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看護部

業務内容

今年度は、急性期看護と高齢者看護の実践力を向上させることをベースに、下記の4つの年間目標を立てた。目標達成の過程において、様々なデータや指標を用いて分析的に目標管理や評価を進めることや、看護職員の人材育成の要である看護管理者の能力向上にむけコンピテンシーの学習を開始した。また、患者により近い場所で安全・安心・効率的な看護を提供するために、一部病棟での分散型看護提供方式のトライアル等をすすめた。また、教育専従の管理者を配置し、教育体制の整理や充実に向けた取り組みを実施した。

看護部年間目標

  1. 急性期看護、高齢者看護の能力を高め、より安心・安全な療養環境を提供する
  2. 患者の退院後の生活を見据えた看護を、全員で実践する
  3. 質の高い看護と業務の効率化に向け主体性を発揮し、ワークライフバランスの向上に努めながら、自ら仕事のやりがいを見出す
  4. 一人一人が積極的に病院経営に参画する

看護部委員会活動

看護部業務推進委員会

年間目標として、①看護手順・基準の管理方法の見直し・体制構築と実施、②他職種委譲業務の点検と一部見直し、③入院オリエンテーション及びアナムネーゼ聴取等の効率化をあげた。

その中で、看護助手業務調査の結果を基に、委譲拡大が進んでいない「挿入物のある患者の陰部洗浄・病衣交換・オムツ交換の方法」、「食事の介助」の研修を実施し、知識と技術の向上に繋げた。また、病棟格差の是正や相互協力体制に向け、看護助手間のクロストレーニングを初めて実施した。来年度は、研修やクロストレーニングによる効果を確認していきたい。

入院オリエンテーションに関してはDVDが完成し、わかりやすく且つ効率的なオリエンテーションの実施に向けた準備を整えた。来年度は運用の中で、変更や改善を進めていこうと考えている。臨時入院の際に行うべき項目のチェックリストも作成したが、今後の活用状況を見て効果を図っていきたい。

看護部記録委員会

今年度は、電子カルテ内の看護記録記載や看護過程の展開に要する時間測定調査、看護記録の質に関する監査を基に、問題点を抽出し対策を検討した。また、看護必要度の正しい算定をすべてのスタッフが実施できるよう、必要度テストを作成し施行した。

時間測定調査の結果としては、年齢や個人差、パソコン操作の技量の差により所要時間が異なっており、個々への指導の必要性が読み取れた。記録時間短縮には、標準看護計画のケア項目の更なるセット化や、記録監査を通じての重複記録の削減推進、クリティカルパスの更なる推進を進めていく事が重要であることも判明したので、来年度の活動目標に盛り込んでいきたい。また、電子カルテ端末の数量不足も意見として多く上げられており、計画的な増設について検討することも重要と考えている。

質の監査に関しては、要約したSOAP記録の記載方法などに問題も見出され、記録記載方法や規定の見直しが必要との判断から、来年度の重点的取り組みにしていきたい。

電子カルテに関して現在使われていない機能の活用(付箋機能等)に関しても、効率的かつ院内で統一された活用方法について、整理を進める事も来年度の課題とし、取り組んでいきたい。

看護必要度については、判定の際に各部署の算定間違いの傾向があることがわかった。その情報を基にした必要度テストを作成・実施し、更に結果を各部署に還元。算定精度を上げる取り組みとして継続評価している。

看護部教育委員

新人研修および採用2年目以降のクリニカルラダー別研修の企画・運営・評価を継続して実施しました。

新人研修では、基本的な看護実践に繋がる内容としてフィジカルイグザミネーションの研修をシリーズ化して盛り込み、前回の研修から得られた課題の達成状況を共有できる研修内容を企画するなど、現在の学生のレディネスに合わせた企画をした。毎週開催の委員会の場を利用して、新人のメンタル面や課題なども共有していった。

ラダー別研修では、「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」をベースに、到達目標を見直したものを委員会で検討し、より研修生が達成感を得られる内容とした。

いずれの研修も達成度が高い結果となっているが、次年度にむけて、より研修内容が充実するように取り組んでいきたい。

看護部教育委員 実習指導者会

実習生が当院で「実習できて良かった!」と思えるような臨地実習を目指し、毎月1回臨床指導者会を開催した。活動内容としては①実習指導案の確認と修正②実習生受け入れのための研修会の開催③学生の実習到達度・問題点と解決策の共有、等を行った。また、活動報告として年1回「たけのこ通信」の発行をしている。

