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福島県楢葉町様

全世帯にタブレット端末を配布して情報を配信
町の新生を目指す“きずな”を確かなものに

福島県楢葉町様

手軽に使えるICTの普及が、新たな町づくりを加速させています。

福島県楢葉町 町長 松本 幸英 氏

福島県楢葉町様の概要
福島県楢葉町様

福島県東部、浜通り地方のほぼ中央に位置し、北は富岡町、西は川内村、南は広野町・いわき市とそれぞれ接している。太平洋に面した特有の気候で積雪は年に数回程度と、比較的温暖で住みやすい気候。満開に咲く山百合、郭公山の雄大な風情、太平洋の青い海と空、阿武隈山系に沈む夕日など、四季折々の表情を持つ。

「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」では、どのような課題の解決を目指したのでしょうか。

松本 幸英 氏

松本 幸英 氏

東日本大震災によって、全町避難を余儀なくされた私たちは、被災直後から町として町民に情報を発信する手段を失いました。被災から1週間後には災害版の町のホームページを立ち上げたものの、多くの町民がインターネットにアクセスできず、情報はテレビやラジオに頼らざるを得ない状況でした。そのため「すべての住民に町からの正確な情報を迅速に提供する」ことが、早期に解決すべき大きな課題でした。全町避難に伴い、学校や職場の関係で家族同士が離れて暮らす世帯も増え、町の世帯数も従来の2,800世帯から約3,900世帯へと細分化されました。避難先も全国に広がる中で、強く結ばれていた町と住民のきずなが弱まらないよう、本事業の主旨の通り、ICTを活用して再生・強化したいと考えました。

町民からの反響や、現状までの導入成果をお聞かせください。

震災を契機に、携帯電話やスマートフォンを持つようになった高齢者も多いことから、大きな画面で簡単に操作できるタブレット端末は、さほど抵抗感なく受け入れられているようです。操作説明会では、最初は慣れない手つきで操作していた高齢者もすぐに操作を覚えて、隣同士で教え合う様子も見られ、普及に向けて大きな手応えを感じています。町の風景や祭りの様子を写真で紹介する楢葉町ブログは好評で、町民からも大きな反響があります。そのため、少なくとも1日に1回、端末に触れてもらえるよう、役場の各部署に協力を要請して、町からのお知らせやブログの定期的な更新を心掛けています。仮設住宅に単身で住む高齢者を対象に、担当者が直接訪問することに加えて、タブレット端末の「ふれあい通信」機能を用いた呼びかけなども活用していく予定です。双方向性を活かし、自由記述が可能なアンケート機能も積極的に活用し、町民の率直な意見を行政に取り入れたいと考えています。

今回の取り組みを通じて、町外の人々を含め広く知ってもらいたいことは何でしょうか。

東日本大震災で私たちが経験したことが、そのまま他の地区でも当てはまる教訓になるわけではありませんが、少なくとも、われわれ自治体が住民の生命と財産を預かる以上、情報を正確かつ迅速に発信し、なおかつ正確に受信される環境を整備することはきわめて重要であり、すべての自治体が、より確実な対策を講じることを願っています。被災した自治体としていま最優先すべきは、構築したシステムを駆使し、町民に町の考えや情報を発信し続け、離ればなれになっている町民とのきずなを維持すること。そのための施策に全力で取り組んでいます。さらにいえば、住民とのきずなを深めるということは、被災の有無に関係なく、あらゆる自治体に共通の課題とも言えますので、他の自治体にとっても、今回の事業のようなタブレット端末を用いた情報配信の仕組みはとても有効で、導入メリットは大きいと思いますね。

今後の展開や展望について、お聞かせください。

私たちのふるさと楢葉町は、2012年8月10日から避難指示解除準備区域に再編され、2014年春には除染やインフラ整備も完了する予定です。元の町に帰還する日を信じて、全町を挙げて町の再生に取り組んでいます。とはいえ、元の場所にただ戻るのではなく、復興・再生のモデルタウンとなるような「新生ならは」の実現を目指し、今まで以上に暮らしやすく、充実した生活環境を整備したいと考えています。「すべての住民に町からの正確な情報を迅速に提供する」ことは、震災以前からの町の目標であり、ICTの活用は新たな町づくりを加速させるものです。町に帰還した際は、IRU方式で整備した町のブロードバンド基盤を活用し、今回仮設住宅に設置したWi-Fiアクセスポイントを、町の高台に建設予定の住宅地に移転、高速インターネット環境を効率的に整備することも計画しています。自然豊かで暮らしやすい楢葉町の地で、町と町民、そして町民同士が、ICTを活用して自由にやりとりしている、そんな新たな町の誕生に期待しています。

