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泌尿器科

人の動き

3月一杯で京田有樹先生が札幌医科大学へ移動されました。4月からは松田洋平先生と藤野景子先生が札幌医科大学から着任され、当院初の4名体制となりました。松田先生は13年目、藤野先生は5年目の後期研修医です。松田先生は大学院4年目でもあり、ED治療に関する神経再生の研究をまとめられ、無事学位を取得されました。藤野先生は専門医取得に向けて研鑽中で、内視鏡手術を中心に多くの手術をこなしております。

診療・業務内容

2017年泌尿器科にとって、また当院にとって最大のトピックはda Vinci Xi導入によるロボット支援手術の開始でした。1月から前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術(RALP)を、8月からは小径腎癌に対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)を開始しております。RALPは12月末までに39例、RAPNは2例に対して大きなトラブルや合併症もなく施行されています。チームダヴィンチとして最初は看護師、臨床工学士を固定して立ち上げましたが、徐々にメンバーを拡大しつつあり、現在では通常の手術として行われています。2018年4月からは消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、婦人科、耳鼻咽喉科疾患にも保険適応拡大される予定で、多くの診療科でロボット支援手術が行われると思われます。この1年間でda Vinci Xiのセッティングなどは十分確立されており、新手術の導入もスムースに行われるものと期待されます。またda Vinci導入により従来の手術件数がこなせない可能性があり、火曜日午前中を完全並列枠とさせていただき、麻酔科と手術センタースタッフ等の皆様には感謝申し上げます。

働き方改革が国の重要政策として叫ばれています。西田先生が日本泌尿器科学会の男女共同参画委員や北海道医師会の女性医師支援コーディネーターであり、私も上司として日本泌尿器科学会東部総会で「ワーク・ライフバランスの取れた職場環境整備の実践」について発表しました(させられた?)。大切なことはいかに生産性を落とすことなく〜具体的には外来患者数や手術件数を減らさず〜、かつ効率的に〜すなわち時間内に、医療を実践するかと考えます。病院の規模、地域性、診療科の特徴が様々ですので一律に議論できるものではないですが、我々のQOLも守りつつ患者のQOLを高めようというマインドを持ち続けることが必要でしょう。当科では有給休暇を出来るだけ消化するように皆で協力しております(調べるとNTT東日本の有給消化率は97%程度とトップクラスの企業で、100%に満たないのは医師が有給を取得していないためと思われます)。

表に示すように手術件数は624件とほぼ変わらず安定と言いますか飽和している状況です。ロボット導入による手術件数減少が懸念されましたが例年並みの手術件数を維持できました。男性不妊に対する手術が初めて年間60件を超えました。

外来、病棟、手術は症例数が飽和状態ですが、4月からは1名増員の常勤4名となり、さらに泌尿器科に入局決定あるいは興味を持たれた研修医の先生が多数来られ、6名いる月もあり賑やかな1年でした。

最後に他診療科の先生方、コメディカルスタッフの皆様から多大なご支援を頂き1年間診療できましたことを心から御礼申し上げます。

2017年の手術件数(計624件)

副腎 副腎摘除術(腹腔鏡) 2
腎・後腹膜 根治的腎摘除術(腹腔鏡) 12
根治的腎摘除術(Open) 0
腎部分切除術(腹腔鏡) 6
腎部分切除術(ロボット支援) 2
腎部分切除術(Open) 0
根治的腎尿管摘除術(腹腔鏡) 5
根治的腎尿管摘除術(Open) 0
単純腎摘除術(腹腔鏡) 1
腎盂形成術(腹腔鏡) 0
経皮的腎瘻造設術 11
経皮的腎周囲血腫ドレナージ 1
経皮的腎のう胞穿刺術 1
腎生検術 2
尿管 経尿道的尿管結石砕石術(TUL) 45
経尿道的尿管ステント留置術 69
尿管鏡 7
経尿道的尿管バルーン拡張術 2
経尿道的腎盂凝固止血術 0
膀胱 膀胱全摘除術+回腸導管造設術 0
膀胱全摘除術+尿管皮膚瘻 1
膀胱部分切除術 0
TUR-BT 107
TU-EC 1
経尿道的膀胱結石摘出術 10
膀胱尿管新吻合術 2
膀胱瘻造設術 1
前立腺 ロボット支援根治的前立腺摘除術 39
TUR-P 6
前立腺針生検 131
経尿道的前立腺金マーカー挿入術 15
経皮的リンパ嚢腫ドレナージ術 1
尿道 内尿道または膀胱頚部切開術 7
内視鏡的尿道腫瘍切除術 1
尿道憩室切除術 1
尿道カルンクル切除術 3
精巣 根治的精巣摘除術 2
精巣摘除術 1
除睾術 3
精巣固定術 2
不妊 顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術 34
精巣内精子採取術(MD-TESE) 27
精巣内精子採取術(Needle-TESE) 3
女性 TOT 3
TVM 3
体外衝撃波腎尿管結石破砕術 43
その他 陰嚢水腫根治手術 3
環状切開術 6
再縫合術 2

