※1 代表 鶴渕真一(つるぶちしんいち)※2 代表取締役 鎌田浩史(かまたひろし)※3 代表取締役 澤和寛昌(たくわひろまさ) ※4 千葉事業部長 境麻千子(さかいまちこ)以下、NTT東日本、※5 市長 太田洋(おおたひろし)
千葉県いすみ市は県内でも有数の農地面積を誇り、さまざまな農産物を生産しています。特に生物多様性の保全など環境への負荷低減を図った有機作物の栽培に力を入れており、市の有機米生産団体「市環境保全型農業連絡部会」は、農林水産省が実施する「令和元年度未来につながる持続可能な農業推進コンクール」で最上位となる農林水産大臣賞を受賞するなど、成果が上がっています。一方で、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増大など、いすみ市の農業を取り巻く環境は厳しさを増しつつあります※6。
いすみ市で農業を営むつるかめ農園では、自然との調和と循環をテーマに、肥料も農薬も使わない「自然栽培」で米作りを行っています。除草剤を使わない自然栽培の米作りでは、雑草対策の一つとして「深水管理※7」の技術を用いることから、除草剤を使う稲作と比べ水田の水管理をより厳密に行う必要があり、1日1回以上の見回りは欠かせません。例年、繁忙期である4月〜6月はアルバイトのスタッフの力も借りて作業を行いますが、今年は新型コロナウイルスの影響もあり作業に参加してもらうことが難しく、飛び地を含む40枚以上の水田の水管理は、つるかめ農園にとって負担になっていました。
こうした中、いすみ市と連携協定を締結し、ICTを活用した地域活性化に取り組むNTT東日本は、千葉発のベンチャー企業で、無線機器の開発設計・製造を得意とするワイヤレスデザインと、企業のIoT導入をワンストップでサポートするIoTBASEと連携し、有機米栽培における水管理の効率化に取り組むこととしました。
※6 いすみ市の水稲経営体数は、2005年から2015年にかけて約40%減少
(e-Stat 農林業センサスよりhttps://www.e-stat.go.jp/)
※7 有機栽培における雑草防除のための手法の一つ。水田の養分を吸ってしまうノビエ等の生育を抑える効果が期待できる。
無線と光回線を経由して水位データをクラウドへ送信、IoTデータ可視化アプリを通じて、水田の水位を常時監視できます。日々の見回り稼働を軽減するとともに、漏水をいち早く検知し、速やかに対処できるようにします。
【構成イメージ】
【水位センサーの仕組み】
※8 主要なSNSへの通知も対応予定 ※9 本取り組みはトライアル中であり、機能や価格、ビジネスモデル等の詳細は、終了後に検討します。
2020年6月〜2020年8月
トライアルで得られた知見を活用し、有機米の生産プロセスの効率化を引き続き支援するとともに、物流、販売まで含めた、いすみ地域における農業分野のトータルでの課題解決に向けて検討を進めます。
また、通信ネットワークの産業横断的な有効活用についても検討することで、ソリューションの導入障壁をさらに低くするとともに、いすみ地域のさまざまな分野で課題解決を推進していきます。
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