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放射線科

人の動き

当放射線科では、1999年に前任の広村部長が赴任した時には、常勤診断専門医1名と放射線技師10数名で旧病院の放射線検査を一手に行っておりましたが、2002年の新病院移転によるリニアック導入に伴い、常勤の放射線治療医1名が増員となり、その後、広村部長の定年退職後に診断医と技師が入れ替わりながら、少しずつ増員され、現在の体制に至っています。

業務内容

その間、医療装置の進歩にともない、常に安定して最先端の検査ができるように、装置のメンテナンス・更改等を行いながら、技術的にも切磋琢磨に努めてきました。

おかげさまで近隣の施設からの紹介も多く、愛育病院、札幌乳腺外科クリニック、札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック、さっぽろ円山乳腺クリニック、にしかわウイメンズヘルスクリニック、赤倉内科胃腸内科クリニック、大通こしやま内科・消化器クリニック、みたに胃腸内科、ちかま胃腸科内科クリニック、さっぽろ小児内分泌クリニック、今井内科、旭山クリニック、星井整形外科、川西内科医院、等々、放射線治療および放射線検査の連携施設が年々増加しています。

放射線診療(放射線診断部門)

2017年4月に前任の常田医師に変わり、竹内医師が着任され、飯嶋医長との常勤医2名体制で、主としてCT・MRI・RIの画像診断業務を行っております。画像診断装置の性能向上や各診療科からの要望で年々、検査ごとの撮影画像数が増加し、読影医の負担も増加しています。そのため、12月から財津先生に週1回半日の読影補助をお願いしています。マンパワーの点から全件読影は無理ですが、各診療科からの読影依頼に応じて、必要なものは当日読影を行い、できるだけ質の高い画像診断を提供できるよう努力しています。

IVR検査に関しては、検査数の増加に伴い、それまで月2回だった北大病院からの出張医派遣の回数が増え、4月から毎週水曜午後に森田先生が来院してくれることになりました。そのおかげで、消化器内科のTAEの他に、CT・US下生検やドレナージ、BAEなどの幅広い検査に対応できるようになりました。

放射線診療(放射線治療部門)

放射線治療専門医の西岡部長と放射線治療専従の川原(聖)技師・坂野技師が継続して、治療業務にあたっています。その他、リニアック室(放射線治療室)には、頼りになる常勤看護師(高木さん→高橋さん→本間さん)と放射線科全般の医療事務を担当するMA渡部さんが働いています。リニアック担当スタッフは技師の川原さんを除いて、全員女性スタッフです。

2016年9月に放射線治療装置を最新型のリニアック(米国Varian社製trueBEAM)に装置を入れ替え、2年目になりました。新しい装置はIGRT(画像誘導放射線治療)やIMRT(強度変調放射線治療)といった最新の放射線治療技術に対応できる装置で、同時に当院で長く使用経験のある「RTRT(動体追跡照射)装置」も兼ね備えています。

IMRTに関しては、現在、保険診療上「常勤の放射線治療医が2名配置される」ことが施設基準の条件に含まれているため施行していません。そのかわり、IGRT・固定多門照射や回転照射・定位照射・呼吸同期・金球マーカーを用いたRTRTなどの他の照射技術を駆使して、副作用の少ない照射をめざして日々工夫をしています。Field-in-Field法を用いて乳腺や頭部の高線量域を減らして線量を均一化する方法も行っています。

他施設に先駆けて、照射位置あわせのための皮膚マークを無くしましたが、治療台に併置されている透視装置などで位置を確認しながら照射するため、位置合わせは正確で、照射時間の短縮など、照射時のストレスが低減され、治療する側にも治療される側(特に女性の患者さま)にも大変好評です。

肺がんの定位照射、前立腺がんの根治照射や乳がんの術後照射、脳転移や骨転移への緩和的放射線治療の他、ピアス後のケロイド術後照射など良性疾患の治療も行っています。全体の約8割が通院で放射線治療を受けていますが、入院が必要な方には各診療科のご協力をお願いしています。事故もなく安全に日々の放射線治療を継続できているのは、日頃からご理解のある各科の先生やスタッフの皆様のおかげと感謝しております。

放射線科(技術部門)

待ち時間をできるだけ短く、そして患者さんに安心して検査を受けていただけるよう、総勢18名の診療放射線技師で各診療科からの多岐にわたる撮影、検査に対応いたしました。

一般撮影部門では、単純X線撮影を約54,000件、X線骨密度測定検査を約1600件実施いたしました。

また、マンモグラフィを約1700件、乳腺エコー検査を約2150件実施いたしました。女性特有の検査であるマンモグラフィや乳腺エコー検査は、患者さんが不安な気持ちを少しでも和らげていただけるよう、すべて女性技師が担当いたしました。

