札幌病院


札幌病院ホーム > 診療部門・診療支援部門 > 臨床検査科 > 一般検査部門


一般検査部門

尿、便、脳脊髄液などの検体について、一般性状検査や成分についての検査を行います。

尿検査の重要性

尿は生体の代謝によって生じる水溶性の老廃物や過剰となった外来性物質の主要排泄路であり、その物質量は他の経路での排泄量に比べてはるかに多くあります。
また、これらの値は、年齢、性別、体重、食事の量や内容などで、差が認められ、さらには日内変動、飲水量や運動量などの影響を受け、その組成は一定していません。
しかし、ある一定の範囲から逸脱するような値を示した場合には、一部の生理的変動を除いて、疾患の存在を疑わなければなりません。
尿検査は健康状態のスクリーニング検査として、腎臓や尿路系の異常のみならず、多くの全身疾患で異常を呈し、自覚症状など身体の異常を訴える前に尿検査によって疾病の早期発見を行うことは、早期治療や疾病の進展防止という面から、大いに役立っています。

尿一般定性検査

UA・ROBO-700i (全自動尿分析、分取装置)

尿試験紙を用いて尿一般定性検査と尿沈渣検査のためのスピッツ管分注を行います。

尿一般定性検査項目
色調 血尿、肝・胆道系疾患によるビリルビン尿、また薬剤による影響など、様々な色調を呈します。色調によっては他の定性検査項目に影響を与えることがあります。
混濁 白血球、細菌、結晶成分等によって混濁することがあります。
比重 尿の濃さを示しています。腎臓の水分調整機能をみる検査のひとつです。
PH 体の調整を保つ機能を推定する基本的な検査です。
蛋白 尿に排出される蛋白を表し、腎臓・尿路系疾患のみならず、全身性疾患の状態を把握する基本的な検査です。
尿中のブドウ糖の有無を調べる基本的な検査です。
ケトン体 体に必要な糖分が不足した時、脂肪分から糖分が作られる際にできる物質で、脱水、絶食、重症糖尿病などで異常を示します。
潜血 尿中のわずかな赤血球やヘモグロビンを表し、尿路結石、膀胱炎、腎炎などで異常を示すことがあります。
ウロビリノーゲン 肝・胆道系の基本的な検査です。
ビリルビン 肝・胆道系の基本的な検査です。服用している薬の影響を受ける場合があります。
亜硝酸塩 尿中の細菌を間接的に示しています。
白血球反応 尿路の炎症で増加した白血球を間接的に示しています。

尿沈渣

UF-1000i (全自動尿中有形成分分析装置)

主に腎・尿路系に病変があるかどうかのスクリーニング検査で、尿中有形成分を調べます。機器だけで判断できない成分は、実際に顕微鏡で見て確認、分類します。

主な尿沈渣成分 説明
赤血球
白血球
上皮細胞
一般に腎臓・膀胱の病気や尿路結石などで出現します。上皮細胞には、扁平上皮、移行上皮、尿細管上皮などの種類があります。また赤血球形態から、腎臓の糸球体由来か、そうでないかを推定できることがあります。
円柱 腎臓の病気で、多数出現する円柱状の物質で、その形態、種類、出現数などを観察することで、病態や障害の程度を推定することができます。
細菌 膀胱炎などで出現します。

尿中赤血球尿中赤血球

尿中白血球と細菌尿尿中白血球と細菌尿

変形赤血球(腎糸球体由来)変形赤血球(腎糸球体由来)

赤血球円柱赤血球円柱

上皮円柱上皮円柱

採尿時の注意

一般的な採尿に際しては、生殖器由来成分(常在菌、上皮細胞)の混入を極力避ける必要があり、尿排泄の際、最初と最後の部分を捨て、中間の部分のみを採取する中間尿が適しています。

脳脊髄液(髄液)検査

髄液検査の適応がある疾患には、髄膜炎、脳炎といった中枢神経系感染症をはじめ、くも膜下出血などの出血性疾患、腫瘍性疾患、ギランバレー症候群に代表される脱髄疾患など、多岐にわたっています。
特に髄膜炎は、強い頭痛や高熱、意識障害に至り、判断を誤って重症化すると、後遺症が残る可能性が高いため、迅速で正確な髄液検査が必要です。

髄液一般検査項目

最も大事な項目は髄液中の細胞数と細胞の種類で、細菌性髄膜炎かウイルス性髄膜炎かを判断するための重要な検査項目のひとつです。
その他に、外観、比重、蛋白量、グルコース、等の項目が診断のための参考となります。

便潜血(便ヘモグロビン)

OC-SENSOR PLEDIA (全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置)

大腸など主に下部消化管出血の有無を調べる検査です。
健診や人間ドック等でも、スクリーニング検査として広く実施されています。

便中好酸球染色検査

新生児、乳児アレルギー胃腸炎を調べるための簡易検査です。

虫卵、虫体検査

主に糞便などを、スライドガラスに薄く塗抹して、虫卵の有無、大きさ、形、色調、卵殻とその付属物、卵内容について観察して寄生虫を推測する直接塗抹法と予め糞便の食物残渣を除去して虫卵の検出率を高める集卵法があります。

日本海裂頭条虫卵日本海裂頭条虫卵

アプトテスト

新生児の吐物や便が血性であった場合、新生児自身の血液か、嚥下された母体血かを、新生児血のアルカリ抵抗性を利用して、鑑別する、補助的な簡易検査です。
新生児出血性疾患であれば、原因の追究と治療が必要です。

穿刺液検査

主に胸水、腹水、関節液などの穿刺液についての一般性状検査を調べます。

妊娠反応定性検査

尿を用いて検査する、妊娠診断補助検査です。
hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)25IU/L以上で反応します。