札幌病院


札幌病院ホーム > NTT東日本札幌病院について > 年報(2017年) > 消化器内科・消化器病センター


消化器内科・消化器病センター

人の動き

2017年4月は松本医師、重沢医師が異動し、かわりに鈴木医師、江上医師が赴任しました。全体としては昨年と同様の体制で診療することができました。

この1年間、たくさんの初期研修医が当科で研修しました。内視鏡検査や病棟業務等、積極的に関わっていただき大変助かりました。

業務内容

外来

2017年の外来受診者数を提示します(表1)。昨年に引き続き北大病院から専門医を招聘して月曜日午後は肝臓外来、火曜日午後はIBD(炎症性腸疾患)外来を開設し北大病院と連携しながら診療を行っています。現在は月曜から金曜までウォークインも含めて全ての新患を午前も午後も当日に対応していますが、2018年4月より、医局から派遣される常勤医が減員となることが決定しました。そのため、今までと同様の体制を維持するのが困難となります。その対策として、午後外来の縮小、症状の安定している患者様を近隣の連携する医療機関へ逆紹介、初診外来の原則紹介制の導入、などの対策を検討しています。地域へ高度な医療を提供する役割を維持するための苦渋の選択ではありますが、混乱によって患者様、近隣の医療機関にご迷惑をおかけしない様に進めていきたいと考えています。

入院

安全性の高いコールドポリペクトミーによりほとんどの大腸ポリープ症例は外来で治療できるようになった為、入院でのポリペクトミー件数は減少していますが、その一方で、新患受け入れを再開してから緊急入院の件数が増加しています。2017年の入院患者数は全体としては例年通りでした(図2)。

化学療法

当科は消化器がん化学療法も積極的に行っています。消化器関連のがん化学療法は、臨床腫瘍学会・がん薬物療法専門医の太宰医師が一括して対応しています。2017年に当科において施行した外来化学療法件数(静注製剤)は、がん化学療法が590件(2016年492件)、炎症性腸疾患への生物学的製剤が92件(2016年97件)となっています。2016年春の化学療法室の増改築により治療件数が増えています。化学療法導入は、初回は入院で行いますが2回目以降は主に外来で行っています。治療内容も患者さん・家族と相談し、治療の目的を理解して頂いた上で、体力に合わせた治療を心がけています。外科、麻酔科(ペインクリニック)、放射線科とも密に連携しており、一通りの治療が当院で施行可能です。また、緩和ケア専門病棟はありませんが、緩和ケアチーム(太宰医師兼任)により補い、緩和医療まで切れ目の無い医療を心がけています。

臨床試験

当科は先進的な医療にも積極的に取り組んでいます。新規薬剤の積極的な導入加え、臨床試験にも積極的に参加しています。AMED(日本医療開発機構)、大学関連(医師主導型)臨床試験、企業主体の国内第Ⅱ、Ⅲ相試験にも参加しており、学術的なPRも積極的にしていきたいと思います。

今後も近隣施設と連携をとりながら、ご要望に添える医療を心がけて参ります。

当院で参加中の臨床試験(一部抜粋)

