桐ヶ窪 孝

東北の中でも福島県は、原子力災害による避難指示区域を有し、他の被災県域とは異なる環境にあります。そのため、復興作業においても自治体や他のインフラ事業者との連携をより強める必要があります。2015年9月、NTT東日本は、福島における通信インフラの復旧・復興へのスピードを高めることを目的として、福島復興再生推進室を設置しました。従来は、自治体や各事業者からの要請などがNTT東日本の各拠点に寄せられ、申請や確認を個別に行う必要がありました。福島復興再生推進室の設置により窓口が一元化されたことで、対応のスピードが向上するとともに、自治体や事業者とのより綿密な連携を図るなど、最前線で、通信サービスの復興作業をリードする存在となっています。

宮城や岩手とは異なる復興に向けた動き

東日本大震災後3年間ほどは、放射線量が高く、避難指示区域内での作業には規制がありましたが、2015年に入り除染作業のスピードが上がり、NTT東日本の通信ビルの除染もすべて完了しました。そのような中でも引き続き、国の安全基準の線量管理に加えて、NTT東日本の社内でも厳重に線量管理され、社員や通信建設会社の社員の安全確保を最優先しています。帰還困難区域での作業は最小限に抑えられていますが、除染により通信設備点検や整備が行えるようになり、まさに、復旧から復興のステージに進んだといえます。この部分が宮城、岩手の復旧・復興作業と大きく異なる重要なポイントです。これまでは、除染作業や廃炉作業を行う事業者の方々に対して通信サービスを提供するステージでした。例えば、農地の中などに、除染作業のための事務所が出来たりすると、これまで一般の方々に通信サービスを提供するために設計し配置してきた通信ルートや通信設備が、そのままでは使えません。そうした新たな需要に対して自治体や事業者の方々との密接な連携は不可欠でしたので、NTT東日本の専門チームが福島復興再生推進室として、そのニーズに対応する必要がありました。

マルチヘリ(ドローン)による浪江町請戸地区の橋梁点検

線量の測定結果も一元管理し、作業する社員の安全確保を最優先する

5年ぶりに自宅に戻ったお客様からの感謝の言葉

2015年9月5日。福島県楢葉町は除染作業やインフラ復旧が完了し、避難指示解除準備区域の規制が解除されました。これにより、住民の方々の帰還という新たなステージに向けた復興作業が本格的に動き始めました。当日、楢葉町ではNTT東日本の社員6名が「故障はないですか?困ったことはないですか?」とお客さまに声をかけながらバケット車を走らせていました。故郷に戻ることが出来たお客さまからは、「いろいろとありがとうございました」と感謝され、その言葉がとても胸に響き、その日に向けて通信設備の点検を行ってきた私たちにとっても感慨深い1日になりました。帰還促進に向けて、お客さまが安心して戻ることが出来る土台にはインフラの整備が欠かせません。自治体や他のインフラ事業者と協働しながら、避難指示が解除されたらすぐにお客さまが戻れるよう、今後も規制解除に先行して設備点検、整備を行っていきます。2016年1月には、依然、居住制限区域である葛尾村の電柱に取りつけられた装置の交換作業を行いました。住居が被害を受けていなくても、そこに住めない辛さは他の被災地にはないものです。お客さまにはやはり安心して戻っていただきたいですし、いつでも戻っていただける状況にしておきたい。そこに対しても私たちは精一杯使命感をもって貢献していきたいと思います。少しでも、多くの方々が帰還されるように、NTT東日本もインフラ事業者として、電気通信事業者として、通信環境の整備と通信サービスを提供する準備をしていきます。福島復興再生推進室は通信をつなぐだけでなく、お客さまと故郷を“つなぐ”役割も果たしていきます。

帰還促進に向けて、地下の通信設備の点検を実施

福島復興のために、お客さまと故郷を“つなぐ”

災害用伝言ダイヤル(171)のもう一つの使命

復興の仕事を進めていく中で、災害用伝言ダイヤル(171)が秘めている力を目の当たりにすることがありました。東日本大震災の地震や津波の被害に遭われた方の中に、当時、災害用伝言ダイヤル(171)に残された大切な人の音声を何度も聞かれているという方がいらっしゃったのです。いわゆる生の通信ではありませんが、あの時、声を聞いて気持ちをつなぐことが出来たと。その話を聞いて、安否確認のために音声を録音して声を伝えるサービスのもう一つの使命であり、その重要性についてあらためて気付くことが出来ました。安否が確認できない不安を少しでも軽減させる。電話がつながらなくても伝言が残っているのではないかという“希望”が持てる状況を準備しておくことも、通信インフラを持つ企業としての大切な備えです。やはり全国規模で災害などの非常時に備えることは私たちにしか出来ないことかもしれません。声をつなぎ、安心をつなぐ、というサービスこそが通信の原点ですので災害用伝言ダイヤル(171)は本当に大切だと思いました。東日本大震災から何年経っても、あの時、通信サービスの力で伝えた“声”が、誰かの生きる力になっていることは紛れもない事実です。

避難所から災害用伝言ダイヤル(171)を利用するお客さまは多数