手軽に使える端末で、自ら情報を取得する意識を醸成したい

  • 楢葉町役場 復興推進課 参事兼課長 猪狩 克栄 氏
  • 楢葉町役場 復興推進課 情報政策係長兼広報統計係長 渡邉 敬 氏

「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」実施に当たって、重視したことや懸念したことをお聞かせください。

猪狩氏

猪狩 克栄 氏

猪狩 克栄 氏

町からの情報を届ける手段はこれまで主に広報紙の郵送であり、タイムリーに情報を届けるのは困難でした。そうした折、会津美里町の応急仮設住宅に入居した町民を対象に、NTT東日本からの協力で「光iフレーム2」の貸し出しを受け、町からのお知らせやニュースなどを迅速に配信できる環境を提供しました。操作にすぐに慣れて楽しそうに使いこなす様子に、タブレット端末の有効性を確信しましたね。また、避難した町民の様子などをリアルタイムに伝えるブログが好評なことから、町からの情報を効率よく配信するのにインターネットが有効と考えました。町からの一方通行の情報提供だけでなく、ネット検索などで町民が自ら情報を入手する意識を醸成することも、町の再生には不可欠。今後長続きさせるためにも、安心・安全には特にこだわってインターネットアクセス環境を実現しました。

システム構築を担当したNTT東日本の対応はいかがでしたか。

渡邉氏

渡邉 敬 氏

渡邉 敬 氏

震災直後から、役場機能の復旧に向け通信環境の整備に尽力していただくなど、NTT東日本の取り組みは高く評価しています。福島支店の担当者には付きっきりでお世話になりました。町からの情報を迅速に届けたいという役場の要望や、通信手段がなくて困っているという町民の声を聞き入れて、会津美里町での一斉配信環境の整備やタブレット端末の実証実験など豊富な実績を踏まえて、私たちの課題解決に貢献してくれました。今回の事業においても、居住先の通信状況に応じたタブレット端末の選定や、当初は困難とされたインターネットへのアクセス環境も、NTT東日本の支援があって実現したものです。地域に寄り添い、最適なソリューションを提供してくれたことに感謝しています。

タブレット端末の活用を検討している他の自治体へのアドバイスをお聞かせください。

渡邉氏

コールセンター

コールセンター

簡単な操作で目当ての情報が入手できるタブレット端末は、幅広い世代で利用できるものであり、情報配信ツールとしてとても有効だと思います。ただ、町からの一方通行の情報配信だけでは利便性が低いことから、ネット検索機能など、端末に普段から慣れ親しんで使ってもらえる機能を拡充することが実は大事。また運用面に関しては、コールセンターなど住民からの問い合わせに迅速に対応できる体制も必要ですし、ブログの定期的な更新のためには、情報を収集するスタッフの確保も重要です。さらに新鮮な情報を新鮮なうちに提供するという情報提供のタイミングも大切なので、復興推進課が中心となって各課から情報が得られるよう、今後も積極的に呼びかけていきます。今回の事業は、被災という経験をきっかけとして行われることになったものです。そういう意味でも、この事業を通じて多くの成果を上げることはもちろんですが、うまくいかなかった部分については、改善すべき点として次に活かしていくことも、私たちに与えられた使命だと考えています。

今後の展開や展望についてはいかがでしょうか。

猪狩氏

まずは端末の配布率を向上させて、すべての町民が町からの情報を確実に受け取れる環境を整備したい。その上で、離れて暮らす親類や知人の元気な姿をブログを通じて見てもらいたい。次の段階としては、アンケート機能で町と双方向のやりとりをし、さらにライブカメラで町の様子を確認するというように、端末を使い慣れるにつれ、町と町民のきずなを深めていける仕組みにしたいと願っています。町から一方的に情報を配信するだけでなく、「こんな使い方をすると便利だよ」と逆に町民から教えられるようになればうれしいですね。今後の町のあり方や目指す方向について不安に感じている町民に対しても、単なる情報だけでなく、町の考えやメッセージをきちんと伝える必要があります。町民とのきずながさらに深まるよう、タブレット端末を積極的に活用していきたいと考えています。

  • 文中記載の会社名および製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 文中記載の組織名・所属・役職・サービス名などはすべて2013年5月時点のものです。

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