研究活動について

著書、原著

  1. Sato Y, Hasegawa C, Tajima A, Nozawa S, Yoshiike M, Koh E, Kanaya J, Namiki M, Matsumiya K, Tsujimura A, Komatsu K, Itoh N, Eguchi J, Yamauchi A, Iwamoto T. Association of TUSCI and DPF3 gene polymorphism with male infertility. J Assis Reprod Genet 2017, DOI 10. 1007210815-017-1052-x

講演、学会発表

  1. 萬屋和香子、西山直隆、進藤哲哉、京田有樹、伊藤直樹、舛森直哉:Glandular/squamous differentiationを有するNMIBCに関する臨床的検討 第400回日本泌尿器科学会北海道地方会、2017.1.28、札幌市
  2. 岡部 洸、西山直隆、進藤哲哉、前鼻健志、伊藤直樹、高橋 敦、田口圭介、立木 仁、舛森直哉:筋層浸潤性膀胱癌に対するGemcitabin/Cisplatin化学療法の検討:多施設共同後ろ向き研究 第400回日本泌尿器科学会北海道地方会、2017.1.28、札幌市
  3. 岡部 洸、進藤哲哉、西山直隆、前鼻健志、伊藤直樹、高橋 敦、田口圭介、立木 仁、田中俊明、舛森直哉:筋層浸潤性膀胱癌に対するゲムシタビン、シスプラチン(GC)療法による術前補助化学療法に関する多施設共同後ろ向き観察研究  第105回日本泌尿器科学会総会、2017.4.21、鹿児島市
  4. 萬屋和香子、進藤哲哉、京田有樹、伊藤直樹、西山直隆、田中俊明、舛森直哉:Variant histologyを有する筋層非浸潤性膀胱癌におけるBCG投与の有効性に関する多施設共同後ろ向き観察研究  第105回日本泌尿器科学会総会、2017.4.22、鹿児島市
  5. Shindo T, Shimizu T, Nishiyama N, Niimura T, Kitajima H, Kai M, Ito N, Suzuki H, Masumori N. Urine DNA methylation as biomarker for detection and prediction of bladder cancer recurrence, multicenter prospective study. 第105回日本泌尿器科学会総会、2017.4.21、鹿児島市
  6. 松木雅裕、高橋 敦、井上隆太、堀田 裕、伊藤直樹、田口圭介、加藤隆一、柳瀬雅裕、前鼻健志、田中俊明、舛森直哉:泌尿器科手術患者の術後せん妄に対するリスク因子の検討:多施設共同前向き試験 第401回日本泌尿器科学会北海道地方会、2017.6.17、札幌市
  7. 伊藤直樹:ワーク・ライフバランスの取れた職場環境整備の実践 JUA男女共同参画委員会シンポジウム 次世代の医師へのワーク・ライフバランスとダイバーシティの推進を考える. 第82回日本泌尿器科学会東部総会、2017.9.15、東京都
  8. 西田幸代、京田有樹、藤野景子、松田洋平、伊藤直樹:NTT東日本札幌病院におけるロボット支援下根治的前立腺摘除術の導入経験 第402回日本泌尿器科学会北海道地方会、2017.10.28、札幌市
  9. 西田幸代、京田有樹、藤野景子、松田洋平、伊藤直樹:NTT東日本札幌病院におけるロボット支援下根治的前立腺摘除術の導入経験 第67回日本泌尿器科学会中部総会、2017.11.25、大阪市