I.電気通信をめぐる環境の変化

 国内市場では、
(1) ボーダフォンが公開買い付けにより日本テレコムの経営権を完全に取得し、また、一部の移動体通信会社を外資が買収する動きがあるなど、日本市場に対する外資の直接参入が進行しています。
(2) また、ヤフー!BB、有線ブロードネットワークスが垂直統合型ビジネスモデルでブロードバンド市場に参入するなど、新しいタイプの新規参入も相次いでいます。
(3) このような状況の中で、固定電話分野は、<1>移動・IP通信への需要のシフトに加え、<2>マイラインの導入・フュージョン等によるVoIPの本格展開により、市場が縮小する中で激しい値下げ競争がくりひろげられる構造不況的な様相を呈しています。
別紙1資料1


 米国市場では、AT&T等の長距離通信事業者が経営不振に陥る一方で、コバッド、ノースポイント、リズムスなど、新規参入キャリアの経営破綻が相次ぐなど、IT不況が進行しており、このような事態に対処するために従来の競争政策の見直しに関する様々な議論がなされるとともに、AT&TとRBOCとの再統合の動きが報道されるなど、業界再編に向けた動きが活発化しています。【別紙2


 数次にわたる政府保有株式の放出により一般株主の保有比率は54%に達していますが、NTT株価は、日本経済全体のデフレの進行に加え、このような情報通信事業全体の先行きに対する不安や、今後のNTTの在り方に関する不透明性などに起因する市場の不信感により、下落を続けています。【別紙3


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