|
| 現在、時刻は独立行政法人 情報通信研究機構の原子時計によって正確な時間が測定できるようになっています。しかし、正確な時間を測定する技術が進歩することで、地球の回転速度にはムラがあり、いつでも同じ速度で回転しているわけではないということがわかっています。
そのため、地球の自転が遅い状態が続いたり、自転の速い状態が続くと、地球の自転によって決まる時刻と、原子時計によって決まる時刻にずれが生じることから、時刻のずれを修正するために「うるう秒」を実施しています。地球の自転速度は、原子時計と比較されながら観測が続けられており、地球の自転と原子時計によって決まる時刻の差がプラスマイナス0.9秒の範囲に入るよう、「うるう秒」による調整が実施されます。
過去における時報サービスの「うるう秒」の調整方法は、指定時刻の100秒前から秒音を100分の1秒ずつ長くし、時刻を1秒遅らせて調整してきました。「うるう秒」の調整は、1972年7月1日に第1回の調整を行い、現在まで22回実施しています。(最近では1999年1月1日に実施) |
【2.時報サービスの歴史とエピソード】 |
| ■ 交換取扱者が時刻をお知らせしていた時代も |
| | 「時報サービス」がスタートする以前にも、現在と同様に電話での時刻の問い合わせを受け付けていました。当時は、交換取扱者が時刻の問い合わせ一本一本に対して「何時何分です」と案内するものでした。1951年に、時刻の問い合わせには「午前、午後の区分を省略して分単位までを通知するが、秒数は判明する場合でも通知しない」という通達が出されていました。
交換取扱者が見る時計は、交換台についている時計や室内の振り子時計だったことから、秒単位までの詳細な時刻についてはお知らせできませんでした。 |
| ■ 録音によるテレホンサービス第2号「時報サービス」の誕生 |
| | 「時報サービス」は、先に実施した天気予報サービスが極めて好評を博し、録音によるテレホンサービス第2号として、 1955年6月10日(時の記念日)に東京で始まりました。
当初、電話番号は「223番」でスタートし、午前6時から午後10時までという条件付きでした。
「1日約1万回程度の利用だろう」という、当初の予測を大幅に上回り、初日1日で約5万3,000回もの利用が殺到しました。その後も利用は増える一方で、交換機を冷やしながらサービスを提供しておりました。
東京で交換機を冷やしながら使うほどの大成功をおさめた「時報サービス」は、同年9月には横浜、10月には大阪、11月には名古屋、12月からは京都、神戸でも開始され、徐々に全国に広まりました。
また、番号は提供地域によって異なりましたが、1964年3月に「117番」に統一されました。 |
| |
<時報サービス提供番号> |
|
1955年 |
6月10日 |
東京 |
「223」 |
|
|
9月 1日 |
横浜 |
「1178」 |
|
|
10月 1日 |
大阪 |
「1178」 |
|
|
11月 3日 |
名古屋 |
「511」 |
|
|
12月 1日 |
京都、神戸 |
「1178」 |
|
(1957年 |
1月 1日 |
附帯サービスとしてサービス本実施) |
|
1964年 3月〜 提供番号を 「117」に全国統一 |
|
|