PARADIGM試験:
RAS遺伝子(KRAS/NRAS遺伝子)野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸癌患者に対するmFOLFOX6 + ベバシズマブ併用療法とmFOLFOX6 + パニツムマブ併用療法の有効性及び安全性を比較する第III相無作為化比較試験
HGCSG1404:
切除不能・再発胃癌に対する S-1,Nab-paclitaxel,Oxaliplatin 併用療法の第I/II相試験, Phase I/II trial of combined chemotherapy of S-1, Nab-paclitaxel and Oxaliplatin administered bi-Weekly for patients with advanced gastric cancer
HGCSG1502:
S-1またはカペシタビンを含む標準治療に不応・不耐の切除不能進行・再発胃がんに対するbolus 5-FU/l-LV(RPMI)療法の有効性・安全性に関する多施設共同前向き非対照第II相臨床試験
HGCSG1603:
初回化学療法に不応の治癒切除不能進行・再発胃癌に対する イリノテカン/ラムシルマブ併用療法の 多施設共同医師主導前向き第 II 相試験
JACCRO CC-13:
RAS 野生型進行大腸癌患者における FOLFOXIRI+セツキシマブ と FOLFOXIRI+べバシズマブの 最大腫瘍縮小率(DpR)を検討する無作為化第II相臨床試験
RINDBeRG試験:
Ramucirumab 抵抗性進行胃癌に対する ramucirumab+Irinotecan 併用療法の インターグループランダム化第 III 相試験
SCRUM-Japan GI-screen 2013-01-CRC:
進行再発大腸癌における KRAS minor, BRAF, NRAS, PIK3CA などのがん関連遺伝子異常のプロファイリングの多施設共同研究
J-CAPP study II:
「厚生労働化学研究委託費(革新的がん医療実用化事業)」の「がん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究(石川秀樹斑)」

図1 外来患者数

図2 入院患者数

研究活動について

講演、その他

  1. Yoshii S:Use of i-scan Optical Enhancement (OE) in Clinical Practice. The 12th Hunan Province Digestive Disease Forum, in Yiyang, Hunan province, China. on July 1, 2017(Guest speaker)
  2. Yoshii S:Use of i-scan Optical Enhancement (OE) in Clinical Practice. The 4th congress-2017 Shandong Quality Control Academic Conference and Zibo Annual Congress of Digestive Endoscopy, in Zibo, Shandong province, China, 21-22 Oct, 2017(Guest speaker and faculty)
  3. Periprocedural management of patients with antithrombotic drugs. Endoscopy Forum Japan in Otaru, Autum, 2017.
  4. 吉井新二:「大腸癌の予防を目指した内視鏡治療-Cold polypectomyを中心に-」第92回北海道腸疾患研究会、1月、札幌
  5. 吉井新二:ランチョンセミナー 最適なESDを実現する為に2「安全で効率的な大腸ESDのコツ」第93回日本消化器内視鏡学会総会、5月、大阪
  6. 吉井新二:『新デバイスを用いた大腸ESD/EMRの治療戦略』、第6回 SAPPORO ESD/EMR TECHNICAL FORUM,9月、札幌
  7. 吉井新二:メディコスヒラタ ブースカンファレンス、HemoStat WideCup & Splash M Knifeの有用性. JDDW2017, 10月、福岡
  8. 小野寺学:「EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法) 方法と適応の実際〜消化器内科の立場から〜」 Lymphoma Clinico-Pathology Conference、7月、札幌

国際学会

  1. Shinji Yoshii, Katsuhiro Mabe, Masayoshi Ohno, Mio Matsumoto, Shoko Ono, Masahiko Kudo, Masanori Nojima, Mototsugu Kato, Naoya Sakamoto.“Diagnostic capability of endoscopy for Helicobacter pylori infection” 25th United European Gastroenterology Week 2017 2017/10/28-2017/11/1, Barcelona, Spain
  2. Mio Matsumoto. “Safety of cold snare colon polypectomy in patients on antithrombotic medication” 25th United European Gastroenterology Week 2017 2017/10/28-2017/11/1, Barcelona, Spain
  3. Masayoshi Dazai, Satoshi Yuki, Yoshito Komatsu, et.al :「First report : A retrospective trial for evaluating the safety and efficacy of TAS-102 for patients with metastatic colorectal cancer : HGCSG1503 」ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer, Barcelona, 6月, 2017