今後も指導者会を通して看護学生が効果的に実習展開できるような環境を提供していきたい。

◆実習受け入れ施設◆

助産:札幌医科大学

母性:北海道医療大学・北海道医療センター附属札幌看護学校・中村記念病院附属看護学校

成人急性期:北海道文教大学・北海道科学大学

看護部看護研究企画推進委員会

当院看護部は、育成の柱のひとつに「看護研究」を示し、看護師2年目から看護研究に触れる機会を作っている。2年目の4月から8月までに計10本の論文要約を提出し、10月には看護研究講習会を受講し、「3年目看護研究」の基礎が学べるようにしている。

また、3年目看護師を対象とした看護研究は、看護研究の手法を学び、看護観の醸成を目的に指導を進めてきた。スタッフ個々に2〜3回の査読を重ね、11月には発表会を開催した。

部署看護研究発表については、外来・5階病棟・6階病棟・9階病棟・ICUが今年度の該当部署であり、スーパーバイザーからの指導も受け、臨床看護の質向上に通じる内容となった。院内発表の翌年は、関連学会での発表を推奨しており、学会発表後は、開催地の紹介を交え報告会を行った。

看護研究には、多くの時間を費やすため、看護研究推進委員会は、研究に携わる看護師が研究に意義を見いだし、取り組めるよう活動を推進しているところである。

認定看護師会( 檸檬 ( れもん ) の会)

メンバー

  • 2017年リーダー 丸橋 瞳(緩和ケア認定看護師)
  • サブリーダー 金子 陽香(感染管理認定看護師)
  • 萩野 貴志(感染管理認定看護師)
  • 斉藤 正恵(感染管理認定看護師)
  • 松浦 智子(緩和ケア認定看護師)
  • 馬継 三樹子(緩和ケア認定看護師)
  • 朽木 恵美(皮膚・排泄ケア認定看護師)
  • 久保 縁(皮膚・排泄ケア認定看護師)
  • 山中 こずえ(がん化学療法看護認定看護師)
  • 今 美砂子(認知症看護認定看護師)

活動内容

月1回、認定看護師会(檸檬の会)を定例開催し、各分野の活動を共有しています。認定看護師の役割である実践・指導・相談において、各分野の専門性を活かして活動できるよう、意見交換をしています。

院内への広報活動として『檸檬の会通信』を3回発行しました。認定看護師の活動や役割の周知を目的として、研修や学会発表の様子についてなどを紹介しました。院外への広報活動としてはホームページを10月に更新し、研修やがんサロンなど活動の様子を写真で紹介しました。

各自の活動としては、医師や看護師、その他スタッフとの連携による、安全で質の高い看護実践、クリニカルラダー別研修や専門研修の企画・開催、所属部署での勉強会など、各分野で積極的に取り組んでいます。院外においては、看護雑誌の執筆やシンポジスト、セミナー講師など対外的な活動や、学術集会での演題発表や座長、参加を通じて、実績を積みながら自己研鑚に励んでいます。

緩和ケア分野

がん患者さんの苦痛緩和や療養上の問題解決を目指し、各部署のスタッフと相談しながら専門性を活かした看護の提供に努めております。時には医師と共に患者さんへの面接(図1)を行い、直接相談や指導を進めています。また、患者さんやご家族の悩み、想い、体験を語り合える場所として、がんサロン「すまいる」を開催しております(図2)。緩和ケア看護の充実の為、がん化学療法看護認定看護師と共に研修を企画し、スタッフの専門分野の教育にも取り組んでおります。

皮膚・排泄ケア分野

今年は新たに皮膚・排泄ケア認定看護師の仲間が加わり2名となり、専門研修の内容や回数を見直しより充実した研修にすることができました。

褥瘡専従活動としては、スタッフからの相談への対応やカンファレンスへの参加により、院内の褥瘡発生の予防や悪化の防止に努めています。

また、週に一度多職種との褥瘡カンファレンスも実施し、褥瘡の状態の評価やケアについて検討しています。

認知症看護分野

当院に入院される認知症患者に対して、週1回「認知症ケアチーム」がラウンドやカンファレンスをし、ケアの提案や薬剤の調整などをしています。また、デイリーカンファレンスを活用して、各部署の相談やせん妄の予防や早期対応に努めています。

図1 年度別がん患者指導1・2実施件数実績

図2 診療科別「がんサロン」参加者人数

褥瘡発生件数(MDRPUを含む)

褥瘡保有率と発生率

認知症ケア加算患者数

教育専従

教育委員会と連携して看護職員の教育計画を推進するために2017年4月1日より教育専従者が新たに配置され、任命されました。NTT東日本札幌病院の教育体制全般について「教育理念」「教育目的」に基づき、教育担当副部長、教育専任者と共に活動しています。あらためて「看護とは?」「どんな看護師になってほしい?」「そもそも研修の目的は?」という根本まで落とし込み、研修内容を吟味する面白さ、そして難しさを痛感しています。

