NTT東日本とNTTは、ブロードバンド時代のコミュニケーションのあり方、新しいビジネスモデルやライフスタイルの可能性を探るため「Biportable(バイポータブル)」*1のトライアルを本年3月から8月までの半年間、東京の渋谷駅周辺エリアを中心に実施します。
本トライアルは、NTT東日本の光IPネットワークと、NTTアクセスサービスシステム研究所(以下 AS研)が世界で初めて開発した高速無線技術AWA*2を利用したものです。
*1 |
Broadband IP Platform with the Optical & Radio Technical Abilityの略称。
光ファイバと無線の融合による新しいブロードバンド時代の幕開けを表すための造語。 |
*2 |
Advanced Wireless Accessの略称。
国内ではMMAC(マルチメディア移動アクセス推進協議会)/ARIB(電波産業会)に準拠し、国外ではETSI(欧州電気通信標準化機構)−BRAN(Broadband Radio Access Networks)に準拠した無線アクセス方式。 |
1.「Biportable」の概要(トライアル環境)
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| 「Biportable」は、簡単、快適かつ高速・高品質なブロードバンド環境をパーソナルかつポータブルに提供するため、次のような環境により実現します。
(1) |
光ファイバをアクセスラインとする広帯域ネットワークを構築し、ブロードバンド環境に対応したリッチ(大容量)コンテンツへストレスのないアクセスを実現しました。 |
(2) |
さらに、コンテンツサーバ・認証サーバおよびネットワーク管理機能をNTT東日本ビル内に設置し、モニタ用端末までのエンド to エンド広帯域通信環境を確保します。 |
(3) |
トライアルエリア内のタウンやオフィス、家庭等の各スポットの屋内部分には、AS研が開発したAWAを導入しました。これにより、屋内配線を必要としないだけでなく、全てのスポットにおいてシームレスに同一の端末を利用することが可能です。 |
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2.「Biportable」の特徴(システム構成は別紙1) |
| (1) AWAによる36Mbps高速ワイヤレスアクセス(屋内無線部分) |
| | <1>36Mbpsの高速アクセス |
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屋内高速通信用周波数5GHz帯を使用して、最大36Mbpsの高速伝送を可能とします。既存の無線LAN(11Mbps)と比べて実測値で3倍強の帯域を確保しています。 |
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36Mbpsの帯域は、端末の状況に合わせて「上り」「下り」それぞれ柔軟に設定することでができます。例えば、動画を発信する場合には、「上り」を高速「下り」を低速にした帯域設定を行なったり、TV会議などの双方向での映像系コンテンツを利用する場合には「上り」「下り」とも高速の帯域を設定できます。 |
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一つの無線装置(基地局)で半径100mをカバーします。また、最大122ユーザが同時接続可能です。 |
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| | <2>無線区間に最低帯域保証 |
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無線区間で利用する帯域を保証する「最低帯域保証」を実現することにより、今まで利用できなかった動画像等のリッチコンテンツをストレスなく利用できます。 |
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| | <3>端末のポータビリティ |
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無線基地局における認証とネットワークの位置管理機能により、タウンスポット、オフィス、キャンパス、ホームなど様々な屋内スポットでも同一端末で設定変更等の必要なく、シームレスに利用できます。 |
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| (2) 高速光IPネットワーク |
| | <1>高速IPネットワーク(加入者回線部分) |
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アクセスラインに光ファイバを利用し、ギガイーサ(1Gbps)技術とファストイーサ(100Mbps)技術を利用することによって、大容量の通信を確保できます。これにより、無線区間の36Mbpsのデータをスムーズかつ最大限に送受信できる高速光IPネットワークを構築しました。 |
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| | <2>リッチコンテンツの配信 |
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最新のストリーム配信技術に対応したサーバ群をネットワーク内に設置していますので、数Mbpsクラスのリッチコンテンツの配信がオンデマンドにより可能です。 |
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ECサーバによる課金・認証機能を実現していますので、擬似課金情報の提供が可能です。 |
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| | <3>位置管理によりシームレスに利用可能 |
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・ |
端末に対する位置管理機能をネットワーク側に構築しており、端末のIPアドレス設定については、使用のたびにネットワーク側から自動的に行います。これにより、端末が移動しても、いちいち設定変更をすることなく様々なスポットでのシームレスな利用が可能です。 |
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| | <4>多彩なアプリケーション |
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多地点をフラットに結ぶ光IPネットワークにより、サーバと端末間のみならず、端末間の直接通信も可能です。 |
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IP−VPNによるセキュリティを提供することにより、ホームやタウンスポットから企業内NWへも高速アクセスが可能です。 |
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3.トライアルの概要 |
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(1) |
期間
平成13年3月〜8月(予定) |
(2) |
場所
東京の渋谷駅周辺を中心としたオフィス、タウンスポット、ホームエリア(別紙2) |
(3) |
実施規模
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(4) |
参加モニタ
<1> |
オフィス、ホームにおける継続的なモニタとして、渋谷駅周辺のネットベンチャー企業の勤務者、インターネットヘビーユーザ、大学生、OL、主婦などを選定します。 |
<2> |
渋谷駅周辺のタウンスポット(屋内)を中心に体験コーナーを常設し、一般の方々へも公開します。 |
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継続的モニタには、カード型無線端末及びPDA一体型端末(本年5月から提供予定)をご利用いただきます。(トライアル使用機器は別紙3) |
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(5) |
コンテンツ・アプリケーション等(別紙4)
トライアル期間中40を超える企業がコンテンツやアプリケーション等を提供し、新たなビジネスモデルの創出を模索します。
<1>インタラクティブ(双方向)型 |
: |
モニタ・参加者が双方向でつながる。 |
<2>オンデマンド(配信)型 |
: |
オンデマンド形式の豊富なコンテンツ。 |
<3>発信型 |
: |
モニタ・参加者自身のコンテンツ発信。 |
<4>アプリケーション |
: |
企業ユースや毎日の利用に便利な機能。 |
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4.各社の役割 |
| (1)NTT東日本 |
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高機能ブロードバンドIP網の構築 |
・ |
ビジネスモデルの検討 |
・ |
トライアルの企画、運営 |
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| (2)NTT(AS研) |
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| (3)パートナー企業(別紙5) |
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リッチコンテンツの提供 |
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アプリケーションの提供 |
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屋内スポットの展開 |
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対応端末の製造 |
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新しいライフスタイルやビジネスの検討 |
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5.「Biportable研究会」の発足等 |
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(1) |
「Biportable」による新しいライフスタイル・ビジネスの創造の観点から、トライアルモニタ及び広く一般の方々からコンテンツやアプリケーションに関するアイデアをトライアル用WEBページ等を通じて募集します。 |
(2) |
有識者及びトライアル参加企業等の参加を得て、株式会社ネオテニーを事務局とする「Biportable研究会」を発足し、「インタラクティブ」「ハイクオリティ」「パーソナル」に着目したコンテンツやアプリケーションの検討を行っていくこととします。 |
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6.今後の予定 |
| 本トライアルにおける検証を通じて、本格展開を検討していきます。 |