平成12年3月15日
報道発表資料

東日本電信電話株式会社
エヌ・ティ・ティ・フェニックス通信網株式会社


インターネットやイントラネット・エクストラネット上での
「多地点IPテレビ会議サービス(仮称)」実用化実験の
開始について


 東日本電信電話株式会社(以下 NTT東日本、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上 秀一)とエヌ・ティ・ティ・フェニックス通信網株式会社(以下 NTTフェニコム、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金箱 光人)は、専用のテレビ会議端末がなくても、既存のパソコンを利用してインターネットやイントラネット・エクストラネット上で複数の地点を結び、音声・映像・データの共有が行なえる「多地点IPテレビ会議サービス(仮称)」の実用化実験を、平成12年3月16日(木)から開始します。


1.実験の背景

 現在、日本ではISDNに対応したH.320準拠のテレビ会議システムが、企業内会議や遠隔教育など様々な分野で利用されており、NTT東日本/NTT西日本のフェニックスシリーズ*1は約6万台が普及しています。

 一方、米国等ではインターネットの普及に伴い、インターネットプロトコル(TCP/IP)に対応したH.323準拠のテレビ電話端末等が急速に伸びています。日本においても、企業や大学でLAN環境が整備され、家庭にもインタ−ネットの利用が急速に伸びてきており、既存のネットワーク環境を使ってテレビ会議を行ないたいと言う要望が多くなってきました。また、従来、テレビ会議の中で、資料映像を扱う場合、配信映像が不鮮明であることに加え、資料と発言者の映像を同時に見ることができないという問題がありました。

 こうした中、イントラネットやエクストラネット等インターネットに接続しているパソコンを利用して、もっと簡便・鮮明に資料を共有し、テレビ会議を行ないたいとのニーズが高まってきました。


2.「多地点IPテレビ会議サービス(仮称)」実用化実験の特徴

 「多地点IPテレビ会議サービス(仮称)」は、既存のパソコンにH.323準拠のテレビ会議用ソフトウェアをインストールし、インターネット経由でIP対応多地点接続装置*2に接続することで、テレビ電話端末がなくても、簡単にかつ安価で、多地点間でのテレビ会議を開催できます。本サービスでは、映像・音声のやりとりのほか、データの共有も多地点間で可能となるため、リアルタイムでインタラクティブな多地点IPテレビ会議サービスが可能となります。

 実用化実験は協力企業、大学等と共同で進め、特にビジネスや遠隔教育分野での早期実用化に向け、ネットワーク上でのセキュリティの問題や既存のネットワークを利用することの影響などを整理・解決していきながら、市場性の検証、新規アプリケーションの開発等を中心に行ないます。(実験イメージは別紙を参照ください。)


3.利用イメージ

(1) ホームページ上で、多地点IPテレビ会議サービスの予約を行ないます。
(2) 予約時間にパソコンからH.323準拠のテレビ会議用ソフトウェアを起動し、設定画面に多地点会議用IPアドレスを入力します。
(3) 接続画面をクリックすると多地点IPテレビ会議サービスが開始されます。
(4) 参加者側でパソコンの画面上のボタンをクリックするだけで、音声・映像・データを共有した多地点IPテレビ会議が可能となります。


4.各社の役割

(1)NTT東日本 インターネットやイントラネット・エクストラネット上におけるIPテレビ会議サービスの接続性の検証及び適応可能なIPネットワークの伝送品質についての技術的検証を行ないます。
(2)NTTフェニコム インターネットやイントラネット・エクストラネット上の多地点におけるIPテレビ会議サービスの実用化を検討していきます。
(3)各協力企業等 実験を通じて、企業内会議、遠隔教育など様々な場面での操作性の検証や伝送品質の評価を行ないます。


5.実用化実験協力企業等

 実用化実験には、NTTフェニコムの「テレビ会議多地点接続サービス」の会員企業のほか、日本ディスタンスラーニング学会*3、日本コンピュータサイエンス学会*4、スマート・キャンパス協議会*5に加盟されている方にご参加いただく予定です。


6.実験期間

 平成12年3月16日(木)〜平成12年8月31日(木)


7.今後の予定

 多地点IPテレビ会議サービスは、インターネットやLANに接続されたパソコンから簡単に利用でき、利便性にすぐれていることから、企業内会議や遠隔教育で手軽にご利用いただけるよう、実用化実験の結果を踏まえ、NTTフェニコムの「テレビ会議多地点接続サービス」のラインナップの一つに加えていく予定です。

 また、ISDNや次世代移動体通信網など異なるネットワーク間のテレビ会議を可能とするゲートウェイサービスの実用化に向けた検証も合わせて行ないます。




*1: フェニックスシリーズ
国際標準H.320に準拠しISDN回線で利用できるテレビ会議システムで、パソコン対応型でキットタイプのフェニックスや接続と操作が簡単なオールインワンのルームタイプ型のフェニックスワイド、小型で安価なテレビ電話のフェニックスミニがあります。

*2:

IP対応多地点接続装置
従来のISDN対応型の多地点接続装置とは通信方式が違い、IP通信に対応した多地点接続装置。今回の実験では、NTT東日本とNTTフェニコムが設置。

*3:

日本ディスタンスラーニング学会(会長:磯田浩)
平成10年5月に設立。学習者がオンデマンドで学べる教育(遠隔学習)を目指した日本で初めての学会。

*4:

日本コンピュータサイエンス学会(理事長:法橋尚宏)
医学、看護学、歯学、薬学、農学、理学、工学などに関連する領域の研究者間で、ユーザの立場から、コンピュータサイエンスに関する情報を交換する学術的な場を提供することを目的に、平成8年4月に設立。

*5:

スマート・キャンパス協議会(代表幹事:杉野昇)
平成9年12月に設立され、現在、(株)紀伊國屋書店、凸版印刷(株)、富士ゼロックス(株)、(株)三菱総合研究所、東日本電信電話(株)により構成。
大学の知的資源と経済界の先端経営資源を共有しながら社会人の生涯学習への支援体制を革新するため、各種調査研究、遠隔教育事業・社会人再教育事業の企画実施、情報収集及び提供事業を積極的に推進。



[別紙]
多地点IPテレビ会議サービス(仮称) 実用化実験イメージ


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