初めての役割ですので試行錯誤しながらの活動となりましたが、新人看護師と一緒に歩み、ラダー別看護師の育成にむけて頑張っていきたいと思います。

【教育専従者の役割】

  • 看護部理念、教育理念、教育目標に基づき、教育責任者である副看護部長と協働・連携して看護部院内教育全般を統括する。
  • 教育専任者と共に看護部教育委員会と連携し、院内研修の企画・運営・評価の相談・指導及び看護部研修全般のスケジュール管理を行い、各部署や担当者との分担、協働・委譲につき采配・調整する。
  • 看護職者採用に係る活動の一部を看護部と共に行う(病院見学説明会、合同就職説明会、インターンシップ等)

【活動内容】

  • 新人看護職員年間教育計画
  • 新人看護職員研修、ラダー別研修の企画統括、ファシリテート、評価を元に次年度研修内容の企画
  • 認定看護師研修の対象選定、実施時期等の相談
  • ワーキンググループにてラダーW研修の企画・運営・評価
  • ワーキンググループにてマネジメントラダー作成への活動、コンピテンシー理解のための学習会開催(毎週水曜日)
  • 新人看護師対象のラウンド
  • 市内中学生、高校生対象の体験学習企画・運営 等
  • 次年度採用に関する活動(病院見学会、インターンシップ等)

研究活動について

学会発表

  1. 齋藤ちひろ、渋谷千恵、小松田千芳、三村奈々、須藤瑞穂、田中ゆきえ、山中こずえ:「化学療法を受けている患者が口腔内乾燥によっておこる日常生活への影響」第30回日本がん看護学会学術集会、2016年2月20日、9階病棟
  2. 畑中絹代:「血管造影室教育の現状」第65回北海道血管造影・Interventional Radiology研究会、2016年2月20日、外来放射線科
  3. 金澤陽子、菅野智子、津山友美、亀屋佑香、光永愛、岡田由紀:「病棟内で共有されるPDAの細菌汚染状況と感染経路としての実態」第31回日本環境感染学会総会・学術集会、2016年2月19日、 7階病棟
  4. 喜多映奈、鈴木美智子、赤坂峰子、梶原幸、林佳祐、高木徳子:「ERASを実施している患者群・未実施群の口渇の有無に関する比較検討」日本看護学会 急性期看護、2016年7月15日、ICU
  5. 前田陽子:「外来日誌の作成とその活用について」第18回 日本医療マネジメント学会、2016年4月22日、看護部
  6. 前田陽子:「看護助手との委譲や協働が可能な業務調査について」第18回 日本医療マネジメント学会、2016年4月22日、看護部
  7. 杉本玲子:「外来における入院支援業務の一元化」第18回 日本医療マネジメント学会、2016年4月22日、看護部
  8. 齋藤正恵:「A看護協会災害支援ナースが交流会に望むこと〜アンケート調査から〜」日本災害看護学会第18回年次大会、2016年8月27日、10階病棟
  9. 本間貴子、菊池由佳子:「糖尿病を専門としない産科病棟で働く助産師の糖尿病看護の意識調査」第50回日本糖尿病学会 北海道地方会、2016年11月6日、6階病棟
  10. 石川結香 、亀谷有香、黒沼三代子、七野美香:「腹腔鏡手術を受ける患者のATPを指標とした効果的な臍処置方法の検討」第15回 日本看護技術学会 学術集会、2016年9月24日、5階病棟
  11. 高木径子、木村有希恵、福島美由紀:「高齢2型糖尿病患者の外来自己注射指導における患者の印象と指導時間についての検討」第50回日本糖尿病学会 北海道地方会、2016年11月6日、外来
  12. 西條磨也、西村侑里子、成田春奈、谷川優佳、大村あずさ、大蔵志穂、菊池由佳子:「妊娠糖尿病と診断された妊婦の産後の継続的な受診行動を妨げている要因について〜育児との調整の負担感に焦点を当てて」日本看護学会ヘルスプロモーション、2016年11月17日、6階病棟

研究会・講演会発表

  1. 牧野理恵子:「レミケード投与時間短縮による患者満足度について」Nurse Congress in Hokkaido(講演)、2016年2月20日、外来化学療法室
  2. 山口則子:「高齢者の適正透析を考える」第14回日本高齢者腎不全研究会(講演)、2016年7月17日、透析センター
  3. 今美砂子:「認知症について(予防、介護の両方の観点で)」データ同友会北海道支部総会(講演)、 2016年9月2日、7階病棟
  4. 今美砂子:「認知症との関わり」札幌緑愛病院(講演)、2016年10月27日、7階病棟

