千葉支店 千葉西支店


支店ホーム > お知らせ > 千葉市とのAI-OCR/RPA活用実証実験結果について〜税業務において高い読取精度と時間削減効果を実現! 〜


ニュースリリース

NTT東日本 東日本電信電話株式会社

2019年5月28日
千葉事業部

千葉市とのAI-OCR/RPA活用実証実験結果について
〜税業務において高い読取精度と時間削減効果を実現! 〜

東日本電信電話株式会社千葉事業部(事業部長:池田 敬 以下、「NTT東日本」)は、千葉市の税業務をフィールドとし、AI-OCR※1による実帳票の読取精度及び、AI-OCR/RPA※2による業務効率化の効果を検証しました。
   千葉市では、少子高齢化、市民の価値観・ライフスタイルの多様化など社会環境が変化する中、ITや限られた人的・経済的資源を有効に活用することにより、市民サービスの維持・向上、行政運営の効率化を推進しています。NTT東日本は『DXSuite®』※3のAI-OCR技術と、『WinActor®』※4の RPA技術を組み合わせることで、「紙を使用した業務の効率化」という、自治体に共通して存在する庁内課題解決に貢献できると考え、本実証実験に至りました。

 

  • ※1AI-OCR =AI( 人工知能)の技術を組み込んだOCR(光学的文字認識)。
  • ※2RPA=Robotic Process Automation の頭文字。ソフトウェアロボットが業務プロセスを自動で処理する。
  • ※3「DXSuite®」大量の紙書類を高精度で仕分け・データ化し、業務効率化を支援するAI inside株式会社が商品化したAI-OCR。
  • ※4「WinActor®」NTTアクセスサービスシステム研究所で研究開発された技術をベースに、NTTアドバンステクノロジ株式会社が商品化した純国産RPA)。

1.実証実験内容

今回の実証実験では、AI-OCRで帳票をデジタル化しRPAで千葉市税務情報システムへ自動入力することで業務効率化を図るため、千葉市役所課税管理課の個人住民税、法人住民税の業務を対象とし、AI-OCRによる対象帳票の読取精度及びAI-OCR/RPAによる職員の業務時間の削減効果を測定しました。
業務効率化により創出できた時間は、創造的事業や市民へのコミュニケーションに充てるなど、職員稼働の有効活用が期待できます。

<対象業務>

市民や企業からの申請帳票内容を、職員が税システムへ手入力で投入している業務を選定しました。その中でも、特に年間処理数が多く、帳票が定型化されている個人住民税、法人住民税の業務を本実証実験の対象にしました。

対象業務 対象帳票 年間処理件数
個人住民税 給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書(千葉市様式)
従業員の退職・休職・および転勤等の事由が発生した場合に、事業主が従業員の居住している自治体に対し提出する帳票
年間約55,000件※5
法人住民税 確定・中間申告書 (千葉市様式およびeLTAXでの申請書)
法人が、事務所や寮等を設置している自治体に対して事業決算に基づき毎年提出する帳票
年間約27,000件※5
  • ※5 今回実証実験対象とした千葉市様式以外の帳票も含めた対象業務の年間処理件数。

<対象業務フロー>

現状業務フロー内の赤枠部分をAI-OCR/RPAに置き換え、検証を実施しました。

機器構成


2.実証実験結果

<AI-OCRの測定方法及び読取精度検証>
  1. (1)測定方法
    読み取りをした総文字数(①)に対して、職員が補正した文字数(②)をカウントし、総文字数に対して補正を行わなかった 文字数(①−②)の割合を読取精度として算出しました。
  2. (2)測定結果
    総文字数に対して『96.26%』と高い読取精度となり、実帳票のデジタル化への有用性を確認できました。なお、業務別では、活字帳票である法人住民税(eLTAX申請)は『98.32%』、手書き記入かつ住所等の自由記入欄が多い個人住民税の帳票においても『94.82%』といずれも高い読取精度が確認できました。
<削減時間検証>
  1. (1)測定方法
    手入力でのシステム投入時間と、AI-OCR/RPAでのシステム投入時間を計測し、帳票1枚あたりの平均時間を年間処理時間に換算しました。
  2. (2)測定結果
    個人住民税では、年間で約602時間もの削減効果を得ることができました。従来は複数項目の入力やプルダウンからの選択など、入力作業に時間を要していましたが、AI-OCRの高い読取精度により補正作業時間が抑えられたことが、削減のポイントとなりました。
    一方、法人住民税では申請内容の補正が必要となる場合があり、今回の実証実験ではその判断基準やノウハウをAI-OCRの帳票定義、RPAのシナリオに反映するところまで至らず、削減効果を得ることができませんでした。
    なお、本実証実験では全体業務フローの一部に限定的にAI-OCR/RPAを適用しましたが、今後、全体業務フローの見直しと共に適用業務を拡大することで、より多くの削減効果につながると考えています。

3.想定される効果について

AI-OCRは、手書き/活字 共に読取精度が高く、帳票のデジタル化への有用性を確認できました。この結果から、本運用時の想定導入フローでは、AI-OCR読取結果に対する確認・補正作業は実施せずに、システム投入後の確認作業においてエラーデータの確認やシステム修正を実施することで、帳票のデジタル化からシステム投入までの自動化が可能と考えられます。その場合、個人住民税の業務削減時間は、年間で最大約1,283時間と想定されます。なお、同時に全体業務フローの見直し、RPAのシナリオ精度向上等の改善が必要です。

機器構成


また、AI-OCR/RPAは一連の操作が容易なため、新任職員や繁忙期における臨時職員が活用することで、更なる時間削減と自動投入による正確性向上が期待できます。


4.今後について

本実証実験により、自治体業務へのAI-OCR/RPA導入に向けた効果と課題の洗い出しができ、より効果的な導入検討が可能となりました。今後は本導入に向けて、「対象業務の見極め」「帳票の統一化」「運用保守体制の整備」等を検討しつつ自治体業務における更なる業務改善、効率化の支援を検討してまいります。



報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。