CT検査は約15,300件、MRI検査は約4,500件であり、前年と比較しCT検査、MRI検査ともに微減しました。CT・MRI検査を実施するにあたっては、臨床的知識と高度な撮影技術が要求されるため、経験豊富な5名の専任技師が検査を担当しました。読影医と密接な連携をとりながら診断に有用な画像を提供し、さらに患者さんにとって優しい検査法を模索するなど、高い向上心を維持しつつ業務に取り組みました。

主に心臓カテーテル検査などの循環器系検査に使用し、その他の透視検査、造影検査を施行している第7X線室での検査件数は約760件で、心臓カテーテル検査件数は昨年と同等でしたが、他の透視下検査数が増加いたしました。また、麻酔科検査や腹部血管造影、他の各種検査を実施する第8X線室での検査件数は約1,570件、ERCPやTBLBなどのX線透視下で内視鏡を用いる検査や、泌尿器科などの各種造影検査は約2,500件で、いずれも前年を下回る件数でした。

RI部門では約700件の検査を実施いたしましたが、件数としては前年より大幅に減少しました。内訳として骨・ガリウム・心筋血流シンチグラフィなどに加えてセンチネルリンパ節検査が増加しており、核医学検査の位置付けや効果的な運用法について検討する必要があるのかもしれません。

また、例年通り他院からの依頼や治験に対する協力として、一般X線撮影、CT、MRI、骨シンチグラフィ、X線骨密度測定などの検査を実施いたしました。

患者さんに対する丁寧な対応を心がけて、今後も患者さんを第一に考えた検査を継続して実施し、また放射線のプロフェッショナルとしての自覚と責任を持って、放射線技術の向上を目指し放射線科一同努力していきたいと思います。

放射線治療部門新患者数

病名別新患数の内訳(2018年)

研究活動について

受賞(診療放射線技師)

  1. 金山智博、佃幸一郎:「Aquilion ONE 部門 特別賞」
    画論25th The Best Image、2018年1月27日、東京
  2. 鈴木信昭:「30年永年勤続表彰」第34回日本診療放射線技師学術大会、2018年9月21日、下関
  3. 八十嶋伸敏:「デュアルエナジーを用いた画質(コントラスト) の調整」Creative 賞、FUJIFILM MEDICAL SEMINAR in 大阪 エクセレントカップ、2018年12月7日、大阪

学会発表、講演、座長(診療放射線技師)

  1. 鈴木信昭:「当院におけるトモシンセシスの臨床応用」島津アプリケーションセミナー、2018年12月1日、札幌
  2. 八十嶋伸敏:「日本放射線技術学会第74回総会学術大会」座長、一般演題 Imaging Techniques and Research(General Radiography) Chest,Other、2018年4月15日、横浜
  3. 八十嶋伸敏:「ROCセミナー」日本放射線技術学会画像部会、画像通信Vol.41 No.2(通巻81)
  4. 佃幸一郎:「教科書にも載ってない?心臓CTを今よりもほんの少しだけ上手に撮る方法」HOCTEC心臓技術セミナー、2018年6月13日、札幌
  5. 佃幸一郎:「同期 VISTA」GYRO CUP 2018、2018年7月8日、札幌
  6. 佃幸一郎:「MRの安全性 2018」Rookies GYRO 2018、2018年8月18日、札幌
  7. 佃幸一郎:「失敗から学ぶ遅延造影のコツ」第5回北海道Cardio Vascular MR Imaging 研究会、2018年8月24日、札幌
  8. 佃幸一郎:「IgG4関連疾患疑いの頭部MRI」日本放射線技術学会北海道支部学術大会第74回秋季大会MRセミナー、2018年11月24日、札幌
  9. 佃幸一郎:「日本放射線技術学会北海道支部学術大会第74回秋季大会」座長、一般演題− MR-U、2018年11月24日、札幌
  10. 川原大典、小野陽平、八十嶋伸敏:「散乱線補正処理を利用した膝関節画像の視覚評価を用いた検討」日本放射線技術学会第74回総会学術大会、2018年4月14日、横浜
  11. 川原大典:「仮想グリッドはどうなってるの?−散乱線の復習とともに−」日本放射線技術学会北海道支部学術大会第74回秋季大会ディジタル画像セミナー、2018年11月25日、札幌
  12. 小野陽平、川原大典、八十嶋伸敏:「散乱線補正処理が膝関節画像における物理評価値に及ぼす影響」日本放射線技術学会第74回総会学術大会、2018年4月14日、横浜
  13. 小野陽平:「ディジタル画像処理の臨床画像への効果」FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2018 in 帯広、2018年12月1日、帯広
  14. 西岡井子:講演「放射線治療とリスク管理〜リハビリを行う上での注意点〜」  第4回がん理学療法カンファレンス、札幌、2018年9月11日(3.30 に延期)