雑誌投稿

  1. 小林優紀子、坂上真弓:「実践報告!私たちの助産師外来」臨床助産ケア 2016年3・4月 リレー連載第7回、外来、看護部

講師・その他の活動

  1. 橋本樹未:北海道文教大学看護学科キャリア支援講座(看護学科4年生)講師、2016年3月11日、 8階病棟
  2. 筒井和美:「周手術期にある人の看護過程 事例の看護過程の助言」北海道文教大学看護学科 成人看護学援助論Ⅴ 講師、2016年7月5日、5階病棟
  3. 高橋恵美子:「当院における自己注射指導」第6回札幌リウマチケアミーティング、2016年8月5日、外来
  4. 朽木恵美:「創処置、ドレーン管理、褥瘡処置の実際、人口肛門造設術を受ける患者の看護に関する講義」北海道文教大学看護学科 成人看護学援助論Ⅱ 講師、2016年12月20日、2017年1月10日、認定室
  5. 渡邊恵:「中堅看護師の人材育成に向けて」産科マネジメントの基本―中堅助産師の人材育成に焦点を当ててー研修会ファシリテーター、2016年9月24日、6階病棟
  6. 杉本玲子:「平成28年度認定看護管理者教育課程ファーストレベル(北海道看護協会)」演習助言、 2016年9月12日、29日、10月3日、12日、看護部
  7. 金子陽香:「急性の生体防御機構障害・感染のある患者の看護に関する講義」北海道文教大学看護学科 成人看護学援助論Ⅲ 講師、2016年12月12日、感染管理推進室
  8. 齋藤正恵:「災害支援ナースの活動の実際(グループワークによる机上シミュレーション)」災害看護Ⅱ(災害支援ナース養成)研修会ファシリテーター、2016年12月13日〜14日、10階病棟
  9. 松浦智子:「第29回日本サイコオンコロジー学会総会北海道2016 市民向けプログラム「札幌がんフェスティバル」」がん相談室相談員、2016年9月24日、認定室

座長・司会等

  1. 山中こずえ:がん化学療法サポートケアセミナー座長、2016年2月29日、化学療法室
  2. 山口則子:第61回日本透析医学会学術集会・総会、一般演題座長、2016年6月12日、透析センター
  3. 坂上真弓:平成28年 北海道看護研究学会 第1群「慢性期看護(終末期・退院支援・在宅)」座長、2016年6月26日、看護部
  4. 高橋理栄:第64回日本輸血・細胞治療学会 一般演題(口演)輸血管理・看護師関連 座長、2016年4月30日、外来

3年目看護研究テーマ一覧

  1. 「開心術を受けた患者の心臓リハビリテーションに対する思い」
  2. 「癌告知をされた高齢患者が手術にのぞむまでの思い」
  3. 「乳房切除術後の患者が術後化学療法を行うまでの思い」
  4. 「早期産となった母親の出産体験に対する思い」
  5. 「出産に立ち会う際に抱く夫の思い」
  6. 「直接授乳希望であるが乳頭条件不良のために直接授乳困難となった初産婦の思い」
  7. 「内シャント造設術後の安静保持に抱く思い」
  8. 「ステロイド治療患者のムーンフェイスによる容姿の変化に対する不安」
  9. 「ステロイド治療を受けている患者の心理的ストレスについて」
  10. 「全身麻酔下での婦人科手術を受けた患者の離床に対する不安」
  11. 「人工膝関節置換術を受けた患者の痛みによるストレスと受容過程」
  12. 「術後病理結果を待つ患者の思い」
  13. 「初回化学療法を受ける患者が抱く不安」
  14. 「前向きな思いを持つことができたがんサバイバーの心理過程」
  15. 「がん告知を受けた患者の心理過程」
  16. 「予後告知を受けた消化器がん患者の受容過程」
  17. 「化学療法後の骨髄抑制に対する感染予防への思い」
  18. 「ICUに臨時入床になった患者の不安」
  19. 「整形外科外来で日帰り手術を受ける患者の思い」
  20. 「出生前診断受検を検討している妊婦の意思決定までの過程」
  21. 「目標体重(DW)に到達できない血液透析患者の思い」
  22. 「胆膵内視鏡治療を受けたことがあり、再度治療を必要とする患者が術前に感じる不安」

部署研究

  1. 7階病棟:「医療用テープの剥離力の比較検討調査」
  2. 8階病棟:「整形外科病棟における転倒の実際と看護師に認識に関する実態調査」
  3. 10階病棟:「含嗽水の温度調整による唾液分泌促進について」
  4. 外来:「持続型エキセナチド週1回投与製剤を使用する患者の治療への思い」