全国学会

  1. 松本美桜、吉井新二、重沢 拓:ワークショップ 当院における抗血栓下・透析下のCold Polypectomyの検討.第13回消化管学会総会、2月、東京
  2. 重沢 拓、吉井新二:「直腸癌の1例」2017年3月度早期胃癌研究会、3月、東京
  3. 吉井新二、松本美櫻:ワークショップ09 10mm未満の大腸ポリープに対する内視鏡診療の新展開「Cold polpectomyとHot polypectomyの後出血に対する比較検討」第93回日本消化器内視鏡学会総会、5月、大阪
  4. 松本美櫻、吉井新二、他:シンポジウムDiagnostic capability of endoscopy for Helicobacter pylori infection in the medical check up center. 第29回ヘリコバクター学会.7月.函館
  5. 吉井新二、他.Cold polypectomyの最も適切な対象病変の検討.第17回EMR/ESD研究会、7月札幌
  6. 吉井新二、他.ワークショップ7 抗血栓薬ガイドライン その後の検証 抗血栓薬使用下における大腸Cold Snare Polypectomyの安全性の検討.JDDW2017、10月、福岡
  7. 太宰昌佳、他:ポスター:「当院における切除不能閉塞大腸癌に対し、大腸ステント留置下の抗EGFR抗体薬の使用経験」第55回日本癌治療学会学術集会、10月、横浜
  8. 小野寺学、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二:「一般市中病院における大動脈周囲リンパ節へのEUS-FNA診断の試み」 第93回日本消化器内視鏡学会総会 ポスターセッション、5月、大阪
  9. 重沢拓、小野寺学、宮本大輔、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二:「広範囲胆管癌様の進展形式をとった結腸癌胆管転移の一例」 第53回日本胆道学会学術集会、9月、山形

地方会

  1. 宮本大輔、吉井新二:「胃の1例」第557回1月度 札幌胃と腸を診る会、札幌
  2. 宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「炭酸ランタン服用による胃粘膜変化を遡及的に観察し得た1例」第114回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、3月、札幌
  3. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:シンポジウム 胃カルチノイドとH.pylori感染の関連の検討.第120回日本消化器病学会北海道支部例会、札幌、3月
  4. 重沢拓、松本美桜、宮本大輔、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:原因不明の腹腔内リンパ節腫大に対しEUS-FNAを施行後、出血性ショックを来した1例.第120回日本消化器病学会北海道支部例会、3月、札幌
  5. 重沢拓:症例提示 第557回3月度 札幌胃と腸を診る会、3月、札幌
  6. 小野寺学、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二:「選択的胆管挿管困難例に対するプレカットの現状」 第114回 日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会 ビデオシンポジウム、3月、札幌
  7. 小野寺学、江上太基、鈴木茉理奈、太宰昌佳、宮本大輔、横山朗子、吉井新二:「消化器癌の大動脈周囲リンパ節への転移や再発に対するEUS-FNA診断の検討」 第115回 日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会 ビデオシンポジウム、9月、札幌
  8. 西田彩華、江上太基、鈴木茉理奈、太宰昌佳、小野寺学、宮本大輔、横山朗子、吉井新二 「繰り返す総胆管結石に対して、術前のEBS留置が奏効した1例」 第115回 日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会、9月、札幌
  9. 江上太基、鈴木茉理奈、宮本大輔、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「経皮的ドレナージが奏効した肝膿瘍穿破による汎発性腹膜炎の1例」第121回 日本消化器病学会 北海道支部例会、9月、札幌
  10. 江上太基、鈴木茉理奈、宮本大輔、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「大腸ポリペクトミー施行後、出血を繰り返し内視鏡的止血術に難渋した1例」北海道レジデントカンファレンス、9月、札幌
  11. 江上太基:「大腸の1例」第562回9月度札幌胃と腸を診る会
  12. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、宮本大輔 、横山朗子、吉井新二、食道・胃・大腸ESDにおけるSplash M-Knifeの治療成績、第121回日本消化器病学会北海道支部例会、第115回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、2017.09.02、札幌
  13. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、宮本大輔、横山朗子、吉井新二、佐藤昌明、H.pylori未感染胃粘膜に認めた過形成性ポリープの1切除例、第14回拡大内視鏡研究会、2017.09.16、札幌
  14. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、宮本大輔、横山朗子、吉井新二、特異な形態を呈した直腸異所性子宮内膜症の1例、第38回日本大腸肛門病学会北海道支部例会、2017.10.07、札幌
  15. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二、十二指腸炎、第558回札幌胃と腸を診る会、2017.05.15、札幌
  16. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二、慢性下痢の1例、NEXT Lecture Meeting 2017、2017.06.10、札幌
  17. 鈴木茉理奈、江上太基、太宰昌佳、小野寺学、宮本大輔 、横山朗子、吉井新二、佐藤昌明、H.pylori未感染胃粘膜に認めた過形成性ポリープの1切除例、第22回北海道レジデントカンファレンス、2017.09.16、札幌

