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- 悩み5
第5回は、大規模停電などが発生した時の企業としての対応や連絡方法について考えていきます。
BCP対策していますか?

- 社長「震災から1年が経ったか……売り上げが減るなど、長い1年だった。」

- 相談役「震災直後は本当に大変でした。製品在庫が地震で崩れて出荷ができなくなったり、停電の影響で取引先の生産ラインが停止した時期もありましたし。事業計画を修正するのに3か月ほどかかりました。」

- 営業「震災直後は、電話が通じにくかった時期もありましたね。部材発注の連絡に行き違いがあって、一部の商材が届かなくなって、販売計画が大きくズレたりとか。」

- 社長「取引先やお客さまにもご迷惑をかけてしまったな。大きなトラブルにはつながらなかったが、地震や停電などは今後も起きるかもしれない。いざという時の対策を考えないといけないな。」

- 相談役「最近ではこうした事態に備えて『BCP』というのを立てる企業が増えているようです。自治体でも推進しているみたいですね。」

- 社長「BCP?」

- 相談役「私も詳しくは知らないので、知識のある専門家を呼んでみましょう。」
数日後…

- ヒガシ進「こんにちは。中小企業診断士のヒガシ進です。えーとBCPのお話でしたね。BCPはBusiness Continuity Planの略で、事業継続計画とも言われています。災害や事故などの予想外のことが起きた時に、事業活動を継続するための方策をあらかじめ決めておいて、企業価値の低下を減らすこと、究極的にはそれによる廃業の危機を回避すること目指すものです。」

- 社長「なるほど。もうちょっと具体的に、どうするか聞きたいな。」

- ヒガシ進「BCPのポイントは、
(1)災害や事故などの影響により少ない人員の中で、優先して継続しなければならない事業を特定しておくこと
(2)復旧までに必要な時間を予想して、それができるかを確認しておくこと
(3)こうした事態への対応方法を取引先や顧客、社員などにも伝えておくこと
(4)複数の回避策をあらかじめ用意しておくこと
といったところでしょうか。」

- 営業「前回の震災で大きな問題になったのは、商材の調達周りと、弊社の取引先との調整ですね。」

- 相談役「震災後の数日間は、社内の携帯電話を含めた電話網が混雑し、停電により電話設備が使えなくなるなど、電話による連絡が取りづらい状況でした。弊社の場合は、それが後々尾を引いて売り上げに影響が出てしまいました。」

- 社長「お客さまからも、納品日程の確認やサポートに関するクレームもたくさんあった。当時は震災の影響ということで、納得して頂けたので助かったが、次に何かあったらそうはいかないだろう。」

- ヒガシ進「では御社の場合は、電話による連絡を継続させるのが、最優先のポイントのようですね。震災直後は電話が混雑して通じにくくなったのですが、実はSkypeやMessengerなどのインターネットコミュニケーションツールは比較的通じやすかったので、連絡手段としては、これを活用するという手がひとつあります。」

- 営業「社内の場合はその方法は有効だと思いますが、取引先は事業部署単位のメールアドレスがない場合もありますので、なかなかメールやSkypeだけで調整するのは難しい気がします。」

- ヒガシ進「IP電話も、今は対応ルーターに給電できるモバイルバッテリーがありますから、それを使うとより安心ですね。それから、災害や事故に遭った事業所とは離れた場所にある事業所が使えるようなら、IP電話の一括転送や故障・回復通知機能を活用する手があります。」

- 相談役「ほう?それはどんなものですか?我々でも使える機能でしょうか。あまり難しい操作をする必要があるようだとちょっと困りますが。」

- ヒガシ進「いえ、難しい話ではないですよ。IP電話の一括転送機能というのは、あらかじめ指定しておいた電話番号に一括で転送するというものです。ただし、一括転送機能だけでも便利なのですが、今回のような震災や停電対策には、併せて活用すると便利な機能があるんです。」

- 社長「それは?」

- ヒガシ進「一括転送機能のみの場合、一括転送の開始や終了処理などを手動でやらなければいけないんです。つまり時間外・定休日の電話の転送といった日常業務向けの機能ですね。」

- 営業「うーん、何かあった時、手動で切り替えないといけないのでは、ちょっと使いにくいですね。」

- ヒガシ進「そのために用意されているのが、故障・回復通知機能です。この機能は、事業所などで停電や電話設備の故障が発生した場合、それをネットワーク側で自動で検知して一括転送を起動、電話の転送を開始してくれます。」

- 相談役「なるほど。」

- ヒガシ進「また、あらかじめ登録しておいたメールアドレスに、電話設備の故障などにより着信できないことなどを、メールで通知してくれるのです。一括転送先を携帯電話などに設定し、故障時等のメール通知先として社内の関係者などのメールアドレスを登録しておけば、取引先の企業が誰とも連絡が取れないままムダに時間が経過してしまう、という最悪の事態を避けることができます。」

- 営業「それなら便利ですね。」

- 社長「ヒガシ進さん。今回は勉強になりました。弊社もBCPの策定を考えていきたいと思います。IP電話の給電モバイルバッテリーや一括転送機能、故障・回復通知機能についても、早速導入してみたいと思います。」

- ヒガシ進「震災など緊急事態はない方がもちろんよいのですが、どのように対処して企業としてのリスクを減らすかを考えておくのは、決してムダにはなりません。これを機に、御社もBCPを考えてみませんか?」
※文中記載の製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
※文中記載の会社名・登場人物などはすべて架空のものであり、実在の団体・人物とはいっさい関係ありません。
※本コラムは、実在の中小企業診断士の監修のもと制作しております。
株式会社OCL代表取締役。専修大学非常勤講師、ITコーディネータ。
研究職・SEを経験後に独立。主に中小企業や起業家に対し、企業の独自性を発揮するための知財・経営・IT戦略の支援を行う。顧客に合わせたやさしい教え方が好評で、『理系アタマのつくり方』等著作も多数。










