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「先生、そういうことはありえないと思います。ぼくの家では今までないです」 |
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「そうでしたか。例えば電話の工事があって、しばらく使えないことがあったりしませんでしたか?」 |
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「工事じゃなくってつかえない、っていうことあるんですか?!」 |
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思い出したようにミカコが手をあげた。 |
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「あの、わたしのおばあちゃんが神戸にいるんですけど、ずっと前に大地震(じしん)があって、おばあちゃんと電話がつながらなくて大変だったって、お父さんが言ってました」 |
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「それは昔のことだろ? それに、このまえ地震があったときには、ちゃんと電話はつながってたよ……」 |
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ヨシダ先生はコホンとセキをして、みんなに言った。 |
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「ミカコさんの言うとおり、実は電話も使えなくなることがあるんです。でも、ジュンイチロウくんの言うとおり、このまえの地震では電話が使えなくなったりはしませんでしたよね?」
「ほんとうに電話が使えなくなると、ファクスや電子メールもいっしょに、時には携帯電話(けいたいでんわ)だって使えなくなってしまいます」
「そうしたら、声の届かない場所にいる人と、すぐに連絡(れんらく)をすることができなくなって、とてもこまりますよね?」 |
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そうかあ。もしも電話がつながらなくなったらどうなるんだ? ・・・ みんなはまたまた考えた。 |
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「でも、ほとんどの場合、電話が使えなくなるようなことはありません。これは、電話がどんなときでも使えるように工夫をしたり、みはりをして電話を守る仕事をしている人たちがいるからなんです」
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