( 参考 )


<設立の背景>
 WL、NTT東日本及びSMISOLの3社は、1998年以来、我が国の中小・中堅企業に特有の取引慣行及び業務形態に適応した最適なERP製品(=NewRRR)の開発とエンドユーザーへの販売及び導入、そして販売チャネルの構築を共同事業という形で進めてきました。この間の3社共同での事業展開の結果を踏まえ、従来は専ら大企業の業務改善ツール(=BPR)と認識されてきたERP製品が、中小・中堅企業にとっては、日々発生する雑多な取引を正確に記録し、その結果について整合性を保持する形で会計データへ連携させ、財務諸表の作成までを低コストで(少ない要員で)総合的にサポートするシステムとして非常に有益かつ実用的な経営ツールであるとの共通認識を形成するに至りました。そして、我が国の中小・中堅企業に対するソリューションについて、NewRRRを共同事業の形で展開してきた経験から3社は以下のように総括しています。

1. 現場の活動記録と会計記録の直結
 再入力による時間と(間接)コストの無駄を排除し、データの改ざんを一切許さない正確性と整合性を確保することが、中小・中堅企業にとっても大きな課題です。ERPを導入することで現場の活動記録と会計記録の直結を図ることは、このような課題に対する非常に有効な手段と考えます。
2. ネットワーク環境下の業務システムの確立
 取引の時点で異なるロケーションにおいて発生するデータをより早く、正確に、かつ安価に既存の基幹業務システムへ反映させることも、迅速な経営判断のための重要な要件の一つです。そうした経営環境を実現するために、ネットワークを有効に活用できるシステムインフラであるERPの果たす役割は非常に大きいものであると認識しています。
3. 数値による経営管理の徹底
 2000年3月期の決算より新しい会計基準が適用され、日本企業の財務管理を取り巻く環境は大きな変化を遂げつつあります。中小・中堅企業もこれまで以上に財務状況の管理が必要になるとともに、自社の経営状況を数値で表現する能力が求められることになります。ERPは中小・中堅企業の財務管理の能力を短期間に飛躍的に向上させるツールであると考えています。

 以上のような認識の下、3社は、我が国の中小・中堅企業を中心とした情報化マーケットにおけるERP製品を核としたソリューションビジネスの潜在的な成長性の高さを確信するに至りました。そして、この程、NewRRRを軸とした中小・中堅企業向けのトータルソリューションビジネスを今まで以上に強力に推し進めていくためにSWaNの設立に合意しました。


<設立の狙い>
 SWaN設立の狙いは、概ね以下の3点に集約することができます。

1. 市場へのメッセージ発信
 SWaNの設立は、WL、NTT東日本及びSMISOLの3社がソリューションビジネスの核となるNewRRRの提供を高い品質を維持しながら、今後も継続的かつ安定的に実施していくとの強い意志を市場に対して広く宣言するものです。
2. 集約によるコスト低減
 NewRRRの品質の維持及び向上と各種の情報提供、エンドユーザーへの導入手法の開発、ソリューションベンダーに対する運用開始後のサポート、NewRRRの認知度向上を始めとするマーケティング活動、ソリューション全般に関する市場動向の調査及び分析と製品へのフィードバックなど、3社のソリューションビジネスの基盤を支える諸活動を1ヶ所に集約することでコストの最小化を図ると同時に、3社との役割分担を明確にすることでより効率的なソリューション提供体制の構築を目指すものです。
3. 製品ベンダー機能の強化
 NewRRRの商品性及び競争力を高めるため、NewRRRの企画及び開発、販売、メンテナンスに関する機能をWL、NTT東日本及びSMISOLの3社から分離することで、NewRRRベンダーとしての機能の強化を図るものです。さらに、3社から独立した企業体という立場を生かし、他の製品及びサービスベンダーとの戦略的なアライアンスを通じて我が国の中小・中堅企業に最適なトータルソリューションの開発と提供を実現していくものです。


<事業の展開>
 SWaN設立に伴って、今年度以降、WL、NTT東日本及びSMISOLの3社は、NewRRRの企画及び開発やメンテナンス、ソリューションベンダーの育成などの業務の一切をSWaNへ移管し、NewRRRを使用した中小・中堅企業向けソリューションベンダーとして、3社それぞれの特色を活かしながら、個々に体制を強化して取り組んでいくこととしています。
 その上で、SWaNは、WL、NTT東日本及びSMISOLの3社に加え、これまでにNewRRRのソリューションベンダーへの参画を表明している各社に対して、各種の販促ツール類及び販売支援サービス、ユーザー毎のソリューション提案を中心に提供していきます。さらに、NewRRRの認知度及び理解度向上のためのマーケティング活動などをより積極化させることで、NewRRRソリューションビジネスの拡大を目指します。また、これと平行して、SWaNは、マーケットニーズに即応した次期製品の開発と市場への投入を今年度中に実現することとしています。
 これら一連の活動を通じて、SWaNを中心にWL、NTT東日本及びSMISOLの他に3社と同様にNewRRRソリューションに賛同するソリューションベンダー各社を加え、今まで以上に強力な協業体制の構築を今年度中に実現する予定です。そして、全体として我が国の中小・中堅企業に対してNewRRRを使用した安価で質の高いソリューションの提案とその提供を継続的に実施していきます。
 また、SWaNはこの度の会社設立に合わせて、中小・中堅企業に向けたトータルソリューションをより実効性の高いサービスとするため、ベンチャー企業への資金調達を含めた経営サポートで定評のあるビーエー東京監査法人(本社:東京都港区、代表:原伸之)と業務開発面で相互に協力していくことで合意しています。さらに、ソリューションサービスの継続的な質の向上を実現するため、他の製品及びサービスベンダーやハードベンダーなどと戦略的なアライアンスをこの他にも積極的に推進していく予定です。


<NewRRRを利用したソリューションベンダー>
 WL、NTT東日本及びSMISOLの3社以外の主なNewRRRを利用したソリューションベンダーは以下のとおりです。今後のソリューションベンダーの拡充については、今回のSWaNの設立を機に積極化させていく予定ですが、ソリューションの質の維持及び向上を優先事項と考えることから、今年度末に30社程度を目標としており、その後については毎年度、堅実な増加を実現していく計画です。

株式会社アルゴ21(本社:東京都中央区、社長:大岡正明、東証一部)
キッセイコムテック株式会社(本社:長野県松本市、社長:神澤鋭二)
埼玉情報サービス株式会社(本社:埼玉県秋津市、社長:指田耕作)
システム・アルファ株式会社(本社:群馬県前橋市、社長:廣山武雄)
東芝エンジニアリング株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:桑原彰)
株式会社トスコ(本社:岡山県岡山市、社長:真田潤治)
日本コムシス株式会社(本社:東京都港区、社長:武内宏允、東証一部)
株式会社ハイエレコン(本社:広島県広島市、社長:垣原正紀)
日比谷計算センタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:中村稔)
株式会社プライムシステム(本社:東京都江東区、社長:永田仁、ナスダック・ジャパン)
株式会社ランドコンピュータ(本社:東京都目黒区、社長:田村秀雄)

など  



BPR(Business Process Reengineering)
 収益率や顧客満足度向上などといった目標を達成するために、業務内容やその流れ(ビジネス・プロセス)を分析し最適になるように再設計した上で、実際に業務内容や組織を変更したり事業分野のリストラクチャリングを実施したりすること。1990年代初頭に米国で提唱された。以前からあったTQC(トータル品質管理)が部門内の日常的な業務改善であるのに対し、BPRは企業活動全体を対象とした総括的な改革である。


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