院内講演

  1. 鈴木茉理奈、食中毒、ICTセミナー、2017.07.31、札幌(NTT東日本札幌病院内)

座長

  1. 吉井新二:「症例検討」第562回1月度 札幌胃と腸を診る会、1月、札幌
  2. 吉井新二:ランチョンセミナー、「大腸診断におけるBLI/LCIの可能性 〜存在診断を中心に〜」、池松 弘朗先生(国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科)、第114回 日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会、3月、札幌
  3. 吉井新二:「大腸1」、第114回 日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会、3月、札幌
  4. 吉井新二:一般演題口演 「大腸-牽引法」 第93回日本消化器内視鏡学会総会、5月、大阪
  5. 吉井新二:「症例検討」札幌拡大内視鏡研究会、5月、札幌
  6. 吉井新二:「大腸内視鏡検診のQuality indicatorと大腸がん検診におけるCT colonographyの意義」 演者:大腸肛門病センター 高野病院 副院長 野崎 良一 先生 第559回 7月度札幌胃と腸を診る会 特別講演会、7月、札幌
  7. 吉井新二:「内視鏡研修医優秀演題選考」第115回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、9月、札幌
  8. 吉井新二:「内視鏡診断・治療2」、第38回日本大腸肛門病学会北海道支部例会、10月、札幌
  9. 吉井新二:「大腸内視鏡挿入と治療の基礎」池松 弘朗先生(国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科)、第3回colono-skill up seminor、11月、札幌
  10. 吉井新二:「後期研修医3」、第282回日本内科学会北海道地方会、2018年2月17日、札幌

論文

  1. 吉井新二:最適なESDを実現する為に2.MEDISTER 特別編集2017
  2. 吉井新二:マルチファンクションデバイスSplash M-Knifeを使いこなす〜ESD170例の使用経験から〜、 Medicase Vol. 27
  3. 吉井新二、松本美櫻、高桑康成.ランブル鞭毛虫症(ジアルジア症)の十二指腸病変.十二指腸内視鏡ATRAS. 日本メディカルセンター.2017; 106-107.
  4. 吉井新二:第6回SAPPORO ESD/EMR TECHNICAL FORUM 「ESD/EMR困難症例の克服と次世代内視鏡治療を目指して」.Clinical Summary vol. 4.
  5. 鈴木茉理奈、畑中一映、平田甫、鈴木和治、大野正芳、工藤大樹、山本義也、成瀬宏仁、横山徳幸、皮膚筋炎に合併した原発不明癌の1 例、癌と化学療法 2018;45(2): 273-276.
  6. 鈴木茉理奈、田中 一光、平田 甫、鈴木 和治、大野 正芳、工藤 大樹、畑中 一映、山本 義也、成瀬 宏仁、下山 則彦、特発性腸間膜静脈硬化症の一例、函館医学誌 2017、41(1): 51-54
  7. Kawamoto Y, Komatsu Y, Yuki S, Sawada K, Muranaka T, Harada K, Nakatsumi H, Fukushima H, Ishiguro A, Dazai M, Hatanaka K, Nakamura M, Iwanaga I, Uebayashi M, Sogabe S, Kobayashi Y, Miyagishima T, Ono K, Sakamoto N, Sakata Y. Study protocol of HGCSG1404 SNOW study: a phase I/II trial of combined chemotherapy of S-1, nab-paclitaxel and oxaliplatin administered biweekly to patients with advanced gastric cancer. BMC Cancer. 2017; 8;17(1):837.