平成14年7月30日
報道発表資料
株式会社日本入試センター 代々木ゼミナール
株式会社東京リーガルマインド
学校法人瓜生山学園 京都造形芸術大学
東日本電信電話株式会社


著作権保護技術を用いた
コンテンツ配信共同実験の実施について


 株式会社日本入試センター 代々木ゼミナール(以下 代々木ゼミナール、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:高宮 英郎)、株式会社東京リーガルマインド(以下 東京リーガルマインド、本社:東京都港区、代表取締役社長:反町 勝夫)、学校法人瓜生山学園(うりゅうやまがくえん) 京都造形芸術大学(以下 京都造形芸術大学、京都府京都市、理事長:徳山 詳直)、東日本電信電話株式会社(以下 NTT東日本、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:三浦 惺)は、ブロードバンドネットワークでの映像コンテンツの流通促進のため、著作権保護技術(*1)を用いたコンテンツ配信の実験を平成14年8月1日(木)から実施します。
 著作権保護技術にはMicrosoft Windows MediaTM Rights Manager(*2)を利用し、NTT東日本がBtoB(企業への配信)、BtoE(社員への配信)およびBtoC(コンシューマへの配信)といった複数の配信モデルを想定し開発した映像コンテンツ配信プラットフォーム上で本実験を行います。


1.背景
 ブロードバンドネットワーク上で有料の映像コンテンツの流通を促進するためには、コンテンツ所有者が安心してコンテンツを配信できる著作権保護技術が必要になっています。また、著作権保護技術を用いて安全にコンテンツを配信することにより、映像コンテンツのストリーミングによる配信に加えて、ダウンロードでの配信やCD-ROM等のメディアによる配布等の様々な形式でのコンテンツ流通も促進されるものと考えられます。
 このようななか、代々木ゼミナール、東京リーガルマインドおよび京都造形芸術大学は、ブロードバンドネットワークでの映像コンテンツの配信手法を検討するため、NTT東日本が開発した映像コンテンツ配信プラットフォーム上で、配信実験を実施します。


2.実験の概要
(1)目的
ブロードバンドネットワークでの映像コンテンツ配信手法の検討(実験参加企業)
著作権保護技術を用いた映像コンテンツ配信プラットフォーム技術の検証(NTT東日本)

(2)実験内容
 NTT東日本が想定した、BtoB(企業への配信)、BtoE(社員への配信)およびBtoC(コンシューマへの配信)の配信モデル(*3)について、視聴端末へのコンテンツ配信方法、配信ネットワークおよび視聴端末による差異を検討し、著作権保護技術を用いたコンテンツ配信の要素技術やサービス性の検証を実施します。配信ネットワークは、インターネットおよび地域IP網(東京都内)を利用します。(別紙参照)

 <具体的な実験内容>
代々木ゼミナール 分校/提携高等学校向け配信(BtoB、BtoE)
 代々木ゼミナール代々木校での授業映像を、分校や提携高等学校に著作権保護された映像コンテンツとしてストリーミング、ダウンロードおよびCD-ROM等のメディア形式で配信もしくは配布します。著作権保護技術を用いて、代々木校からの指示により各授業を視聴できる端末を各拠点の複数の端末に限定し、学校間での配信モデルを検証します。視聴端末として一部セットトップボックス(*4)を使用します。


東京リーガルマインド モニター会員向け配信(BtoC)
 ブロードバンドネットワーク利用者の中からモニター会員(500名程度)を募集し、東京リーガルマインドの「宅建講座」「社労士講座」などの人気講義をストリーミングおよびダウンロードで配信します。著作権保護技術により、ネットワーク上でモニター会員に応募された方に限り講義を視聴する場合の配信モデルを検証します。なお、モニター希望の方は、平成14年8月1日(木)より、下記URLから申し込むことができます。
 URL:http://www.lec-jp.com/bb/


京都造形芸術大学 通信教育生向け配信(BtoE)
 学生の受講講座と端末を指定し、開設中のサイバーキャンパスにてストリーミングおよびダウンロードにより授業配信を行います。ネットワークを活用した遠隔教育における受講者を限定した配信モデルの著作権保護技術の有効性と、本実験プラットフォーム上で可能な芸術表現手法と学習効果を検証します。京都造形芸術大学では来年度以降に様々な芸術の講義を配信するためのトライアルとして位置付け、本実験期間中では歴史遺産学科小川後楽教授による「煎茶」をテーマにした講義などを配信する予定です。

(3)期間
平成14年8月1日(木)〜平成14年10月31日(木)


3.各社の役割
(1) 実験参加企業(代々木ゼミナール、東京リーガルマインド、京都造形芸術大学)
コンテンツの作成、提供
視聴コンテンツの有用性の評価

(2)NTT東日本
映像コンテンツ配信プラットフォームの提供
セットトップボックスの提供(代々木ゼミナールにおける配信実験での利用)




(*1)

著作権保護技術(DRM):映像コンテンツを暗号化して配信し、視聴する権利を持つ視聴者や端末に対して映像コンテンツを復号化するためのライセンスを発行して、ライセンスが有効な場合に限り映像コンテンツを表示する技術。

(*2)

Microsoft (R) Windows Media TM Rights Manager:著作権保護を行うソフトウェア。なお、Windows Media は、米国 Microsoft Corporation の米国、およびその他の国における商標です。

(*3)

配信モデル:配信モデルによって求められる技術要件に違いがあるため、今回の実験では配信モデル毎の技術的検証を行います。例えば、BtoBモデルでは、コンテンツを購入する端末とコンテンツを視聴する端末が必ずしも同一ではないため、その制御等について検証します。その他、BtoEモデルでは、研修など従業員/受講者向けの配信におけるコンテンツ提供者の視聴可能コンテンツ制御、BtoCモデルでは、視聴者個人が視聴可能コンテンツを選択する配信形態等について検証します。

(*4)

セットトップボックス:TVで映像コンテンツ等を視聴可能にする装置。



(別紙)著作権保護技術を用いたコンテンツ配信共同実験イメージ図


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