(3)三宅島全島停電に伴う非常用発電機への燃料補給

 ホテルシップ内にNTT東日本等も現地災害対策本部を設置し、通信確保に努めていたが、天候悪化に伴い、9月5日午前9時30分に東京電力による商用電源が停止された。これにより、三宅島を経由して通信を行っている周辺4島の通信への影響が予想されたため、同日午後1時に「三宅島雄山火山活動に伴う災害対策本部」をNTT東日本東京支店(東京都港区)内に設置し対応を開始した。

 商用電源停止に伴い、非常用発電機を設置しているビルについては発電機の始動を確認し、その他のビルではバッテリーにより電力を確保した。
 商用電源の供給は、9月6日の早朝に一旦復旧したが、9月16日の台風17号の接近により、島に残留していた災害対策関係者がホテルシップ(かとれあ丸)で東京竹芝港へ帰港したため、三宅島は「無人の島」となり、東京電力も再び商用電源を停止した。

 その後もNTT東日本等では、非常用発電機の運転により通信設備の機能維持を行っている各ビルへ、燃料補給と潤滑油の交換を1週間間隔で実施した。
 NTT東日本三宅ビルに設置している燃料タンクの容量が小さいため、タンクローリー車を海上輸送し、三宅ビルの燃料タンクに接続し、給油間隔を長く出来るような措置を実施した。

 その後、東京都現地災害対策本部は復旧活動拠点をホテルシップから神津島村営ロッジに移設。
 NTT東日本等も神津島の民宿に現地災害対策本部を移し、火山ガスや泥流等の状況を見ながら、小型船舶(漁船)で島間を往復しつつ、復旧作業を続けた。


【非常用発電機の連続運転のための燃料補給、潤滑油取替回数】
【非常用発電機の連続運転のための燃料補給、潤滑油取替回数】
※12月27日の全ビルの通信機能停止実施時まで継続
NTT東日本三宅ビル燃料補給、潤滑油取替え作業


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